トレイルブレイザーの選択肢は2つボディサイズを取るかエンジンか

SUV

シボレー

アメマガ2023年12月号

トレイルブレイザー

トレイルブレイザー LT

THE PICK UP TEST DRIVE

ガレージジョーカー

千葉県

ニュージェネレーションSUVとして、2001年に登場したシボレー・トレイルブレイザー。アメ車の無骨なイメージを覆すジェントルな雰囲気が支持され、大きな人気を博したモデルだ。現在は車両価格がかなりお手頃になり、購入を検討する価値は大いにありそうだ。

THE PICK UP TEST DRIVE


当時バカ売れした優等生は今なお使いやすさに魅力あり

2005 CHEVROLET TRAILBLAZER LT

シボレー・タホ&サバーバンが、日本のアメ車SUVの王道として君臨していた90年代後半から2000年代初頭。そんなアメ車市場がザワついたのが、01年に登場したシボレー・トレイルブレイザーの存在だ。無骨なイメージが強かったアメ車SUVに対しトレイルブレイザーはジェントルな雰囲気を持ち合わせ、無骨なアメ車に抵抗があったユーザーを取り込んでいった。

名前こそ歴史あるブレイザーの名が付けられているが、ブレイザーとタホの中間に位置するオールニューモデルとして、新たに専用設計されたボディ・オン・フレーム、リンク式リジットアクスル、アメ車SUV初となる4.2ℓ直6エンジン搭載など、まさに新時代のSUVとして登場したのだ。

 

日本でも01年後半から正規販売がスタートし、輸入車SUVの登録台数がトップになる時期もあるなど大きな人気となった。だが本国では、ダッジ・デュランゴやフォード・エクスプローラーとの販売競争が過熱。それらライバルと比較してトルク不足が指摘された直6エンジンには、03年に5.3ℓV8エンジン搭載モデルが追加され、エンジン以外にも3列シートが大きなウリとなった。ただし、5m未満で乗りやすさも魅力だった全長は410mmも拡大され5mオーバーとなり、日本では大きさに抵抗を持ち敬遠するユーザーも少なくなかった。

 

そうした歴史から、現在の中古車市場では直6モデルが比較的多い。そして何より、車両価格が100万円前後の個体が多いのもトレイルブレイザーの特徴だ。今回は、ガレージジョーカーに入庫した05年LTを試乗して、改めてトレイルブレイザーの良さをチェック!

IMPRESSIONS
低速域のトルク不足も感じるが日常街乗りで不満はないと思う

搭載する直6エンジンの特徴でもあるが、車内の静粛性が高いのもトレイルブレイザーの魅力。正直いって、出だしはダイレクト感に欠ける。これが登場から言われ続けてきた、車体重量に対してのトルク不足。だが、「そんなもの」と割り切ってしまえば日常の街乗りで不満は感じないはず。小回りが利くのも魅力で、同世代のデュランゴに乗っていた筆者からすれば、これは大きな違い。頻繁にアクセルを踏み込む場面よりも、街乗りをスムーズに走るのがトレイルブレイザーの使い方かもしれない。

車両価格&サイズも手頃でアメ車SUVデビューにおススメ

V8や3列シートを必要としないならば、狙いはレギュラーモデルの直6タイプ。さらにモケットシートでも必要十分と考えれば、今回撮影のLTグレードはさらに狙い目だ。1ナンバーにもなっているため、年間維持費が安くなるのも大きなメリットだ。

直6エンジン搭載でEXTも存在するが…

日本正規販売されたトレイルブレイザーのグレードは、レザーシートでヒートシーターなどが備わる豪華仕様のLTZと、モケットシートのLT(本国にはLSもあり)、そして前項でも触れたV8搭載&3列シートのロングベースのEXT LTとEXT LTZ。

 

