ハードコアな究極のアメリカン ストリートロッドの走りの競演
戦前のモデルをベースにした「ストリートロッド」のサーキット走行会が開催された!
WHY NOT HOT ROD Time Attack Demo Sunday April 1,2018
戦前のモデルをベースにした「ストリートロッド」のサーキット走行会が開催された! モデルイヤーやスタイルに関係なく、ガンガン走ってこそのストリートロッドを地でいくハードコアなスピリットを胸に、全開走行をカジュアルに楽しんだのだった!
日本のホットロッダーたちが本庄サーキットでタイムを競った!
ストリートロッドはアメリカの自動車趣味において、最も歴史が古く幅広い層に支持されている。それらのイベントにも様々なスタイルが存在し、ルーツとなるホットロッドを意識して走りをメインとするレースイベントも盛んになってきている。
ドラッグレースにおいては、本家のNHRAが運営するホットロッドリユニオンは有名で、往年の有名車やレーサーによる同窓会というアプローチで実際にレースを行なうイベントも盛り上がりを見せている。同様に、ホットロッド創成期を再現する砂浜でのレース、レース・オブ・ジェントルマンの注目度も高まり、日本のファッション誌もフィーチャーするほど。
ビンテージをキーワードに、日本でもストリートロッド人気は高まり、千里浜でもレース・イベントが開催されている。ベース車のモデルイヤーからすると、日本ではきちんと走ることすら大変だと思われがちだが、そもそもは競技車両としてモディファイしたホットロッドをストリートカーにアレンジしたストリートロッドは、少なくともストック以上に速く走ることができて当り前!
今回開催されたホットロッド走行会は、そんなポテンシャルを存分に発揮するべく、ストリートロッドのオーナーであるショップ関係者を中心とする有志によって開催された。本庄サーキットのショートコースを貸し切って、混走ではなく、単走によるタイムアタック形式。それだけに、マシンのスペックやドライバーのスキルに関係なく、思い通りの走りを満喫でき、とにかく楽しい。
ストリートロッドでひしめくパドックの風景は、とにかく絵になる。それだけに、思いのほか沢山のギャラリーが遊びに来ていた。実際の走行シーンを目の当たりにして、ストリートロッドの魅力にハマった人も多かった。
3つのクラスそれぞれのトップ3を表彰。写真は4バンガークラス。タイムアタックなので、勝ち負けの意識は低かったものの、ピストンを使った自家製トロフィーが素敵なだけに、何とか手に入れたい!
表彰の合間には、イベントを支えてくれた2人のスタッフに感謝の意を表したり。イベントの運営にはこういう人達の存在は欠かせない。エントリーしながらも、MCを担当した小川さんにも感謝です。
ストリートロッドの定義に則って、フェンダーが独立した設計の1948年型以前のモデルを基準に、3つのクラスに分けてタイムアタックを行なった。クラス1は4 banger(4気筒エンジン車)、クラス2はFLATHEADのV8車、そしてクラス3はOHVによるV8およびV6エンジン車。
標準でV8が搭載される32年型以前のT型やモデルAの搭載エンジンは“フォーバンガー”こと4気筒となる。ストリートロッドとしてアレンジする場合、V8への換装が主流ながらも、Hot Rod創成期を意識したスタイルでは当時の手法に拘って、“フォーバンガー”をモディファイしているのだ。
当時ならではの更なるアップグレードとして往年のフラットヘッドV8に換装、またはストックでフラットヘッドを搭載するモデルも含め、イメージした時代考証なども踏まえたモディファイが施されている車両が多数だった。そして、Hot Rodに限らず、換装エンジンで主流となっているのがOHVのV8。
ベース車がFordであっても、V8エンジンのスタンダードとして定着しているGM製350ciは圧倒的なシェアとなっていることもポイントだ。それぞれの出力の差は大きいが、30年代を中心とするクラッシックなモデルが全開でサーキットを駆抜ける姿は圧巻!
ストリートロッドだけで約50台が集結し、その他にもエキシビジョンとしてアメリカ車であればモデルイヤーを問わず参加することも可能。そこにはエコノミーなモデルから本気度の高いモディファイを施したモノまで幅広くエントリー。
レースというと敷居の高いイメージがあるが、このイベントは集まる車両こそハードコアでも、参加者一人一人が純粋に楽しんでいることで、全体のムードもフレンドリーでとにかく楽しかった!
1932 Ford Model B 3window Coupe
アメリカの著名ビルダーに製作を依頼したショークオリティの有名車。スタイリングの美しさもさることながら、巨大なルーツ・ブロアーで武装したマッシブなエンジンのパフォーマンスも相当なもの。そんなマシンで姫路から自走でエントリーするオーナーの心意気こそHot Rodderといえる!
そして、マシンのありあまるパフォーマンスをねじ伏せるように疾走する姿は圧巻。そして、ショーカーとして出展された時よりも、走る姿こそ魅力的!
