長年に渡って見続けてきた老舗アメ車ショップにOBS の“イマ”を聞いた【ブルーリバー】

1990年代から2000年代初頭のアストロブームと共に、アメ車シーンをけん引してきた関西の老舗アメ車専門店ブルーリバー。OBSの過去と現在を知る有識者として、当時から25年に渡ってブルーリバーを守り続ける代表の山倉氏に話を伺ってきた。
やっぱり OBS!
OBSの現在地
新車当時に憧れた「カッコいい!」は四半世紀の時を経ても色褪せない
当時19歳だった山倉氏がブルーリバーに入社したのが1997年。居酒屋店長のアルバイトから一転、当時人気のアメ車がズラリと並ぶショップで働ける喜びは格別だった。毎日目移りするほどカッコいいアメ車に触れていれば、当然アメ車が欲しくなる。「成人式にフルサイズで乗り付けたい!」と漠然とした夢と希望を持って、在庫車両で入庫した97年型の走行わずか1.5万kmと新車に近いコンディションの白いサバーバンに乗ったのが人生初のフルサイズだった。
その後、池田店が誕生して堺市から池田市まで往復100kmの通勤を毎日サバーバンでこなし、3年間の所有で走行距離は12万km。給料のほとんどはサバーバンのカスタムに消えていくという青春時代を経て、現在も変わらずC/K、タホ、サバーバンやアストロ、シェビーバンが店頭に並び続けている。25年の歳月が経っても本質的なものは何も変わらない。「あの頃カッコいいと思っていたものは今も変わらずカッコいい」と語る山倉氏のサバーバンを良く見ると、当時のトレンドだったロールパンやスムージング、メッキの同色塗装などは取り入れず、最近流行りのOBSに近い物がある。
当時は純正のパークシグナルはダサく、メッキバンパーはロールパンに。ドアモールや余計なものは取り去ってボディ同色スムージングが定番だった。純正部品は中古パーツ市場でも格安で、クリスタルヘッドライト&パークシグナル、それにユーロテールなどは高価なアフターパーツといった印象だったが、現在は逆に純正パーツの価値が上がっていて逆転現象が起きていると話す。
また、ホイールも25年前はブルーリバーが自社ブランドとしてリリースしたギャレットホイールの19インチが大口径の大本命だったが、2000年代に入ると20インチオーバーはもちろん、ラグジュアリーブームの時は24インチ、26インチ履きも珍しくなくなった。あの当時を知る者からすれば、ここ最近のOBSは昔ほど激しいカスタムを好まない純正風味を生かしたスタイルに落ち着いた印象だ。そんな話をしながらここ最近のブルーリバーの在庫を見てみると、ギャレットホイールを履いた白いサバーバンやオレンジの純正パークシグナルの個体など、イマドキのテイストに合わせた車両が多い様に感じたので「時代に合わせているのか?」と問うと「昔から何も変わっていない。あの当時からメッキバンパーが好きだし、ロールパンや同色は好みじゃなかった」と本音を語る。
25年間一貫してカッコいいと思えるOBSに仕上げて販売してきたブルーリバーの車両が、意図せず時代にマッチしてきたという流れだ。8年ほど前は今ほど個体が激減した状況ではなく、新車当時よりも安く買えたこともあって40代のお客さんが買いに来ることも多かった。しかし昨今は個体そのものが稀少になっている。良い個体に仕上げて“ポストスクエアボディ”を次世代へと繋ぐことが、新車当時から知る我々に託された使命なのかもしれない。


山倉氏が入社してすぐにオープンした大阪府池田市の北大阪店。堺市の本店から50kmほど離れており、購入したサバーバンで毎日往復100kmの距離を走らせていた。当時の在庫車両を見ると一貫して純正の良さを生かしたスタイルが好みなのも頷ける。


購入した当初はロールパンでボディ同色ペイントを施す当時のトレンドスタイルだったが、わざわざ純正のメッキバンパーに戻して自分の好きなスタイルを追求していた初めてのフルサイズ。まだOBSなんて言葉もない時代の話だ。カッティングシートですりガラス風にアレンジしたリアガラスは、このサバーバンを皮切りに当時コアなカスタムフリークたちが挙って真似ていたのも懐かしい。






最近納車した車両や在庫していたOBS。どちらかと言うと2駆率が高く、ローダウンした個体が好みだということで、一貫して山倉氏の“カッコいい!” スタイルはブレていない。アメ車はすぐ壊れるという悪いイメージを払拭するため、移動手段は70年代のC10を筆頭に宮崎県から自走で大阪まで走らせたシェビーバンなど、自身が等身大のアメ車オーナーを実践することでアメ車は普通に乗れることを実証。説得力を持って接することが、長年支持され続ける理由だ。
BLUERIVER【ブルーリバー】
住所:大阪府和泉市室堂町596-14
電話:0725-56-6400
営業時間:10:00~20:00
定休日:不定休
OBSはもちろんフルサイズバンやアストロ、旧車の販売も得意とするブルーリバー。在庫車両総数は常時30台を超えており、物件情報サイトの掲載はごく一部なので、最新情報はInstgramインスタグラムをCheck!
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年2月号掲載
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