ボディサイズの割に乗車定員は3名と、ある意味贅沢なクルマと言えるエルカミーノ。

ピックアップトラック

ビンテージ

シボレー

1960-1970

アメリカンビンテージvol.04

エルカミーノ

TDOモータリング

半世紀前のクルマを見て乗って楽しい仕様にモディファイ


AMERICAN DAILY VINTAGE CAR

気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー

クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。

1960-1970年代

レース活動が活発になり、ハイパフォーマンスカーが次々に登場。大排気量エンジンなどメカニズムにおいても大きな進化を遂げ、後年の「マッスルカーブーム」を作るきっかけとなった時代でもある。

1968y シボレー・エルカミーノ

半世紀前のクルマを見て乗って楽しい仕様にモディファイ

1968y CHEVROLET El Camino、1968年シボレー・エルカミーノ

ボディサイズの割に乗車定員は3名と、ある意味贅沢なクルマと言えるエルカミーノ。デビューから50年目を迎えるが、骨董品のようにノーマルをキープするのではなく、性能面は近代化を実施。またゴーストペイントを施しており、最先端のカスタムも盛り込んでいる。

ビンテージの不安を取り除き その上で個性的なカスタムを実施

16歳の時からアメ車に触れ続け、これまでに何台ものアメ車を乗り継ぐTDOの川瀬氏。すでにお店はオープンから15年を数えており、鈑金業がメインだが、5年ほど前からアメ車の販売もスタート。アメ車の良いところも悪いところも知り尽くすだけに、敢えてノーマルで乗るのではなくカスタムを施すことで「壊れにくくて乗りやすい」仕様を実現する。

例えばエンジンは454にコンバージョンしているが、これがノーマルサスや純正サイズのタイヤでは路面に力を伝えるには役不足。見た目だけでなく性能も考慮し、18インチのNT555を組み合わせている。川瀬氏は「何よりバランスが取れたクルマは乗りやすく、クルマが嫌にならないですね」とも。個性を引き出しつつ、信頼性も向上。見て乗って楽しいクルマを作るのがTDOのスタンスだ。

1968y CHEVROLET El Camino、1968年シボレー・エルカミーノ  

ローダウンスプリングを組み込み、低いシルエットを実現。とはいえ、毎日乗れる仕様を目指しており、乗り心地や運転のしやすさも重視する。

ローダウンスプリングを組み込み、低 いシルエットを実現。

 オリジナルのエンジンではなく、コンバージョンで454を搭載。

オリジナルのエンジンではなく、コンバージョンで454を搭載。エアコンはR134aに換装しており、へダースなども変更ずみ。軽いボディと相まって、アクセルを踏めばかなりの速度に達すると、TDOの川瀬さんは語る。

60年代のクルマではあるが、どことなく70年代の直線基調なデザインにも通ずる雰囲気のインパネ。

60年代のクルマではあるが、どことなく70年代の直線基調なデザインにも通ずる雰囲気のインパネ。エアコンダクトなどは目立たないように配置。

 

フロアカーペットやシートは、オリジナル風にリフレッシュ。半世紀前のクルマでも部品には困らない。  

B&Mのメガシフターを使用して、コラムからフロアへ変更。 水温、 油温、電圧計の必須アイテムを追加し、信頼性を向上させている。

B&Mのメガシフターを使用して、コラムからフロアへ変更。水温、油温、電圧計の必須アイテムを追加し、信頼性を向上させている。

 タイヤはNITTOのNT555。18インチのハイグリップタイヤを組み込む。 ノーズ部分のゴーストペイントは、非常に派手に思うかもしれないが、陽の下では以外と目立たない。

タイヤはNITTOのNT555。454エンジンのパフォーマンスを生かせるよう、18インチのハイグリップタイヤを組み込む。ノーズ部分のゴーストペイントは、非常に派手に思うかもしれないが、陽の下では以外と目立たない。ある意味、二面性を持たせている。

ピックアップながらスポーツカーとしてのイメージも

シボレーにとって最初のインターミディエイトカーだったシェベルの登場と共に、デビュー当初のフルサイズベースから新たにインターミディエイトベースとなったセダンピックアップのエルカミーノは、シェベルの人気が高まると共にその魅力を増していった。とくにフロントマスクがシャープになりパフォーマンス的にもアップしていたのが1968年型と1969年型であり、エルカミーノの中でも人気が高い。