1934 Ford 5window Coupe
絶妙なチョップトップでバランスの良いシルエットを構築するこの個体は、日常使用にも活躍する真のストリートロッド。疾走感あるフォルムがサーキット走行で映える!
1932 Ford Model B 5window Coupe
当日はMCを担当しながらの出走で大忙しだったデュースファクトリー・スタッフ小川さん。国内に存在するフルフェンダーの5ウインドーでは最も美しいプロポーションを構築する個体。それでいて男のマニュアル車!
1941 Willys Pickup
レポーターも愛車のウィリス・ピックアップで参加。日常では体験することのないサーキットでのアグレッシブな走行は、実際のタイムがどうであれ、ドライブしている本人的にはアドレナリンが放出されてとにかく楽しいの一言。
単独走行なだけに、思い通りのラインで思いっきり走れるのもポイント。こんなルックスでも、重量配分は意外にもほぼ50/50なうえ総重量で1250kgと軽量なため、思いのほか軽快に走ることができた。
1932 Ford Model B Roadster
ライターのレミさんも、この日は愛機のデュース・ロードスターで参戦。マシンの製作にも自ら作業を行なうなど、ロッダーを地でいくライターとしても貴重な存在。マシンは完成したばかりで、この日に間に合わせたといった状態なだけに、当初は緊張気味でしたが、実施の走行では楽しめた模様。
当日自分もコースで試乗させてもらったが、327モーターにマンシー製4速マニュアルと男らしい仕様で、HOTな走りをエンジョイ
1934 Ford 3window Coupe
空力特性を高めるべく大幅にチョップトップしたトラディショナルな3ウインドー。往年のスタイルを重んじながらも、スタイリッシュなプロポーションで魅力的。
1929 Ford Model A Roadster
4バンガー・クラスにエントリーするこのハイボーイ・ロードスターは、往年のHot Rodを思い起こさせるハードコアなスタイル。ウィンドシールドも撤去し徹底し軽量化が図られ、フレームスのデザインやディテールなども含め当時のセオリーを重んじてバランスよくまとめられている。そして、クラス内では最速を誇った!
1941 Willys Coupe
ストリートロッドをメインにファブリケーションからシャシーワークもこなすスペシャルショップ、アンディーズ代表&愛機のウィリス。この個体は本気のハイパフォーマンスモーターを搭載するドラッグレース・アプローチなだけに、ロードコースには不向きではあるが、直線ではタイヤスモークをあげながらHotな走りを披露。
1929 Ford Model A Pickup Roadster
ピックアップながらもロードスターのこの個体は、フェンダーを撤去したハイボーイにアレンジしてあるものの、基本的なボディーはストックをキープ。
車高スタンスも腰高な状態で、エンジンもストックの4バンガーをモディファイしたHot Rod創成期のスタイル。モディファイの度合いは高くなくとも軽量ゆえに思いのほか軽快な走り!
1929 Ford Model A Roadster
創成期のスタイルを貫いたモデルAのハイボーイ・ロードスター。クラス2のフラットヘッドV8にエントリーしたこの個体&オーナーは、なんと、アメリカのレースイベント、レース・オブ・ジェントルマンにも参戦実績をもつ筋金入りのHot Rodder!
そんなハードコアな方でも、肩肘張らず純粋に楽しんでいるのが印象的。
1932 Ford Model B Pickup
ドライバーの笠井さんは、ストリートロッドを扱うショップとしては国内で最も古株となるデュースファクトリーの代表。ストリートロッドを知り尽くしているだけでなく、これまでにも様々なレース走行に積極的に参加する生粋のHot Rodder。
それだけに、マシンのポテンシャルを超えるHotな走りっぷり! エントリーはクラス2。
Photo◆Hiroshi Nose Report◆Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2018年 7月号掲載
最新記事
2024/12/03
アメ車&ドイツ車を専門に扱う日本有数の解体ショップ【T&K インターナショナル】
MAINTENANCE of AMERICAN CARS
解体屋ならではの迅速な対応でアメ車乗りをサポート
2024/12/02
激レア!フルウィンドーのダッジスポーツマンの愛らしさ
いつかはウェストサイドなローライダー!そんなイメージを抱きがちなDJではあるが、本国では意外とそうでもなかったりする。現地で見たリアリティ溢れるカーカルチャーを、日本でサラッとこなすナイスガイを直撃!
2024/11/29
【ファニーガレージ】クルマ全般に精通しており、頼れるアニキのような存在!
自動車メーカーやアメ車専門店など、様々な経歴を持つファニーガレージ代表の森 博章さん。アメ車専門ではないが、常にユーザーに寄り添ってくれる、真のモータースと呼ぶのが相応しいお店だ。
2024/11/28
【GMCラリーSTX】真鍮&ウォールナットとGMCラリーのコントラストが映える
モノ選びは直感。既製品で存在しない物は作ってでも納得のいくモノを愛用したい。そんなこだわりの強いオーナーに好まれるビンテージバン。飾り過ぎはナンセンス。ありのままを受け入れる余裕が魅せる“濃い目のバンライフ”。