ルーツブロアーで超絶武装、刺激MAXなプロストリート【1970 シボレーシェベル】

スキニー&ファットなタイヤをガッツリと飲み込んで、フード内に収まらない巨大なルーツブロアーで武装するプロストリートは問答無用にカッコイイ! ただでさえクールな70年型シェベルがベースという点でもKO!!これほどハードコアな現役プロストリートは日本国内では初見か!?
THRILL RIDES
ハードコアなドラッグマシンのプロポーションを構築する形
1970 Chevrolet Chevelle
NHRAのカテゴリーにおいてストックボディ最強のプロストックのプロポーションをストリートカーに落とし込んだプロストリートは、80年代に一大ムーブメントを巻き起こした。
F:スキニー&R:ファットなドラッグマシン特有セットアップのタイヤ/ホイールを飲み込むようなロースタンスで構築するのが特徴的。NHRAのレギュレーションと連動して70年代中期に確立したそのプロポーションは、機能美としてストリートカーに反映した。
装着するリアタイヤは13インチ前後と極太サイズのため、かなり大掛かりな加工が必要。また、ストックボディ最強のプロストックの流れを汲むだけに、搭載するエンジンも可能な限りマッシブな仕様なのがポイント。
ビッグブロック+ルーツ式ブロアー+8バレルキャブレター+ショットガンタイプなどのストリートスクープというのがお約束。有り余るポテンシャルや強烈インパクトのルックスは問答無用にカッコイイ。そのため50年代から新型車まであらゆるモデルをベースにしたプロストリートが全米各地で一斉に誕生したのだ。
マッスルカーという言葉も当初はプロストリートをメインにが使われるようになった。中古車として安価で入手できた時期だったため、60~70年代のマッスルカーも続々とプロストリートとして生まれ変わり、誌面やイベント会場も、モデルキットやカートイなどもプロストリートで溢れかえった。
日本の道路事情に合わせ最新かつ最強のエンジン仕様に総合的にアレンジ
さまざまな面でリスキーな仕様なだけに、時間の経過とともにプロストリートはフェードアウト。マッスカーの希少価値が高まったこともあり、車両はオリジナルでレストア、希少なエンジンもオリジナルでリビルトする傾向になっていった。それでもプロストリートには不動のカッコ良さがあるため、近年では当時製作された個体がそのままの姿でレストアされたり、現代版としてアップデートされるなど注目度が高まっている。
この個体も全盛期に構築された1台。何はともあれそのスタイルありきで入手し、多くの面でアメリカよりも厳しい条件の日本国内でドライブするべく総合的にアレンジすることになった。特有のクールなプロポーションを保持しつつ、エンジンは新たにレースエンジン・ビルダー、スコット・シャフィロフによるビッグブロック540+8-71ルーツ式スーパーチャージャーに換装。
最新かつ最強のエンジン仕様に合わせて、パネル類を製作し、ディテールアップ。極太のエキゾーストパイプにしてロースタンスの車高とロードクリアランスを確保するうえで、レイアウトアレンジやフロアも加工している。
内装ではシートをコルビュー製バケットタイプにアップグレード。ロールケージのアップグレードではサイドバーをカーブさせ乗り降りしやすくアレンジ。現時点では基本メニューをこなした程度なので、今後もアップデートをすることでより魅力を高める予定。
ボディ&カラースキムは70年型シェベルSSをキープしながら、ハードコアなドラッグマシンのプロポーションを構築するスタイルは、東海岸のアウトロードラッグレーサーに通じるカッコ良さ!問答無用にカッコ良いPro Streetは不滅!!
レースエンジン・ビルダーScott Shafiroff製のエンジンは、ビッグブロック540c(i 8.8ℓ)に巨大な8-71ルーツブロアーでパワーアダーした一級品! フードを突き抜けるショットガンスクープの下には、APD社のビレット製キャブレターが4バレル×2機の8バレルで装着。ミッションは3速AT強化タイプTH400。




ダッシュ、ドアパネルはストックをキープし、クラスターをアレンジしてオートメーター製ゲージをインストール。シフターはB&M 社のプロラチェット。換装したニューエンジンに伴って、点火モジュールはスパークエナジーの高いMSD 7ALを採用。後部座席部分はファットラバーを飲み込む巨大なタブ&ロールケージが占領。ロールゲージはダッシュ、ピラーに沿ってタイトにアレンジ。サイドバーはカーブタイプにすることで乗り降りしやすくした。


ヘダースは専門メーカーKOOKS のステンレス製。高年つでも変色しないセラコート加工は国内で施工。何かとクリアランスがタイトなプロストリート車での極太のエキゾーストパイプのレイアウトは緻密にアレンジされている。


ドラッグレースをメインに80年代のレースシーンではトップカテゴリーも含めてとにかく採用率が高かったセンターライン社のコンボプロ。現在ではオールドスクールなので、今後はアップデートする予定。サイズが極端なタイヤは定番のミッキートンプソン(F:28×7.50-15LT、R:33×19.50-15LT)。
リアエンドはハードコアなドラッグマシンではベース車のメイクスに関わらず採用されるポピュラーなFord9。4リンク&コイルオーバーサスで連結。サイズがあまりにも極太なため、タイヤ/ ホイールの脱着、組み替えは容易ではない。
THANKS:アンディーズ ロッドワークス【Andy's Rod Works】
TEL:047-382-6713
PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2022年11月号掲載
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