【1978y シボレーC-10】販売車両としてではなく愛車として迎え入れた同い年のC-10!
アメ車専門店の老舗として関西を代表するブルーリバー。ここ最近はフルサイズバンやOBSの在庫が主体となっているが、スクエアボディも健在。その中でも販売車両として物件情報誌には出さないお気に入りの一台がコレだ。
SQUARE BODY
純正ツートンに同色ホイールを合わせるセンスに注目!
'78 CHEVROLET C-10
トレンドとは不思議なもので、アストロブーム全盛期に大きく貢献した大阪のブルーリバーが誕生した当時のスクエアボディといえば、C/K、タホ、サバーの先代として比較的安価で購入できるユーズドカーだった。しかし時代が令和へと変わる頃にはしっかりビンテージトラックとして頭角を現し、現在では程度の良い個体はレアでプライスも決して安い買い物ではなくなっている。
以前本誌のOBS特集でそれらが新車で販売されていた頃から、日本のアメ車シーンをリアルタイムで経験してきたと語る同社代表の山倉氏。掲載時には現在も昔も「カッコいいと思うスタイルは一貫して変わらない」とブレない姿勢が実に印象に残ったが、それをスクエアボディに置き換えたとて、その姿勢は変わらないから素晴らしい。わざわざジャンルに当てはめて語るまでもないが、この手の個体はエアサスやフレーム加工を施したスラムドカスタムのベースとしても人気。一方でオリジナルを忠実にグッドコンディションで乗る正統派も根強い人気を誇る。
しかしこれはあくまでも熱狂的なフリークたちの話で、もっとラフにカジュアルな捉え方で視点を変えてみた時には、エアサスほど極端な下げ幅ではなくとも、ロワードフォルムに整えてビレットホイールを磨きまくってギラッとさせたボトムスではなく、純正ツートンカラーにホイールをマッチペイントしてコーディネイトするって選択肢も本国のソレらしくて実に好印象。
現車はこうしたちょうどいい塩梅の手法がバランスよく加わっており、IDIDITクロームチルトコラムシフトやフォーエバーシャープステアリング、ダコタデジタルメーターにレトロサウンドオーディオ。内装張り替えと一通りクリーンコンディションへとアップデートさせつつも、年式不相応にならない様に徹する。また、インマニやキャブに手を加えてマフラーをオールステンレスでワンオフ製作するなど、オリジナルのV8サウンドを官能的に仕立てるギミックも特筆物。
こんな良い個体が何故自社の物件情報に出てこないのか? と伺うと、「同じ年だし気に入っているからプライベートで愛用している」とのこと。そう言えば過去にも、78年型のモンテカルロを売り物として出さずに、数年乗り続けた末に、どうしても売って欲しいと懇願されて手放したことを思い出した。販売車両を足代わりに乗るってパターンではなく、しっかりと自家用車として割り切り、通勤からショッピングなどプライベートでも愛用するスタンスも、ブルーリバーでアメ車を買いたいと訪れるお客さんたちにとっての説得力であることは言うまでもない。アメ車に乗らないアメ車屋さんも多い昨今、25年以上業界の第一線で活躍し続ける理由は、こうした姿勢にあると言えるだろう。
アンバーのパークシグナルがブラウン×クリームのボディカラーにマッチして本国情緒漂う表情。ヘッドライトベゼルやグリルなどはアフターパーツで新調されていてヘッドライトもHIDを導入するなど、さり気なくアップデートさせつつも雰囲気を崩さないスタイルが粋。
アメリカンレーシングのホイールはディスク面のみボディ同色のブラウンに塗装するなど、当時のラリーホイールで良く見かける同色コーディネートにアレンジ。
エンジンはオリジナルの350をベースに、エアクリーナー、インテークマニホールド、キャブをエーデルブロックで新調して、さらにヘダースを入れ、オールステンレスでマフラーを引き直したことで奏でるV8 サウンドもご機嫌。エアコンはビンテージエアーを導入しており、クーラーの効き具合も申し分なし。その他、トラブルの多いステアリングギアボックスももちろん交換済だ。
フォーエバーシャープのウッドステアリングに合わせて、インパネのメーターベゼルや助手席前をウッド基調の物へ換装。内装内貼りなどは総張り替え済みでクリーンコンディションを誇る。
メーターはダコタデジタルに換装済みでオーディオは雰囲気を崩さない様にブルートゥース対応のレトロサウンドをインストール。バッフルごと製作した足元のスピーカーが奏でる音響も上々だ。
thanks:BLUE RIVER
TEL:0725-56-6400
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年8月号掲載
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