激レア!フルウィンドーのダッジスポーツマンの愛らしさ
いつかはウェストサイドなローライダー!そんなイメージを抱きがちなDJではあるが、本国では意外とそうでもなかったりする。現地で見たリアリティ溢れるカーカルチャーを、日本でサラッとこなすナイスガイを直撃!
Wonderful VAN Life -素晴らしきバン生活-
半世紀以上前のモデルなのに履歴のハッキリした極上車!
1971 DODGE SPORTSMAN
旧車を楽しむ際、前オーナーのクルマとの関わり方は購入する上で割と重要な要素だったりする。新しいクルマなら1オーナー低走行も珍しくないが、50年以上前のモデルともなるとオーナー歴を辿っても辿りきれないものだ。そんな中、わずか2オーナーで本国&日本での履歴もハッキリした71年型フルウィンドーのダッジ・スポーツマンを所有する山村さんのもとへ。
話を伺うと、最初のオーナーはサンフランシスコのマザービスケット社で社用車専属のメカニックとして勤務していた白人オーナーで、新車で購入した後68歳まで愛用。その後海を渡り、山村さんの先輩が7年ほど前に日本で最初のオーナーとなってハーレーを積んでトランポとして愛用。本国1オーナー、日本国内でも1オーナーと2人のオーナーが大事に扱ってきた個体を1年半ほど前に譲り受けたとのこと。
実は山村さん、若かりし頃は本気でDJに勤しみ、単身渡米して現地でDJ修行を積んだ経歴の持ち主。そこでみたリアルなアメリカのDJは、日本で感じるDJの雰囲気とは異なり、フランクでフリーダムな雰囲気だったそうだ。カーカルチャーもローライダー一色ではなく乗りたいクルマに乗るフリースタイルで、そんなカルチャーに大きな影響を受けて選んだ最初のアメ車が、この71年型のスポーツマンだった。
若い頃からずっとアメ車に興味はあったが、手入れをしたりクルマに捧げる時間を確保できないほど本気でDJに勤しんできた彼が、定職に就いてDJを趣味として嗜む様になったことがキッカケで、蓋をし続けてきたアメ車道楽が覚醒。コアでマニアック、しかもレアなフルウィンドーのスポーツマンは個性を重んじる彼の選択肢にドンピシャ。愛らしい表情とブルーツートンのオーシャンなボディカラーは、波乗りの足にもピッタリだ。
ほんのりヤレた塗装や内装はそのままに、機関を万全にメンテナンスを施しながら愛犬ミミちゃんと共に海岸沿いを流すありのままのバンライフ。それを謳歌するのに大袈裟な装飾は必要ない。メローでご機嫌な音楽とクリアなフルウィンドー越し景色こそ、最高の贅沢だから。
サンディエゴで1971年の新車当時から40年ほど所有し続けた最初のオーナーはマザービスケット社の社用車専属メカニック。当時は純正ホイールだったが、山村氏の手に渡った時に16.5インチのタイヤが入手困難であることもふまえて、ハブ加工を施したスチール製の16インチに変更。その他は当時と変わらずオリジナル志向で継承する。
ラムバンの前身となるスポーツマン。カーゴバンがトレーズマン、そして乗用モデルがこのスポーツマンとしてリリース。本国はもちろん日本国内でもトレーズマンは見る機会があってもフルウィンドーのスポーツマンはかなりレア。8穴16.5 インチの純正ホイール& タイヤは社外品がほぼ見つからず、オークションで見つけた8穴スチールのリア側ハブ穴口径を削ってインストールした。
内装は専用の装飾でダッシュ部分までワッフル型のクッション性の良いトリムが施されており、木目のエレガントな室内空間もこのモデルならでは。
基本的にはフルオリジナルとしながらも後部座席は足もとを広く使える様に取り付け位置を変更。かつてハーレーのトランポとして愛用していた名残でバイク固定具の設置個所もそのままストック。いずれはチョッパーを所有してVAN LIFE×Motorcycleなんて日が来るかも!?
19歳の頃からDJに全力を注いできた山村さん(DJ CARRELA)。大阪の枚方市を拠点に活動しており、ローライダーパーティーなどでもDJを務める。単身渡米して現地DJ 事情を学んだ彼のリアリティ溢れる選曲や、チル& スムースな心地良いG-RAPミックスは必見!
OWNER:山村修平(DJ:CARRELA)
THANKS:Bal-Fours
TEL:072-805-4444
HP:https://www.bal-fours.jp/
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン2023年12月号掲載
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