希少なマッスルカーを豊富在庫している『東海カーズ』。今回はそんな中から、70年型7AARクーダ、73年型ファイヤーバード、68年型と71年型カマロ、4台のビンテージマッスルの走りを披露してくれた。
マッスルカーこそ走ってナンボ!外見よりもまずは中身が重要!
官能のビンテージアメリカン Vintage Ecstasy
ビンテージカーだろうと何だろうと「クルマは走ってナンボ」を強く提唱する東海カーズ。希少なマッスルカーを豊富在庫しているが、どのクルマもいつでもホンキの走りができる状態。今回はそんな中から、70年型7AARクーダ、73年型ファイヤーバード、68年型と71年型カマロ、4台のビンテージマッスルの走りを披露してくれた。
1970 PLYMOUTH 'CUDA
プラムクレイジーの独創的なカラーリングは、雨の中でも存在感抜群。しっかり整備を施していれば、ステアリングも普通に切れるし、ブレーキもちゃんと効いて、安心して止まれるとは細井氏の弁。
1973 PONTIAC FIREBIRD ESPRIT
日本ではどうしても「トランザム」のグレード名が一人歩きしている気がしないでもないが、レアなエスプリグレードのファイヤーバード。エンジンは350で、3AT。ストック状態では過激な走りを楽しむというよりも、クルージングを楽しむクルマと言える。
スペックよりも実際の走りが重要!
クルマに対する価値観は人それぞれだが、近年のビンテージブームの影響か、アメ車をコレクション的に所有する傾向が強まっている気がする。雨の日は乗らないとか、長距離は走らない。また、4000回転以上回したことがないなど、マッスルカーの暴力的な加速感を味わっていなかったり、道具としてのクルマの意味をなしていないケースが往々にしてある。
また日本ではナンバーズマッチを好み、それそこが絶対という妙な空気感まで生まれてないだろうか…。そんな風潮に真っ向から異を唱えるのが、東海カーズ。代表の細井氏は「クルマなんだから、雨の日こそ役立つよね。何で乗らないの?」とか、「第一ナンバーズマッチって言ったって、フルノーマル車でしょ。何も面白いと思わないよ」。
「走ったら壊れる? それってキチンと整備してないだけじゃないの?」などなど、数々のビンテージカーを取り扱ってきているだけに、その言葉には重みがある。そんな東海カーズの取材日は、よりにもよって雨。「こんな天気だから外で撮影は勘弁してください…」と言われるのがよくあるケースだが細井氏は「最高じゃん!外で爆走しちゃおうぜ♪」とノリノリ。
アメ車は止まらないと誰が言いはじめたのかは知らないが、東海カーズの車両はしっかり整備が行き届いていることもあり、土砂降りの雨でも普通に運転できる。片道200~300㎞くらい普通に、安心して走れるクルマだけを在庫しており、ほとんどが試乗可能。見て楽しむようなビンテージカーは、東海カーズには、ないのだ!
1968 CHEVY CAMARO
本誌でも度々登場し、また愛知キャラバンで実車を見たこともある人も多い、細井氏の愛車。その時からさらにアップグレードされており、最近、新品のGM385エンジンにコンバージョン。セミスリックタイヤにも履き替えており、これまでに費やした費用は見た目以上にかかっている。だが、その結果とにかく走って楽しいカマロに仕上げられている。
1971 CHEVY CAMARO
90年代のファイヤーバード・トランザムに搭載されていた、実走行6万kmの350センターボルトエンジンにコンバージョンされた71年型カマロ。4MTを組み合わせ、こちらも走ることに特化。ドアを閉めるとパネルが今にも剥がれそうだが、そんなことはお構いなし。塗装はほぼなくなり地肌が露出しているが、走りはピカイチ。
クルマなんだから、走らなきゃ意味がない!
「確かに古いアメ車なんだから、走ってりゃ壊れますよ。で、そこでどうするか。乗ってぶっ壊して対策する、乗ってぶっ壊して対策する、乗ってぶっ壊して対策する…の繰り返しで、ようやく安心して乗れるようになって行く。だから外装なんか一番最後で良いと思うよ。
なんでみんな、中身を疎かにして外観を先に直しちゃうんだろうね。クルマなんだから、走らなきゃ意味ないでしょ!」と、愛車のラットスタイルカマロの前で語る細井氏。土砂降りのコンディションでもお構いなしに2台のカマロを豪快に走らせる。エクステリアを見ただけでは「これって走るの?」と思う人が多いかもしれないが、ノープロブレム。
それどころか、各部のアップグレードを実施しているので、このクルマで容易にワイルドな走りを堪能することもできてしまうそうだ。「もちろん、対策やカスタムにはコストが掛かるよね。でも予算が…という人はエクステリアのコンディションを下げるしかないかな」とも。という訳で、ヤレた外観でも中身はバッチリという、ラットスタイルもアリではないだろうか? ビンテージカーと言ってもただの乗り物なんだし、気構えなくてもOK。
ショッピングモールやホームセンターの駐車場で、隣のクルマにドアパンチされないかヒヤヒヤするより、誰も近寄らないような個性あふれるスタイルの方が、自由に楽しめる。ミントもラットも取り扱う東海カーズ。さて、あなたはどちらを選ぶ?
Tokai Cars
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E-mail◆info@car-s-mm.com
Photo◆Takeo Asai
Report◆Ryo Sorano
アメ車マガジン 2018年1月号掲載