なお、V8搭載モデル全てがEXTではなく、EXTにも直6エンジン搭載モデルはある。が、スタンダードボディ+直6エンジンで非力と言われるだけに、ロングベースで直6搭載は…。

撮影モデルは05年型のベーシックなLT。カスタム的にローダウンが主流だが、ノーマル車高で社外ホイール装着。他にWINBOサイドステップ追加やブラックタイプヘッドライトに変更されている。ただしホイールはキズが多く、そのまま乗るのは現実的ではない。交換または、ガレージジョーカーが得意とするホイールリペアも検討するのもありだろう。外装はホイール以外にリペア必須な部分は見当たらずコンディション良好。内装は経年劣化の部分はあれど大きなキズや汚れもなく、モケットシートは綺麗な状態を保っている。

 

全長は約4.9m。コンパクトSUVでは小さいが、5m超えは厳しいと考えるユーザーには選択肢となるトレイルブレイザー。しかもこのモデルは1ナンバー。初めてのアメ車SUVとして、検討する価値はあるだろう。

トレイルブレイザー登場当時、ヘッドライト下から飛び出るヘッドライトウォッシャーの勢いに驚かされた人も多いだろう。故障ポイントでもあるが、このモデルはしっかり稼働する。純正サイドステップからWINBO製アルミチューブタイプに交換されている。

エンジンブロックオールアルミ製、可変バルブタイミングシステム機構付4.2ℓ直6 DOHCと、5.3ℓV8の2種類を設定するトレイルブレイザー。撮影モデルは直6。

LTグレードはモケットシート、マニュアルエアコンとなる。4WD切り替えスイッチは、センターパネルにダイヤル型で備わる。全体的に大きなキズや汚れはなく、とても綺麗な状態だ。

リアゲートはガラスハッチ付き。ラゲッジルーム床面に小物収納スペースも配置されている。2列目は完全フラットにはならないが、2280ℓにもなる大容量の荷物を積むことが可能。


SPEC

全長×全幅×全高● 4890×1900×1850mm ホイールベース● 2870mm エンジン●直6DOHC 排気量● 4.2ℓ 最高出力● 279hp 最大トルク● 38.1kg-m トランスミッション● 4AT



GARAGE JOKE【ガレージジョーカー】
所在地:千葉県銚子市四日市場町238
TEL:0479-25-7740
URL:https://www.garage-joker.com/
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日

高品質なアメ車販売、鈑金塗装から整備までを自社で行ない、本国仕入れのアメリカン雑貨が並ぶ店内はアメ車ショップであることを忘れさせるガレージジョーカー。販売車両は近くの敷地に展示されており、他では見かけることがない車両が多数並べられている。

ガレージジョーカーの最近のトレンドは、ダッジ・マグナムをベースにするフェイスチェンジ。特に秀逸なのはチャレンジャーフェイスで、2ドアに抵抗を持つユーザーにとってはステーションワゴンになったチャレンジャーはかなり気になる存在のはずだ。


写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン2023年12月号掲載


関連記事

RELATED


可愛くて存在が楽しいアメリカンコンパクトSUV【シボレーHHR LS】

PTクルーザーに対抗して、GMが1949年型サバーバンをモチーフにデザインし開発したシボレー・HHR。PTほど支持を得られなかった印象があるが、ガレージジョーカーでは定期的に売れる人気モデルになっている。

【キャデラック エスカレード】悪い先輩に影響され(笑)思い切ってアメ車デビュー

遠距離恋愛を続ける彼女と過ごす貴重な時間は、行きたい所ばかりでハードスケジュール。でも、愛車の軽自動車では行く場所も限られ、男としてなんだか不甲斐ない…。優越感のあるクルマに乗って彼女とドライブするため、22才の成さんは初めてのアメ車を手に入れる決断をする。

【ジープコマンダー】3列シートを備えた、使えるジープとして再注目!