基本となるメカニカルコンポーネンツやエンジンラインナップ、オプションなどは前年と大差は無かった一方で、従来からのセダンピックアップというポジションから、ピックアップのスタイルをまとったスポーツカーというべきイメージにまで向上していたことは間違いない。最強だったのは言うまでもなくマークIVビッグブロックを搭載したSS396であり、この排気量ではラインナップの中で最強だった375hpのL78やマンシーの4速クロスレシオミッションも選択できた。

 1968年、1969年型のエルカミーノはフロントマスクがシャープな印象。

1968年、1969年型のエルカミーノはフロントマスクがシャープな印象になり、ピックアップスポーツとも言えるイメージを作り上げている。

■取材協力:TDO モータリング

TDOモータリング 岐阜県各務原市
所在地:岐阜県各務原市成清町2-124-1
TEL:058-380-5239
http://www.tdomotoring.com/


■Text & Photos|アメリカンビンテージカーマガジン
アメリカンビンテージカーマガジン VOL.4


関連記事

RELATED


ワッツのC10は、見た目以上に現代的に仕上げられているのが特徴。

見た目とは対照的に中身は現代的にアップデート

世代によって個性が異なる、シボレーのピックアップ

どんなスパイスで調理するかで味わい深さが変わる!

初代と第二世代初期モデルのカマロ。年式こそたった1年の違いではあるがその差は歴然。

アメリカンスポーツとして高い人気を誇るカマロ

アメリカを代表するピックアップトラック、シボレーC-10の2代目モデル【TDO MOTORING 1969y Chevrolet C-10】

ピックアップトラックはアメ車らしさを満載しているが、現代的なピックアップは高級感が強すぎて無骨に使うイメージがない。しかしクラシックなら程よく力が抜けた感じがあって、例えばレジャーのアシにもピッタリの存在だ。

【リアデザインの至宝】エルカミーノが誇る最高の魅力、そのリアフォルムとは?

魅力的なビンテージ・アメリカンカー「1987年式シボレー・エルカミーノ」の乗り心地と実用性を紹介。カスタマイズされた信頼性の高いデイリードライバーとしての魅力や写真家にとっての理想的なクルマとしての魅力に迫る。オリジナルの内装とユニークなデザインをご紹介しよう。
気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー
1987y CHEVROLET El Camino

 

最新記事


2024/11/21

【シェビーバンG20】子育て世代にはミニバン !?いやフルサイズ一択でしょ!

バン

シボレー

これまでアメ車を愛用してきた者たちがアメ車から離れるタイミングで比較的多いのが、子育てが始まった時。何不自由ない広々車内に加えて維持費も安い2Lクラスの国産ミニバンへと乗り換えるのがセオリー。でもフルサイズバンって選択肢も意外とアリ!?

2024/11/20

【ビッグバーンモータース】築き上げた知識と経験が信頼の証。

ショップ

創業37年。アメ車に完全にシフトして30年になる埼玉のビッグバーンモータース。創業当時から整備に力を注ぎ、その長い知識と経験を頼りにするオーナーは数多い。

2024/11/19

アメ車好きの父の密かな夢、最愛の娘とのツーショット

セダン

キャデラック

リンカーン

HOUSE

16年前に当時11才だった愛娘と一緒にアメマガに登場したオーナーさん。娘が大人になってアメ車に乗り、もう一度一緒にアメマガに…。そんな夢を胸に秘めていたオーナーさんの夢が遂に実現。

2024/11/18

どんな車種でも装着するだけで、気ままなクルマ旅が楽しめる!【OVERLAND SPEC OUTDOORS ROOF TOP TENT】

アウトドア

ショップ

オーストラリアに端を発し、アメリカや日本を初め、世界各地でユーザーが増加しつつある「オーバーランドスタイル」。様々なアメ車を販売するスカイオートでは、OSO製品を各種取り扱い中だ。

ランキング


2024/11/20

【ビッグバーンモータース】築き上げた知識と経験が信頼の証。

ショップ

創業37年。アメ車に完全にシフトして30年になる埼玉のビッグバーンモータース。創業当時から整備に力を注ぎ、その長い知識と経験を頼りにするオーナーは数多い。

2024/11/19

アメ車好きの父の密かな夢、最愛の娘とのツーショット

セダン

キャデラック

リンカーン

HOUSE

16年前に当時11才だった愛娘と一緒にアメマガに登場したオーナーさん。娘が大人になってアメ車に乗り、もう一度一緒にアメマガに…。そんな夢を胸に秘めていたオーナーさんの夢が遂に実現。

2018/11/22

ストリートロッドのベース車として、ダントツ人気のデュースこと32年型Ford

ビンテージ

フォード

乗って楽しむことこそが、ロッダーの流儀なだけに、コスパに優れるピックアップでフレンドリーに楽しむのがオススメ!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】