やり尽くしたOBSで令和の時代を走る贅沢!
シンプルにオリジナル志向で乗っても、ガッツリカスタムして乗っても様になるOBS。中でも当時のカスタムカルチャーを色濃く残した個体は、マニアの間でも人気急上昇中。紹介するC-1500ファントムデューリーはまさに、1990年代のカスタムシーンを彷彿とさせるマニア必見の個体だ。
やっぱり OBS!
90年代テイストを色濃く残す、まさにこれぞOBSの姿
1994 CHEVROLET C1500 PHANTOM DUALLY
1990年代、アストロブームと共に日本のアメ車シーンを賑わせたC/Kシリーズ。本誌の広告にもこれらのビレットパーツやホイール、マフラーにグリルなどといったパーツが数多く掲載されていた。Cノッチ、エアサス、スムージング、ビレットホイール&ステアリング、グリルを筆頭に、メーターパネルやシート台座のビレットパネルまで、あらゆるカスタムパーツがラインナップされており、OBSと呼ばれる以前のリアルタイムな現行モデルだった当時、アフターパーツに溢れていたのが記憶に新しい。
紹介するファントムデューリーはC-3500の8穴ではなく、C-1500ベースのデューリーベッド仕様。127の5穴で、デューリーフェンダーはつなぎ目からテールゲート部分までプレーンにスムージングされたフォルム造型の美しい一台。ティールグリーンにオレンジのフレアを大胆にあしらったカスタムペイントに、ヘッドライトの位置関係を補正した正真正銘本物のファントムグリル、ボトムスにはフロント8J、リア12Jのビレットホイール17インチを履かせ、コルベットテールも相まってインパクト絶大となっている。
また、内装はヘタリを感じさせないクリーンなモケットインテリアとなりグランツのステアリング換装や追加メーター程度と控え目で、当時らしさを色濃く残している点も好印象。この個体はナオキモータービルドで別の車両を購入した兵庫県在住のオーナーが大切に乗っていた車両で、なんと新車並行の実走行4万km台! 見た目がUS志向なので本国で仕上げた車両を日本へ持ち込んだかの様な錯覚すら覚えるが、正真正銘アメリカ生まれの日本育ち。販売するに当たり整備はもちろん、自社で開発した深堀Cノッチキットで車高を煮詰めていきたいとのこと。
ちなみにベッド部分は自社在庫で通常のEXT用もストックしており、塗装も含めてオーナーの要望と相談しながら製作していくことも視野に入れているそうなので、フルリメイクを検討中の方も相談してみるといいだろう。新車並行4万kmのベース車両だけに長く愛用できるハズだ。
30年近く前の車両とは思えない美しさは、ボディの状態のみならずシャーシやフロア裏、リーフスプリングまですべてがクリーンコンディション。コルベットテールやボウタイ形状のバックランプをリアゲートに埋め込むなどのギミックも、当時らしいアレンジで懐かしい。ボンネットからリアへ流れる様なフレア塗装も90`sを色濃く感じさせてくれる。
エーデルブロックのインマニに換装され、ヘダース交換、MSD点火系、オイルクーラーの追加など、ひと通り手が加わったTBI。軽い吹け上がりで重量感のある車体を感じさせないトルクフルな走りを実現。
モケットのフロントベンチシートは分割式でリクライニング機能付き。運転席背もたれを前に倒せばセカンドシートへのアクセスも悪くない。純正シートでここまで状態が良い個体もレア。
THANKS:ナオキモータービルド
TEL:072-236-7300
https://naoki-mb.co.jp
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年2月号掲載
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