【ジープコマンダー】3列シートを備えた、使えるジープとして再注目!
2006~09年と僅か4年の間に生産されたジープ・コマンダーは、当時のジープフラッグシップに位置し、ジープ初の3列シートを備えたモデルとして登場。2022年に2代目が登場したが、スクエアなボディで7人乗りできるモデルとして、先代コマンダーは今改めて評価されている。
THE PICK UP TEST DRIVE
普通のコマンダーじゃ面白くない、敢えての左ハンドルを仕入れる
2006y JEEP COMMANDER
街を走れば、ラングラー、グランドチェロキー、コンパスなど、ジープブランドのクルマと遭遇するのが当たり前になった昨今。正規販売も順調に売り上げを伸ばしているが、様々な中古車を販売するショップでもジープを扱うショップが増えてきている。
ガレージジョーカーでもジープを扱うことも増えてきたが、唯一他のショップと異なるのが、売れているジープ車を何でも仕入れるのではなく、何か特別な違いがあるモデルに限定して店頭に並べていること。それがこの06年型コマンダーになるのだが、その違いはズバリ左ハンドル。
ジープ初の3列シートを備えた7人乗りモデルとして、06年から日本で正規販売がスタートしたコマンダーは、09年の生産が終了するまで日本仕様は右ハンドルのみが設定されていたため、日本で流通するコマンダーのほとんどが右ハンドル。単純に比較はできないが、人気のラングラーでも本国仕様の左ハンドルを望むユーザーが多くいるように、左ハンドルのジープというだけで大きなアドバンテージになるのは間違いない。左ハンドルとはいえ、見た目や装備に違いはなく、消耗品も日本仕様と同じもの使えるのでアフターケアにおいても問題ない。
コマンダーは、ジープフラッグシップとして登場しているため、同時期型のグランドチェロキーと比べて中古相場はやや高め。さらに以前、某ジープディーラーから聞いた話では、新型グランドチェロキーや二代目となるコマンダーに3列シートが備わるが、スクエアなボディにジープらしさを感じ、かつ3列シートが備わるモデルとしてユーザーから再評価されていると言う。
ガレージジョーカーには、左ハンドルの他に右ハンドルのコマンダーも2台在庫しており、実際に乗り比べてからの購入もできる。ともあれ、まずは左Hモデルをチェックだ。
IMPRESSIONS
5.7HEMIはさすがの加速、気になるのは後方視界の狭さか
搭載するエンジンは、ご存じ5.7ℓV8HEMI。もはや説明不要だが、出だしからの加速はお見事。スタートからグングン加速していき、重量の重い車体を感じさせない力強さ。ここに4WDシステムを組み合わせれば、ジープらしい荒地の走破も十分可能だ。
気になるのは、3列シートのヘッドレストがリアガラスを覆うため後方視界が狭いこと。初見ではかなり気になる部分だが、3列シートを備えるクルマの宿命として慣れていくしかないだろう。「4LOW」に切り替えると、ダイレクトにトルクが伝わり強烈なパワーで前に進もうとする。オンロード向きの性格とはいえ、やはりそこはジープ。オフロード走行も十分楽しめそうだ。
新型もカッコイイがジープはやっぱりスクエアボディ?
ジープのフラッグシップとして君臨したコマンダー。性格的にオンロードがメインとなるが、荒地を走る本格4WDシステムも装備する。新型コマンダーも確かに気になるが、やっぱりスクエアなボディがジープらしいと思うユーザーは少なくないはずだ。
オンロードがメインだが4WDシステムは優秀
2022年、13年ぶりに二代目コマンダーが日本で発売された(北米未発売)。初代の面影はなく、見た目はベースとなるコンパスを彷彿させる。ジープのクロスオーバーSUVとして、確かにカッコイイ…。カッコイイが、それでもジープはスクエアなボディがイイと言うユーザーは結構多い。だからこその、四角い初代コマンダーだ。
初代コマンダーのベースは前年に登場したWHグランドチェロキーということで、性格はオンロード向き。しかしそこはジープ。グランドチェロキーと同じく、電子制御式(4LOW)4WDシステムを装備し、フロント・センター・リアには電子制御リミテッド・スリップ・デフ(ELSD)が搭載される。これは、3輪が空転しても自動的にトルクは1輪に配分される仕組みで、雪道や悪路では大いに活躍できるシステムだ。搭載するエンジンは4.7ℓと5.7ℓHEMIがあり、グレードはリミテッドのワングレード。
車両状態的には、外装にキズが多く補修は必要だろう。一方、内装や機関系のコンディションは良好なのでご安心を。車両価格がASKなのは、外装補修をどの程度望むかを応相談という意味合いだ。7人乗り3列シートというウリを潰すことにはなるが、ガレージジョーカーではコマンダーの1ナンバー取得歴もあり、スムーズに構造変更も可能。まずはじっくりと、ショップと相談してみよう。
正規販売するエンジンは、前年に登場したWHグランドチェロキーと同じく4.7ℓV8と5.7ℓV8HEMIを設定。なお本国仕様には、3.7ℓV6も設定されている。車両重量が2360kgにもなるため、パワーバランス的には5.7がベストマッチだろう。ホイールは純正の17インチを装着している。
ミッションはマニュアル操作可能の5AT。シフトサイドには電子制御式の4LOW切り替えスイッチが配置。1列目にはオプションのサンルーフ、2列目にはサンシェード付きのツインガラスルーフを装備。バックカメラ、社外ナビ装着済み。2列目もフラットになるため、車中泊も十分可能。
シートはフルレザーのシートヒーター付き。2列目、3列目に行くほど座面が高くなるスタジアムスタイルのため、3列目のヘッドレストがリアガラスを塞ぐ形になるが、3列目の頭の空間は余裕がある。
SPEC
全長×全幅×全高● 4795×1900×1830mm ホイールベース● 2780mm エンジン● V8 排気量● 5.7ℓHEMI 最高出力● 326hp 最大トルク● 51.0kg-m トランスミッション● 5AT
試乗SHOP:GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】
所在地:千葉県銚子市四日市場町238
TEL:0479-25-7740
URL:https://www.garage-joker.com/
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日
高品質なアメ車販売、鈑金塗装から整備までを自社で行ない、本国仕入れのアメリカン雑貨が並ぶ店内はアメ車ショップであることを忘れさせるガレージジョーカー。販売車両は近くの敷地に展示されており、他では見かけることがない車両が多数並べられている。
ガレージジョーカーの最近のトレンドは、ダッジ・マグナムをベースにするフェイスチェンジ。特に秀逸なのはチャレンジャーフェイスで、2ドアに抵抗を持つユーザーにとってはステーションワゴンになったチャレンジャーはかなり気になる存在のはずだ。
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2024年2月号掲載
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