10年間のモナコ生活を経て、アメ車の魅力を再認識する
amZ2023で3rdアワードに輝いたDon K.T.こと加藤さん。「自宅にガレージがあるのでぜひ取材を!」を仰って頂いたので取材に向かう。そこに広がっていたのは、まさに別世界のような空間だ。
アメ車生活を楽しむオーナーたち
仲間を巻き込み一緒に楽しむ!予想外に深く広い加藤ワールド
これまで数々のオーナーさんを紹介してきた。ガレージを所有する方は皆さん創意工夫を凝らし、魅力的な空間を実現しておられた。ただ多くの方は既製品のアメリカン雑貨などを飾り、アメ車が似合う空間を演出している。それに対し加藤さんの場合、誤解を恐れず言わせてもらうなら「よく見かけるようなアイテム」は一切ない。にも関わらず、シックな雰囲気で統一されている。加藤さんいわく「クルマを止めてはいるけれど、ここはリビングですね」と語っており、クルマが癒しの1つになっている。
免許を取得し学生時代はゼロヨンに明け暮れていた加藤さん。その後FORDジャパンに就職し、マスタングやエクスプローラーを所有。サービス部門の担当であったが走ることが好きで、自分でできる範囲の整備を行うなど、メカニズムにも精通していた。その後コンサルタント業を開業。加藤さんは「40代の10年間はモナコに住んでました」と語るが、一瞬「もなこ? あのF-1の?」と、聞き返すほどで、まったく予想だにしない話がここから展開する。
「モナコに行って実感したのは、みんなどんな遊びをしているのかしか興味がなく、ビジネスの話なんて誰もしない。いかに充実した日々を過ごすかが重要でしたね。モナコ王室主催のパーティーに仲間と一緒に参加しましたが、経験した人の言葉には厚みがあるし、そういった世界を仲間に知ってもらいたいし、相応しい人になって欲しいと思って友人たちを招きました。またアバルトの奥様が主宰するシルバーフラッグというイベントは『みんなで競うのでなく楽しく走る』というコンセプト。それに感化され、浜松で毎年クラシックカーラリーも開催しています」と、スケールの違いを実感。
コロナの流行で日本に戻ってきた加藤さん。欧州車漬けの生活で、帰国してシトロエンを買おうと思ったが、その横にあった極上のサンダーバードに一目惚れ!色々な個体を見たそうだがベストなコンディションだったので、久々にアメ車へカムバック。
最近所有していたクルマが2人乗りばかりだったので、みんなと一緒に出掛けられ、ワイワイ楽しめる様に1995年型のシェビーバン・スタークラフトも購入。周りに対して影響力が非常に大きかった加藤さん。それまでビンテージカーを布教していたのに、ある日を境にアメ車を広め始め、仲間も感化され、続々とアメ車を購入し現在に至るそうだ。
「欧州車と違い、アメ車はゆるくリラックスして乗れるのが心地良いし、自分に合ってますね。クルマが変わると目的地や行動範囲も変わる。どちらが良いではないけれど、モナコのようなライフスタイルにアメ車は欠かせません!」と語ってくれた。
一度離れたからこそ、改めてアメ車の魅力を再認識した加藤さん。取材後にはフォーカスを増車したそうで、その勢いは加速中だ。
リビングルームの調度品はすべて加藤さんがモナコで愛用していた品々。他人が作ったキャラクターは存在せず、言わば「加藤ミージアム」そのものだ。ビリヤード台の奥にはミニカーが数台置いてあり、立体駐車場風にディスプレイ。これらはいずれ所有したいと思っているクルマたちで、加藤さんの座右の銘は「夢はいずれ叶う!」。叶えるためのプロセスも大切だが、実現してからさあどうするかが重要になると語ってくれたのも印象的だった。
一見するとガレージの様ではあるけれど、加藤さんにとってここはリビングルームであるため、友人たちとここで過ごす時間を何よりも大切にしている。
周りの友人を良い意味で巻き込み一緒に楽しむ加藤さんは、自分のオーケストラも所有! ダンスホールを貸し切って舞踏会を開催したことも。また、慈善事業に関するパーティーも参画しているそうだ。
1956 Ford Thunderbird
1995 Chevrolet Chevy van
目的地に合わせてクルマを使い分ける
肩肘張らない楽しさがアメ車の魅力
正規輸入モデルのサンダーバードに出会ったことで、アメ車熱が再燃した加藤さん。サンダーバードは、スペアタイヤは入っていないけれどそれらしいデザインがお気に入り。シェビーバンにはソファーを載せ河原でモーニングを食べたり、ボートを積んで水遊びするのに活用。また富士スピードウェイも走行するなど、幅広い使い方をしている。
Friends File-01
林 信隆さん
1966 Chevrolet Malibu Wagon
1996 Dodge Ram
フェラーリから一転してのアメ車ライフ
しかも人生初の複数台の所有です
かつては加藤さんの影響でフェラーリを所有。ところが加藤さんがアメ車にのめり込んだものだから、林さんも後に続きラムを購入。1台だけでは収まらず、なんと同時にマリッブワゴンも購入してしまったそうだ。ラムは大きいけれどこちらの方が乗る機会が多く、購入時に装着していたシェルを外しトラックらしいシルエットとしている。
Friends File-02
森田文水さん
2004 Chrysler PT Cruiser
2009 Lincoln Navigator
PT は簡単にオープンを楽しめるし
ナビゲーターはむしろ大きさが心地良い
初のアメ車がフルサイズのシェビーバンというのは中々ハードルが高すぎるので、初の左ハンドル車としてPTクルーザーを購入した森田さん。思ったよりもコンパクトじゃないことに驚いたそうだがすぐに慣れ、今ではサバーバンも追加。目的に合わせて使い分けているが、大きなナビゲーターの方が「走っていて気持ちが良いですね」と語ってくれた。
Friends File-03
富樫政夫さん
1966 Imperial LeBaron
アメ車への先入観が覆され
現代車と全く違う感覚が最高
山梨在住の冨樫さん。冬のことを考えて温暖な地域にある加藤さんのガレージにインペリアルは居候中。エンジンは440 で、パワフルな走りに夢中だそう。アメ車の魅力は遊びの幅が広がること。そしてアメ車乗り同士だとスグに友達になれることですね! と語る。ちなみにアイアンバンパーのC3も気になるそうだ。
Friends File-04
仲ファミリーさん
1956 Nash Ambassador custom
仲人のような存在であり
ライフスタイルの目標
日本に向けて様々なモナコの情報を発信していた加藤さんを知り、講演会に出向いた貴子さん。何とそこで未来のご主人となる政彰と出会い、ある意味加藤さんが仲人のような存在。このナッシュの購入を検討していたが、他の方が先に購入。ところが加藤さんの所で保管しているので「いつでも見れるから満足です」とのこと。
PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2024年3月号掲載
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【マザーズ】ケミカル大国アメリカで支持されるトップブランド
「マグポリ」という金属磨きを聞いたことがあるかもしれないが、そのブランドが「マザーズ」。本国アメリカではトータルカーケアブランドとして高い認知度を誇っており、内外装を美しく格上げできるアイテムが豊富に用意されている。ケミカル大国のアメリカで支持される絶品の仕上がりは、アメ車を所有する満足感をより高めてくれる。