2006~09年と僅か4年の間に生産されたジープ・コマンダーは、当時のジープフラッグシップに位置し、ジープ初の3列シートを備えたモデルとして登場。2022年に2代目が登場したが、スクエアなボディで7人乗りできるモデルとして、先代コマンダーは今改めて評価されている。

ガレージジョーカーのオールペンといえば、やはりパープル。【GMCソノマ】

「自分が好きな色」と言う理由から、ガレージジョーカーではパープルにオールペンされたモデルが幾つか存在する。だが今回のソノマは、さらに妖艶さを追求して、ベットライナーをレッドにし、さらにインテリアもレッド化に

荒れ地こそ進む道 デザート仕様【1996 シボレー S10 ブレイザー】

車両のイメージを劇的に変えたカスタム。それがオールペン。千葉県のガレージジョーカーは、様々なモデルをオールペンによって変化させ、個性的なスタイルを生み出している。そのひとつが、艶消しサンドベージュになったS10ブレイザーだ。

 

最新記事


2025/01/02

【フォード マスタング】シンプルなボディラインがハードトップの最大の魅力!

クーペ

ビンテージ

フォード

アメリカから正規輸入されていない魅力的なクルマを自社輸入するBUBU。最新モデルだけでなくビンテージも得意とするが、新たにクーペのマスタングが横浜ショールームにやって来た!

2024/12/31

【FORD F-150 LIGHTNING】公道は走行できないですがビジネスのために投入!

ピックアップトラック

フォード

チャレンジャー専門店のラグジ・島澤社長から「F-150のライトニングを、ディスプレイ用として購入したお客様がいますよ」と連絡が。展示するためのクルマってどういうこと? とモヤモヤしながら取材に向かった。

2024/12/30

トレイルブレイザーの選択肢は2つボディサイズを取るかエンジンか

SUV

シボレー

ニュージェネレーションSUVとして、2001年に登場したシボレー・トレイルブレイザー。アメ車の無骨なイメージを覆すジェントルな雰囲気が支持され、大きな人気を博したモデルだ。現在は車両価格がかなりお手頃になり、購入を検討する価値は大いにありそうだ。

2024/12/28

【ROHAN130店】ここでしか手に入らない尖ったコンプリートカーがズラリ!

ショップ

東京オートサロン総合グランプリをはじめ、SEMAやサンディエゴ博物館展示など、ワールドワイドにその技術とセンスが称賛されるROHANが、同社オリジナルエアロや巧みなカスタムペイントアークを施したコンプリートカーの販売を開始!

ランキング


2024/12/31

【FORD F-150 LIGHTNING】公道は走行できないですがビジネスのために投入!

ピックアップトラック

フォード

チャレンジャー専門店のラグジ・島澤社長から「F-150のライトニングを、ディスプレイ用として購入したお客様がいますよ」と連絡が。展示するためのクルマってどういうこと? とモヤモヤしながら取材に向かった。

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2024/12/30

トレイルブレイザーの選択肢は2つボディサイズを取るかエンジンか

SUV

シボレー

ニュージェネレーションSUVとして、2001年に登場したシボレー・トレイルブレイザー。アメ車の無骨なイメージを覆すジェントルな雰囲気が支持され、大きな人気を博したモデルだ。現在は車両価格がかなりお手頃になり、購入を検討する価値は大いにありそうだ。

2021/03/15

【注目のアメリカン雑貨】大阪の老舗ブランド、アンダーウッドが同業者の買い付け地に!

ショップ

大阪府吹田市の閑静な住宅街にあるユニークなショップ「アンダーウッドブランド」。ヴィンテージカーやオートバイからアパレル、多肉植物など幅広いアメリカンアイテムが豊富。同店はヴィンテージ・アイテムの素晴らしいコレクションを展示するだけでなく、カスタムカーやオートバイのレストアなど様々なサービスも提供しており、一度は訪れるべきショップ!
UNDERWOOD BRAND【アンダーウッドブランド】