かつては大統領の専用車として採用されたこともあるコンチネンタル。
歴史的名車でもある、6人乗れるフルサイズセダン.
クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。
AMERICAN DAILY VINTAGE CAR
気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー
レース活動が活発になり、ハイパフォーマンスカーが次々に登場。大排気量エンジンなどメカニズムにおいても大きな進化を遂げ、後年の「マッスルカーブーム」を作るきっかけとなった時代でもある。
1965y LINCOLN CONTINENTAL 【リンカーン・コンチネンタル】
長い歴史と独創的なスタイルが個性を放つ
100年以上の歴史を持つリンカーンブランド。最近ではライバルのキャデラックに押されている印象が拭えないが、かつては大統領の専用車として採用されたこともあるコンチネンタル。エッジの利いた独創的なスタイルに、観音開きドアを組み合わせるなど個性的なビンテージカーである。
歴史的名車でもある 6人乗れるフルサイズセダン
アメリカではそれなりの台数が生き残っているそうだが、日本にはあまり輸入されていない、リンカーン・コンチネンタル。そんなレアなクルマをグリースが導入したのは、2017年の秋頃。50年以上経過したクルマではあるが、日本で未登録の車両なので、今なら3年の車検が付けられる。
ボディサイズはゆうに5mを超えるものの、ステアリングは軽く小回りが利くので、日常で困るような場面はほとんどないと、グリースの野澤社長は語る。 ちなみにこちらのコンチネンタルは、367万円(税込)で絶賛販売中! 価格にはある程度の整備費用も含まれているので、安心して乗ることができる。
ちなみにブレーキもしっかり利くので、意外と思うかもしれないが、現代的な感覚で乗れるそうだ。 フェンダーの張り出しがそのままテールレンズへと繋がるラインは、50年代に一世風靡したテールフィンの名残とも言える。
最近のクルマに見慣れてしまうと、観音開きという構造に新鮮さを感じる人もいるのでは?横基調のインパネデザインを採用。スピードメーターやラジオ、時計が上段に並び、その下に各種計器類を配置。エアコンももちろん標準装備。
エンジンは430を搭載。落ち着いた外観とは裏腹に、7.0?というパワフルなユニットをボンネットフードの下に潜めている。そのため、半世紀以上前のクルマではあるが、意外なほど快適な高速クルーズが楽しめる。
基本的にナンバーズマッチだが、細かな部分でカスタムを実施。エーデルブロックのキャブに変更し、水温計を追加している。
2011年にオープンしたグリースは、車両の販売も行うが、基本的には修理がメイン。初めてビンテージに乗る人から、何台も乗り継ぐベテランまでが集う、頼もしいショップ。
見る人を釘付けにする 堂々としたサイズとルックス
1961年型で新時代を見据えた新しいクリーンなデザインを得たリンカーン・コンチネンタルは、1964年型でマイナーチェンジを実施、さらに1965年型ではクライスラー・ニューヨーカーやインペリアル・クラウンを意識したエッジを利かせたデザインを得ることとなった。
実は1961年型のリンカーン・コンチネンタルと、1965年型からのクライスラーとインペリアルは共にエルウッド・エンジェルという同じ人物がデザインしたものであり、どことなく似ていたのにはそんな理由があった。
1965年型のリンカーン・コンチネンタルにおいてその当初のコンセプトに変化はなく、特徴的な観音開きのドアもクロームトリムを可能な限り廃し、面の張りの美しさを強調したサイドビューなども健在だった。
なおホイールベースは123インチから126インチに伸ばされていたこともあり一段と堂々としたものとなっていたが、翌1966年型では同じシャシーのままでさらにボディが大型化することとなる。 ビンテージカーには、やはり当時の面影を感じさせるホワイトリボンタイヤがベストマッチ。むやみに速度を出さないならバイアスで十分とも。
■取材協力:グリース
所在地:静岡県浜松市中区高丘北3-37-53
TEL:053-522-9860
http://greasemotor.jp/
■Text & Photos|アメリカンビンテージカーマガジン
アメリカンビンテージカーマガジン VOL.4
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