トレイルブレイザーの選択肢は2つボディサイズを取るかエンジンか
ニュージェネレーションSUVとして、2001年に登場したシボレー・トレイルブレイザー。アメ車の無骨なイメージを覆すジェントルな雰囲気が支持され、大きな人気を博したモデルだ。現在は車両価格がかなりお手頃になり、購入を検討する価値は大いにありそうだ。
THE PICK UP TEST DRIVE
当時バカ売れした優等生は今なお使いやすさに魅力あり
2005 CHEVROLET TRAILBLAZER LT
シボレー・タホ&サバーバンが、日本のアメ車SUVの王道として君臨していた90年代後半から2000年代初頭。そんなアメ車市場がザワついたのが、01年に登場したシボレー・トレイルブレイザーの存在だ。無骨なイメージが強かったアメ車SUVに対しトレイルブレイザーはジェントルな雰囲気を持ち合わせ、無骨なアメ車に抵抗があったユーザーを取り込んでいった。
名前こそ歴史あるブレイザーの名が付けられているが、ブレイザーとタホの中間に位置するオールニューモデルとして、新たに専用設計されたボディ・オン・フレーム、リンク式リジットアクスル、アメ車SUV初となる4.2ℓ直6エンジン搭載など、まさに新時代のSUVとして登場したのだ。
日本でも01年後半から正規販売がスタートし、輸入車SUVの登録台数がトップになる時期もあるなど大きな人気となった。だが本国では、ダッジ・デュランゴやフォード・エクスプローラーとの販売競争が過熱。それらライバルと比較してトルク不足が指摘された直6エンジンには、03年に5.3ℓV8エンジン搭載モデルが追加され、エンジン以外にも3列シートが大きなウリとなった。ただし、5m未満で乗りやすさも魅力だった全長は410mmも拡大され5mオーバーとなり、日本では大きさに抵抗を持ち敬遠するユーザーも少なくなかった。
そうした歴史から、現在の中古車市場では直6モデルが比較的多い。そして何より、車両価格が100万円前後の個体が多いのもトレイルブレイザーの特徴だ。今回は、ガレージジョーカーに入庫した05年LTを試乗して、改めてトレイルブレイザーの良さをチェック!
IMPRESSIONS
低速域のトルク不足も感じるが日常街乗りで不満はないと思う
搭載する直6エンジンの特徴でもあるが、車内の静粛性が高いのもトレイルブレイザーの魅力。正直いって、出だしはダイレクト感に欠ける。これが登場から言われ続けてきた、車体重量に対してのトルク不足。だが、「そんなもの」と割り切ってしまえば日常の街乗りで不満は感じないはず。小回りが利くのも魅力で、同世代のデュランゴに乗っていた筆者からすれば、これは大きな違い。頻繁にアクセルを踏み込む場面よりも、街乗りをスムーズに走るのがトレイルブレイザーの使い方かもしれない。
車両価格&サイズも手頃でアメ車SUVデビューにおススメ
V8や3列シートを必要としないならば、狙いはレギュラーモデルの直6タイプ。さらにモケットシートでも必要十分と考えれば、今回撮影のLTグレードはさらに狙い目だ。1ナンバーにもなっているため、年間維持費が安くなるのも大きなメリットだ。
直6エンジン搭載でEXTも存在するが…
日本正規販売されたトレイルブレイザーのグレードは、レザーシートでヒートシーターなどが備わる豪華仕様のLTZと、モケットシートのLT(本国にはLSもあり)、そして前項でも触れたV8搭載&3列シートのロングベースのEXT LTとEXT LTZ。
なお、V8搭載モデル全てがEXTではなく、EXTにも直6エンジン搭載モデルはある。が、スタンダードボディ+直6エンジンで非力と言われるだけに、ロングベースで直6搭載は…。
撮影モデルは05年型のベーシックなLT。カスタム的にローダウンが主流だが、ノーマル車高で社外ホイール装着。他にWINBOサイドステップ追加やブラックタイプヘッドライトに変更されている。ただしホイールはキズが多く、そのまま乗るのは現実的ではない。交換または、ガレージジョーカーが得意とするホイールリペアも検討するのもありだろう。外装はホイール以外にリペア必須な部分は見当たらずコンディション良好。内装は経年劣化の部分はあれど大きなキズや汚れもなく、モケットシートは綺麗な状態を保っている。
全長は約4.9m。コンパクトSUVでは小さいが、5m超えは厳しいと考えるユーザーには選択肢となるトレイルブレイザー。しかもこのモデルは1ナンバー。初めてのアメ車SUVとして、検討する価値はあるだろう。
トレイルブレイザー登場当時、ヘッドライト下から飛び出るヘッドライトウォッシャーの勢いに驚かされた人も多いだろう。故障ポイントでもあるが、このモデルはしっかり稼働する。純正サイドステップからWINBO製アルミチューブタイプに交換されている。
エンジンブロックオールアルミ製、可変バルブタイミングシステム機構付4.2ℓ直6 DOHCと、5.3ℓV8の2種類を設定するトレイルブレイザー。撮影モデルは直6。
LTグレードはモケットシート、マニュアルエアコンとなる。4WD切り替えスイッチは、センターパネルにダイヤル型で備わる。全体的に大きなキズや汚れはなく、とても綺麗な状態だ。
リアゲートはガラスハッチ付き。ラゲッジルーム床面に小物収納スペースも配置されている。2列目は完全フラットにはならないが、2280ℓにもなる大容量の荷物を積むことが可能。
SPEC
全長×全幅×全高● 4890×1900×1850mm ホイールベース● 2870mm エンジン●直6DOHC 排気量● 4.2ℓ 最高出力● 279hp 最大トルク● 38.1kg-m トランスミッション● 4AT
GARAGE JOKE【ガレージジョーカー】
所在地:千葉県銚子市四日市場町238
TEL:0479-25-7740
URL:https://www.garage-joker.com/
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日
高品質なアメ車販売、鈑金塗装から整備までを自社で行ない、本国仕入れのアメリカン雑貨が並ぶ店内はアメ車ショップであることを忘れさせるガレージジョーカー。販売車両は近くの敷地に展示されており、他では見かけることがない車両が多数並べられている。
ガレージジョーカーの最近のトレンドは、ダッジ・マグナムをベースにするフェイスチェンジ。特に秀逸なのはチャレンジャーフェイスで、2ドアに抵抗を持つユーザーにとってはステーションワゴンになったチャレンジャーはかなり気になる存在のはずだ。
写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン2023年12月号掲載
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