日本ではまず見ることがないラムトラックのレッカー仕様
ジムニー専門店「ファッドスター」の店頭に鎮座するのは91年型ダッジ・ラム350。レッカー仕様という日本ではほとんど見ることのないモデル。しかも新車で購入して日本で登録したという個体だ。
日本で新車登録された生粋のワークトラック
'91 DODGE RAM 350 WRECKER TOW TRUCK
ファッドスターは岩手県北上市にあるカーショップ。その代表であり、トラックのオーナーでもあるのが高橋さん。これまでもサニートラックやT100、タコマ、タンドラなどを乗り継いできたトラック好き。数年前にはタンドラフェイスのジムニーを東京オートサロンに出展したこともある。
そんな高橋さんが手に入れたのが91年型のダッジ・ラム350をベースとしたレッカー車。実はこのクルマ、日本のある企業が新車で購入して登録。しかも作業車として敷地内でしか動かさなかったという由緒正しい個体。実は保有していた会社は高橋さんが若い頃に勤めていた会社でもある。そしてその会社がラムを手放すということで「引き取ってくれないか」と依頼がきたという。
ベースは91年型のダッジ・ラムトラック。キャビンはレギュラーで5.9ℓ直6のディーゼルターボ。さらにデューリー&4WDという激レアなパッケージ。リアにはウインチのほか、レッカー車用クレーンの業界基準を作ったと言われるホルムス製の油圧クレーンを搭載。フロントにぶつけた形跡があるが状態はよく、自走も可能。ただし車検を取るためにオイル交換などを行ったところ、クーラント漏れやウインカーの故障など次々とトラブルが発生。高橋さんはこうしたトラブルにも対応し、ゆくゆくは自社でレッカー車として稼働させる予定だという。
もし北上あたりで困った時はファッドスターに連絡をすれば、このラムトラックにけん引してもらえるかもしれないぞ。






外装は左前に衝突痕があるものの、全体的には良好。塗装はオリジナルで状態は非常に良好。ミラーはけん引を想定してトーイングミラーへと変更されている。下回りは雪国にあったとは思えないほど極上。現在はリアのダブルタイヤ用ホイールを探しているそうだ。


エンジンはカミンズの5.9ℓ直6のディーゼルターボを搭載。クーラントやフルード漏れなどトラブルはあるものの対処済み。マスターシリンダーは新品に交換済みだが交換直後に錆で茶色くなってしまったそう。




ベッドにはホルムスのクレーンとウインチを搭載している。ベッドには錆が出ているものの雪国のクルマとしては少ないほうだろう。そもそもレッカー仕様のトラック自体が流通することは少なく、あっても会社名が書かれていたりペイントされていたりする個体がほとんど。その中でこのオリジナルの塗装でレッカー仕様は珍しい個体だ。



内装の程度も非常に良好。シート表皮は破れなどなく、インパネの焼けや割れもない。トランスミッションはマニュアル。またパートタイム式4WD のためシフトレバーの横にセレクトレバーも備えている。なお天井は定番の剥がれが発生しているので修理予定だ。
FAD STARt【ファッドスター】
所在地:岩手県北上市村崎野14-470-10
TEL:0197-66-6996
URL:https://fadstart.jp/
PHOTO:Tomo's Photo
TEXT:石上智章
アメ車マガジン 2023年9月号掲載
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