1997年の新車購入から四半世紀を経てフルリメイクを敢行!【1997 シボレー サバーバン】
OBSを語る上で新車からずっと乗り続けているオーナーは非常に興味深い。それがスラムドサバーバン界の重鎮且つ、ショーカーで普段使いまでこなす強者となればなおさらだ。そこで濱田さんに登場頂いた次第だ。
やっぱり OBS!
HRCSを目標に1年以上を費やしたビッグプロジェクト
1997 CHEVROLET SUBURBAN
サイドフェンダーからコーナーパネルバンパーまでを一体化させてファントムグリル化したフロントフェイスが印象的なサバーバン。さらにイントロホイールをセットバックしてリム面の半分近くを覆うナロード加工に、サイドシルカットによるローダウン。その着地っぷりは真正面、真後ろから見ると完全にタイヤを取り去った様に見えるレベルで、様々なイベント会場ではアワード常連のメジャーリーガー。バルフォーエスで製作した期間は確か旧店舗の時代からであり、仕上がったのが14年前。本誌でも数回取り上げさせてもらい、各地イベントで見るたびに人だかりが絶えなかった様子が記憶に新しい。
そんな同車両も既に25年、ショーカーとなってから14年が経過。普段乗りとしても愛用するだけに大事に乗っていても経年劣化による摩耗は致し方ないところである。四半世紀を迎え、当時20代だった濱田さんは50代に突入、この先を見据えて一念発起! カスタム魂を再燃させて、横浜で開催のホットロッドカスタムショー2022を目標にフルリメイクを敢行した次第。
塗装のヤレた純正のグリーンは、深みのあるオリジナル調色のエメラルドグリーンへオールペイント。この色合いが非常に奥深く、写真の様に上からのアングルで光の当たらない角度だとかなりダークに見えて、ストロボで照らすと深みのあるグリーンが反応する。控えめでシンプルに取り入れられたピンストライプも落ち着いた大人に相応しいアクセントだ。
一方、内装はキャメルレザーでオリジナルの良さを残しつつシートデザインを変更。天張りまでレザーで張り替えて、フロアマットには今回製作に携わったショップのロゴをあしらう。エアサスのシステムは当時物をストックしてあり、ファミコンコントローラーも健在。この先さらに25年間頑張ってもらい半世紀を共にするべくクリーンな状態へと蘇らせた。2022年11月6日に開催されたトラックマスターズファイナルでは見事ベストオブトラックマスターズを受賞。
メインカットの様に、見る角度によっては黒っぽく見えたりする、深みのあるオリジナル調色のエメラルドグリーン。ギラッと光が当たるとその色味が際立つところが最高にクールで、ピンストライプのアクセントもエンド部分のアレンジがアーティスティック。塗り分けの難しいファントムグリルまで繊細に塗装している点も特筆物だ。
14年前、ボンネットを開けてみたこの景色に衝撃のインパクトを受けた。タイヤがここまでカツカツに攻めてきて、ギリギリボンネットやフェンダーとのクリアランスを保って着地させていることに、ビルダー岡野氏の情熱と技術力の高さを称賛した。その技術は何年経過しても色褪せず、イベント参戦ごとにリム裏まで徹底して磨くことを怠らない濱田氏の姿勢も相まってクリーンコンディションを維持し続けている。
純正のグレーモケットインテリアからキャメル一色に総張り替えされたインテリア。ダッシュ部分や内貼り、天井にフロアマットまでのすべてをリフレッシュすることで新車の様なクリーンな雰囲気。シート形状はデザインそのものを変更しつつ、アームレスト部分にはスマホがピッタリ収まるフォルダを追加するなど、さりげなく使い勝手を向上。細かい部分ではあるが、シートベルトの色やシート台座のグレーまで徹底的に同系色で纏める点に一切の妥協を辞さない姿勢が窺える。
1997 CHEVROLET SUBURBAN with Masahiro Hamada
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年2月号掲載
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