セダンピックアップという唯一無二のジャンルで、幅広い世代から愛されているエルカミーノ。TDO MOTORINGでは第3世代の後期型モデル、1972年型をベースに街乗りでも快適な仕様に仕上げた。
Vintage Ecstasy 1972 Chevy El Camino
官能のビンテージアメリカン
セダンピックアップという唯一無二のジャンルで、幅広い世代から愛されているエルカミーノ。TDO MOTORINGでは第3世代の後期型モデル、1972年型をベースに街乗りでも快適な仕様に仕上げた。
第3世代エルカミーノ後期型となる72年型
日本国内でも根強い人気を誇るシボレー・エルカミーノ。通常のピックアップトラックとは異なるクーペベースの2ドアボディは、販売が終了してから久しいが未だに新鮮でオシャレだ。ほかの車種にはない、エルカミーノ独特の雰囲気が多くの人を魅了していることは間違いない。
TDOモータリングでは1968年に登場した3代目エルカミーノの後期型モデルをベースにカスタマイズを施した。デモカーは1972年型でフロントマスクなどの顔回りが前期型とは一新された仕様のモデルだ。国内においては、前期型の丸目4灯ヘッドライトの人気が高いが、敢えて後期型をベースにデモカーを製作したのだ。
足回りにはフロントにアイバッハの2インチダウンサスを組み込み、リアにはモンローのエアショックを装備。街中で映える、ローライダースタイルにも近い、美しいシルエットを演出した。心臓部には5.7?の350エンジンを積むが、キャブレターやインテークマニホールド、タコ足といった機能パーツは交換済みで軽快な走りが味わえた。
TDOモータリングでは、このエルカミーノのような60年代後半から70年代にかけてのマッスルカー全盛だった頃のアメ車を中心に取り扱う。代表の川瀬氏が、そのあたりの世代のアメ車が好きだということも影響しているそう。エルカミーノに限らず、気になる車両があるという人は一度、ホームページなどで在庫車の情報をチェックしてみて欲しい。
350エンジンを心臓部に積んだ1972年型エルカミーノの走りは実に大らか。パワフルで良い意味で「アメ車らしさ」を感じられる1台といえる。ミッションは3速のコラム式ATだが、街中で乗る分には取り立てて気になる部分はなく快適クルーズができる。
第3世代のエルカミーノ、後期型車の特徴は前期型の4灯ヘッドライトから改められた大型ヘッドライト。4灯のレトロな雰囲気から一転、都会的なフロントマスクになっている。こちらの個体ではフロントにダウンサス、リアにエアショックが組み込まれているのでケツ上がりのスポーティなスタイルに仕上がっている。
極力、ノーマルのスタイルを保つためにホイールには敢えて純正タイプのデザインのホイールをチョイスした。足回りにはフロントにアイバッハ・2インチダウンサスペンションを装備。リアにはモンローのエアショックを組み込んだ。タイヤサイズはフロントが235/60R15、リアは275/60R15。
搭載されるエンジンはスモールブロックの5.7? 350エンジン。快適な乗り味を保つために、キャブやインテークマニホールドを交換済み。タコ足もアフターパーツに取り替えることでレスポンスアップを図っている。取材時に試走したところ、軽快な吹き上がりで年式を感じさせないほどの好感触であった。
エクステリア同様に、車内などのインテリアは当時のままで手を加えていない。ブラック基調でまとまられたインパネ周りはスポーティなコクピットだ。シートもベンチシートで当時と同様の乗り心地を味わえる。
取材時、ショールームには1971年型のカマロやノバ、1968年型シェベルなどが並んでいて、この世代のアメ車が好きな人であれば思わず、「おぉ」と驚嘆しそうなほど。もともと鈑金整備も手掛けていたため、鈑金・塗装からカスタマイズまでトータルでの作業も得意だ。東海北陸道・岐阜各務原インターからも近い立地なので、各地からのアクセスも容易だ。
取材協力:TDO MOTORING
Location◆岐阜県各務原市成清町2-124-1
Phone◆058-380-5239
URL◆http://www.tdomotoring.com/
Photo & Report◆Tsunehiro Aiba
■Text & Photos|アメ車MAGAZINE
アメ車マガジン 2018年1月号掲載