AMERICAN DAILY VINTAGE CAR
気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー
クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。
1960-1970年代
レース活動が活発になり、ハイパフォーマンスカーが次々に登場。大排気量エンジンなどメカニズムにおいても大きな進化を遂げ、後年の「マッスルカーブーム」を作るきっかけとなった時代でもある。
1963年、ミドルサイズの大衆車として登場した「シボレー・シェベル」は、ビッグブロックエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルも設定され、“マッスルカー” としてのイメージもある。そんなシェベルが、「スカイオート」の手によってよみがえっていたのである。
シボレー・シェベルについては、イメージが2通り、あると思う。1つは、デビュー時のコンセプトそのまま、大衆的でファミリー的なクルマ。そしてもう1つは、おとなしめのボディにハイパフォーマンスエンジンを積んだ、“羊の皮をかぶった狼”的なマッスルカー。
この'66モデルは、初代・最後期のモデル。スカイオートがアメリカで買い付け、レストアを施したもので、327エンジン+4速AT(元は2速AT)に載せ換えた。またタイヤ&ホイールも17インチを採用、パワステ・エアコンも装備され、今でも街乗り、買い物、ロングドライブに使用できるようになっている。
流れるようなボディラインが美しい2ドアハードトップ。クーペやコンバーチブル、4ドアなども設定された。17インチの足元もよく似合う。
レストア&カスタムに伴い、インパネには水温、油温、電圧の3連メーターを増設。エアコンもあり、快適に走れる。
ストイックな雰囲気はオリジナルのまま。コラム式ATは4速の700R4に変更。
シート表皮はフェイクレザー、前後ともベンチタイプの、ローバック仕様である。
ハイパフォーマンスのSS仕様、フロントエンブレムには396のエンブレムがあるが、現在は327(5.3ℓ)エンジンを搭載。1963年にデビューし、大衆車としてシボレーがもっとも成功を収めた1台、と言われるシェベル。ビンテージ好きの間ではどうしてもハイパフォーマンス仕様(SS)に人気がかたよるため、現在残っているのも、“マッスルカー”としてのシェベルが多い。
1960年代の終わりから1970年という年は、アメリカ車の中でも特にハイパフォーマンスであることをセールスポイントとしていたモデルの性能が最高潮に達していた時代だった。シェベルSSもこの時代を代表するハイパフォーマンスモデルとして歴史に残る名車だと言える。現在ではオリジナルのほか、エンジンの載せ替え等も積極的に行なわれ、現代的に乗る手段も確立されている。
■取材協力:スカイオート
所在地:埼玉県越谷市南荻島708-1
TEL:0489-76-1235
http://www.skyauto.co.jp
■Text & Photos|アメリカンビンテージカーマガジン
アメリカンビンテージカーマガジン VOL.4