アメリカ国内のパーソナルカーで 販売台数が一番多い人気車なのだ!! フォードF-150
1948年にデビューした「F-1」の時代から数えて現在まで13世代におよぶフォードのピックアップトラック「Fシリーズ」は、アメリカ国内のベストセラーカーである。
American Cars Best20 FORD F-150(フォード F150) 1948y-
1948年にデビューした「F-1」の時代から数えて現在まで13世代におよぶフォードのピックアップトラック「Fシリーズ」は、アメリカ国内のベストセラーカーである。
人気の秘密は常に進化し続けていることと、無数とも思えるほど豊富な選択肢にある。1948年にデビューした「F-1」の時代から数えて現在まで13世代におよぶフォードのピックアップトラック「Fシリーズ」は、アメリカ国内のベストセラーカーである。人気の秘密は常に進化し続けていることと、無数とも思えるほど豊富な選択肢にある。
2018 FORD F-150 LARIAT SUPER CREW 4×4 FX4 Off-Road Package
2018 FORD F-150 LARIAT Sport Appearance Package
2018 Ford F-150 Platinum
アメリカで一番売れているアメ車は何? というのはアメ車ファンなら気になるところ。毎年発表されている年間販売台数ランキングにはさまざまなアメ車、日本車、欧州車たちが並ぶが、毎年見ていて順位が変わらないところがひとつある。ランキング1位がフォードのピックアップトラック「Fシリーズ」であることだ。
そのランキング1位の座は、2016年まで(この原稿を書いているのは2017年12月だ)の32年間連続でFシリーズが勝ち取っている。「Fシリーズ」という呼び名は、積載量によって車名が異なるF-150、F-250?F-750までを総称したもの。したがって、販売台数のランキングもシャシーキャブ(荷台無しの架装を前提とした頭だけのトラック)などを含めたシリーズ全体としての成果である。
農作業、建設作業など幅広い使われ方をしているピックアップトラック全体と考えれば、ランキングトップを独走というのも納得がいくだろう。とはいえ、そのへんの事情はGMやクライスラーのピックアップトラックも同じなので、それらに対してFシリーズが優位にあるのは間違いない。さて、ここからはF-150に話を絞る。Fシリーズの中で販売台数が一番多いのがF-150だ。
F-150のルーツは1948年にデビューした「F-1」の時代までさかのぼる。2015年モデルからの現行型はすでに第13世代となる。その現行モデルも2018年モデルでフェイスリフトを行ない、フロントエンドおよびリアエンドのデザインが一新された。最新のフロントマスクはラジエーターグリル中央を横切って左右のヘッドランプにまで食い込んだ2本のホリゾンタルバーが特徴で、最近のフォード車のトレンドである六角形グリルも取り入れている。
下に各ラインナップの写真を並べたが、車種によってそれぞれフロントマスクが異なっているのが分かる。売れているクルマだからこそここまでのコストがかけられるわけだが、こうした選択肢を用意することも人気の秘密である。2018年モデルではほかに、290hpの3.3?V6エンジンが追加設定され、2.7?ターボのエコブーストエンジンがトルクアップ(51.8kg-m→55.3kg-m)、5?V8エンジンがパワーアップ(385hp→395hp)した。
また新設の3.3?以外のすべてのエンジンに10ATが組み合わせられた。さらにすべてのエンジンにアイドリングストップ機構が用意されたのもニュースだ。もうひとつ、モデルイヤーの途中で3.0?V6ターボディーゼルエンジンの追加が予定されているが、こちらは現時点ではまだアナウンスがない。近年はクルマに関する技術の進歩が目覚ましいこともあって、このようなきめ細かいアップデートが行なわれているのは間違いない。
売れているクルマだからこそこのようなことができるのだが、逆にトラックといえども常に最先端の技術を盛り込むことによって高い人気を維持しているはずだ。F-150はアメリカ本国だけでなく、もちろん日本でも人気が高い。とくに先代モデルあたりからのギラギラしたアメ車っぽさは日本のファンにも好評だ。全幅2メーター超えのフルサイズトラックにこの顔が付いていたらそれだけでも大迫力。カスタムベースとしてもやりがいのある一台だ。
2018 F-150 LARIAT SuperCrew 4x4 Specifi cations | |
全長 | 5890㎜ |
全幅 | 2029㎜ |
全高 | 1960㎜ |
ホイールベース | 3683㎜ |
トレッド | - |
重量 | 2203kg |
エンジンタイプ | V6 DOHC ターボ EcoBoost |
