ロードランナーの原型を思わせるシンプルさが魅力のダスター
プリムスを代表する名車と言えばロードランナー。さらにサテライトやバラクーダが続くなか、ダスターはどちらかというとマニアックなキャラクターであることは否めない。しかしそのニッチなモデルに魅せられたショップが京都のB.P.C。そのコレクションである2台に着目。
AMERICAN VINTAGE
一癖あるモパーに魅せられて、コレクションは増えるばかり
'74 Plymouth Duster Gold Duster package
'71 Plymouth Duster
MOPAR特集でラムSRT-10を取り上げるに至った京都府のBPC。実は店舗とは別の保管場所に2台のダスターを隠し持っていたのだが、あえてMOPAR特集では取り上げずにここでの掲載となった。
ロードランナーやクーダが人気のモパーシーンにおいて、ダスターはどちらかというと飾り気のないシンプルで控えめなモデルと捉えていた筆者だったが、実車を見てその個性的な表情や悪そうなテールレンズ、さらにはその奥ゆかしき造形の虜となった。写真で見るとフルサイズよりもかなりコンパクトに見え、実際にスペックだけを見るとミドルサイズクラスではあるが、バリアントとシャーシが共通であることが信じられないぐらい大きく見える。
現車はBPCの古賀さんが販売目的というよりもコレクションとして迎え入れた個体で、旧知の中であるシッパーの友人と何度も連絡を取り合いながら本国で探し当てたもの。
74年型のゴールドダスターパッケージは、デュアル電動ファンにパワーステアリング、パワーブレーキ、ラジエーターのコア増しを施してヴィテージエア、アメリカンマッスルシリーズの追加メーターと、快適に乗れる仕様へとアップデートされている。
もう一方の71年型のダスターはというと、5.9ℓのMOPAR360マグナムエンジンを搭載し、アルミシリンダーヘッドにホーリー750キャブ、HDアクスルにTTIヘダース、11インチドラムブレーキ化にリア側はエアショックに換装するなど、走りに徹したプロツーリングな仕立てと、クレーガー15インチにリア側255/60R15のミッキートンプソンタイヤを装着するドラッグ感が堪らない。
また、当時パフォーマンスアピアランスパッケージとしてファストバックのダスター340とダスターツイスターに与えられる“サメの歯”がモチーフとなるグリルのシャークトゥースではなく、AMC時代のワゴニアにも似ている造形美が美しいセンター部分に向けて大きな張り出しを持つグリルが、トラディッショナルな正統派として実に好印象。一方でリアテールの悪そうな造形美も癖が強くて個性的。
GMのマッスルカーとは一線を画すMOPAR特有の癖が随所に散りばめられたダスター。「ロードランナーやクーダも魅力的ではあるけれど、もう少し尖ったニッチなモデルが好み」と語る古賀さん。実は近日中に2ドアのダッジ・コロネットも迎え入れる予定とのこと。まるでマニアックなモパーマッスルカーの博物館の様にレアでニッチなモデルが続々と入庫し続ける同店。冷やかしはお断りだけど、本気でお考えの方には販売することも考えているということなので、気になる方は一度足運んでみて熱い思いを伝えてみてはいかがだろう。
1974 プリムス ダスター ゴールドダスターパッケージ
程よく褪せたイエローとほんのり錆びの浮いたテール周りが、歳相応のナチュラルなエイジングとしてリアリティに深みを与えているボディ。オリジナルホイールやデカールも当時物をストックしている点は特筆物だ。
5.2ℓの318エンジンを搭載するゴールドダスターパッケージ。デュアル電動ファンで炎天下のクーリング対は万全。パワステ、パワーブレーキ、ラジエターコア増しと一通り手が加わる。下回りのオイルリークもほとんどなくグッドコンディション!
ブラックレザーにコラムATのオリジナルに忠実なインテリア。アメリカンマッスルシリーズの3連オートメーターの追加やステアリングの換装、ブルートゥースオーディオと必要最小限に手を加えているところも好印象。ビンテージエア装着で炎天下でもクールドライブが可能!
1971 プリムス ダスター
個人的に一番美しいと感じた角度で71ダスターの造型を撮影してみた。左右均等に二連並ぶテールレンズや立体造形の美しいグリル。そしてフェンダーアーチの膨らみ具合が当時のモパーらしさを色濃く映し出す。
MOPAR360マグナムエンジンを搭載。アルミシリンダーヘッドにホーリー750キャブレター、TTI ヘダース換装済みで、エンジンに火を入れて轟くエギゾーストサウンドからはアドレナリンが爆上がり!フロアマットまでダスター純正品をストックするインテリア。
シートはボディ同色をアクセントにブラックレザーのツートーン基調。B&MシフターとTTI ヘダースやホーリー750キャブを介して轟かせる360マグナムエンジンの鼓動がドライバーをその気にさせる。
THANKS:BPC
TEL:075-204-1216
https://bpc-kyoto.com/
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年6月号掲載
最新記事
2025/01/28
【HBSS】日曜日を優雅に楽しむ、クルーズ&スワップミート
アメ車オーナーをメインとした、北関東のクラブがHBSS(Have a Blast Second Sunday)。日曜日に実施されるモ-ニングクルーズを主軸としているHBBSが、第三回目となるCruise&SwapMeetを実施した。
2025/01/27
エコなラングラーをカスタムで彩る【ラングラールビコン4xe】
本格オフローダーでありながら、PHEVとして登場したラングラー4xe。その特異なモデル故に様子見のユーザーも少なくないが、多様なラングラー販売でお馴染みのCAR3219上尾タワーには、4xeをベースにしたカスタムモデルも販売中とあり、検討する価値は大いにある。
2025/01/24
【ティートップ】ビンテージだけでなくネオマッスルも販売中!
2003年の創業以来、20年以上に渡りアメ車や逆輸入車を専門に取り扱うT-TOP。とくにビンテージのアメ車を得意としてきたが、近年は2000年〜2010年代のアメ車の買い取りも積極的に行なっているそうだ。
2025/01/23
【LANDFOOT XFG】昔ながらの鉄チン風スタイルをラングラーのボトムスに!
本格派ヨンクであるラングラーには数多くのホイールが投入されているが、トピー実業のLANDFOOT XFGはクラシカルな装いをラングラーのボトムスに提供してくれる。