伝説的なモデルとして崇拝されるのが、7.4Lエンジンを搭載したC1500 454SSだ
数あるシボレーピックアップトラックのなかで、伝説的なモデルとして崇拝されるのが、7.4ℓエンジンを搭載したC1500 454SSだ。今やその姿を見ることすら希少だが、宮城県のSAGISAKA SPLでは現役デモカーとして活躍中。
やっぱり OBS!
伝説トラックを現役バリバリで遊び倒す
低い車高は乗り心地悪い?そのイメージを覆す!
1990 CHEVROLET C1500 454SS
シボレー・C1500・454SS。454(7.4L)というモンスターエンジンを搭載し、90年~94年の4年間だけ限定生産された、シボレーピックアップトラックの伝説モデル。販売されたのは累計1万6953台と言われ、30年が経過した今では、まさに絶滅危惧種。現在、普通に走っている454SSを見ることはもう…。だが、宮城県のカーショップ「サギサカSPL」には、ショップデモカーであり、お客さんの送迎にも使われる現役バリバリの454SSが存在する。
同ショップ代表の匂坂さんは、ドリフトの最高峰であるD1・GPで、チーム・オレンジのドライバーとして優勝を経験するなど、業界では知られた人物。15年前にカーショップを立ち上げ、昔から好きだったアメ車を7年ほど前から積極的に導入するようになり、アメ車初のデモカーとして選んだのが454SSというワケだ。しかし当時、454SSの存在を余り知らなかったようで、見た目はC1500ながら桁違いのスペックに心底驚いたという。
入庫した際はローダウンやロールパンなど、ある程度カスタムされた状態だったが、お世辞にも乗り心地は良いとは言えず、ドリフト時代から足回りに強い拘りがあった匂坂さんは納得できずにいた。そこで「低い車高=乗り心地が悪いというイメージがあるけど、それを覆したかった」と、Cノッチ加工で極限の低さを見せながら、ショックの角度・向き・ストロークを計算して取り付け、この低さでは味わえない快適な乗り心地を実現。
さらに、匂坂さんはアメリカン・カントリースタイルが好みであるため、あえて前後バンパーを純正タイプに戻し、低グレードのシャイアンフェイスに変更。ホイールも、90年代の王道であるアメリカンレーシングの15インチに履き替えた。ボディはオリジナルベージュにオールペンし、サイドにはゴーストピンストライプの手によって大胆にショップロゴを注入。
そして心臓部であるエンジンは、なんとキャブに変更。その理由は単純で、「キャブが好きだから」と匂坂さんは笑う。ヘダースも入れてより強力なパフォーマンスを見せるが、今後はさらにマフラー改良の予定もあるとか。「貴重なクルマだとは思うけど、クルマって乗ってナンボ。ストレスなく乗れて、渋くてカッコイイ姿に仕上げていきたいですね」。現役バリバリの454SSは、まだまだ元気に進化を模索している。
C1500のトップグレードでもある454SSに、あえて低グレードのシャイアンタイプのフェイスを移植。見た目の渋さもさることながら、車検もすんなり通るのもメリットだ。前後バンパーも純正タイプに変更。
「キャブが好き」という理由で、エーデルブロックのキャブに変更。ヘダースも交換し排気系チューン。今後は、マフラーを集約せず独立したラインパイプで作り直す予定。
元々Cノッチ加工がされていたが、乗り心地の悪さに辟易した匂坂さんが、パイプ溶接から新たに作り直し、ショックの向き・角度・ストロークを調整することで、この低さでもストレスのない乗り心地を実現。さすがは元ドリフトプロドライバー。足回りの拘りは半端ない。
90年代のアメ車といえば、アメリカンレーシング(15インチ)とホワイトレタータイヤがよく映える。フロントはドロップスピンドルとサス調整でローダウン。
モアパワーを誇るため、通常の454SSのシートはバケットタイプだが、ホールド感とは無縁のベンチシートに変更。このギャップ差も、にくい演出となる。
OWNER:SAGISAKA SPL 代表・匂坂さん
ドリフトの最高峰であるD1グランプリで、チーム・オレンジのドライバーとして優勝を経験するなど、ドリフト業界では知られた存在の匂坂さん。ドリフト時代にトランポとして使っていたのはエクスプレスであるなど、昔からアメ車が好き。現行車をギラギラにカスタムするよりも、アメリカの田舎を走るカントリースタイルが好みで、SAGISAKA SPLで扱う車両やカスタムは90年代が中心。現在はYouTubeやInstagramで在庫車を通してアメ車の魅力を発信中。
SAGISAKA SPL
TEL:022-355-5095
https://sagisaka-spl.net/
宮城県名取市で創業15年となるカーショップSAGISAKA SPL。地元から愛されるショップを目指し軽自動車なども扱うが、90年代がメインのC/Kモデルやフルサイズバンも多く扱っている。車検・整備・カスタムもしっかり対応することで、県外から訪れるユーザーも多いようだ。
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2023年2月号掲載
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