総排気量 | 2.7? |
内径×行程 | 96.5㎜× 86.4㎜ |
圧縮比 | 10.0 : 1 |
最高出力 | 325hp/ 5000rpm |
最大トルク | 55.3kg-m / 2750rpm |
燃料供給装置 | ポート&ダイレクトインジェクション |
変速機 | 10AT |
EPA燃費 | 市街地8.0㎞ /?/高速10.2㎞ /? |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン・コイルスプリング |
サスペンション後 | リジッド・リーフスプリング |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク |
ブレーキ後 | ベンチレーテッドディスク |
タイヤサイズ前後 | P275/65SR18 |
1st Generation 1948-52
記念すべき最初のFシリーズ。車名は「F-1」。標準エンジンは95hp の3.7?直6で、オプションとして100hpの3.9? V8 が用意されていた。トランスミッションは3MTが標準で、4MTがオプションで選べた。
2nd Generation 1953-56
第二世代になって車名は「F-100」へと変更された。そのスタイリングから「パンプキン」という愛称で呼ばれた。2年目の1954年モデルから、V8エンジンがそれまでのサイドバルブからOHVへと変更された。
6th Generation 1973-79
1975年モデルで、F-100とF-250の間に0.5トン積みのヘビーバージョンとしてF-150が追加された。また、1978年モデルではF-100のシャシーコンポーネンツを使った派生SUVとしてブロンコ(フルサイズ)が生まれた。
10th Generation 1997-2003
この時期、一般に日本でアメリカのピックアップトラックといえばC-1500一辺倒という状況で、F-150はコアなファン以外には認知度は高くなかった。1999年モデルからF-250とF-350はスーパーデューティという別車種として独立した。
11th Generation 2004-08
この時期、ナビゲーター、エスカレード、H2がプレミアムSUVとして注目される中、フォードではこのF-150をベースとしたピックアップトラックとしてリンカーン・マークLTを投入。日本でもコアなファンからの注目を集めた。
12th Generation 2009-14
この世代になってF-150のフロントマスクはラジエーターグリルを大きく見せるデザインに変更、日本のアメ車ファンの間でも話題になり、カスタムのベース車として選ぶユーザーが増えるようになる。
CUSTOMIZED MODELS
見た目は超派手ハデだが
ここまで派手なF-150はなかなかない。ポイントはホイールと内装だ。ホイールはDUBアウトバーン28インチで、カラーリングはエアブラシによるペイント。内装はアメリカ本国での製作。フード、サイド、リアのラインはカッティングシートによるもの。随所の小業も効いている組み合わせの妙だ。
http://gracecab.jp
6インチリフトでワイルドに
このワイルド感をリフトアップとシンプルなカラーリングで生み出したのは栃木県に店舗を構えるトゥルーカーズだ。レッドに塗装したBDS製6インチスタンダードリフトアップキットを使用。同キットは純正スプリングをそのまま使えるので乗り心地は変わらない。スーパースワンバー36×13.5R17で仕上げた。
http://www.truecars.jp
アメリカンフルサイズピックアップトラックの命とも言えるのがフロントマスクのデザインである。現行モデルはかなりの迫力である。しかしながらF-150は一時期、日本のアメ車ファンから見ると地味なデザインを採用していて、話題になりにくかったのは間違いない。
ただ、F‐150が北米でベストセラーカーの座を守り続けてこれたのは、ラディカルなデザインに手を出さず、多くの人たちに受け入れやすかったからでもあった。アメリカの白人たちには存外保守的な層が多いのである。
しかし第12世代になってF‐150は攻めに転じる。ラジエーターグリルを実際以上に大きく見せるデザイン処理は中国市場を意識した結果とも言われるが、日本のアメ車ファンも大歓迎。さらに2010年モデルでは顔違いのデザートレーサーとして「ラプター」を投入。これが転機となってアメリカンピックアップトラック界にオフロードブームが巻き起こった。
https://www.ford.com
■Text|アメ車MAGAZINE
アメ車マガジン 2018年 3月号掲載
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