アメリカ村を作る壮大な夢に共感、長年思い描いた理想の“ラフ”な家
過去にアメリカに住んでいた経験から、いつかは日本でそんな家を建てたいと思っていたSさん。ジェネラルアメリカンホームとの出会い、アメリカ村を作るという壮大な夢を持つ人との出会いで、Sさんが理想とする「ラフ」な家作りがスタートする。
アメリカ村を作る壮大な夢に共感、長年思い描いた理想の“ラフ”な家
Let’s AMERICAN HOME
アメリカでは家もクルマもラフに使うのが一般的
「拘りのバーガはもちろん、景色もアメリカを感じられるように、この区画をアメリカ村にしたいんです」。そんな壮大な夢を語ってくれたのは、以前当企画で紹介した愛知県東郷町にあるマグネットダイナーの磯村さん。そして、その夢に共感し、マグネットダイナーのすぐ隣に、ジェネラルアメリカンホームのデザインでマイホームを建築したのがSさんだ。
Sさんは数十年前に「海外に住んで様々な経験をしたい」と、着の身着のまま単身アメリカに渡り、長くアメリカでの生活を送っていた。「それこそ危険なエリアにも住みましたし、日本人が一人もいないリアルなアメリカの住宅に住んでいました。そこで見た住宅のイメージが強くて、日本に戻って家を建てるとなった時は、そんなアメリカの住宅がイイなと思っていたんです」。
いつかはリアルなアメリカン住宅を建てたい。日本に戻ってからその思いを持ち続けていたSさんだが、しばらくの間実現しなかったのは、理想とする住宅を建築デザインしてくれるハウスメーカーが見つからなかったからだ。しかし、実現に向け大きな転機となったのが、数年前に愛知県豊田市で開催されたアメリカンカルチャーイベント「スリーリバー」を訪れたとき。様々なアメ車やアメリカン雑貨が並ぶブースのなかに、リアルアメリカンホームを建築デザインするジェネラルアメリカンホームがブースを出展していたのだ。「建築した写真を見ただけでも、今まで見た輸入ハウスメーカーと違うのが分かりました。代表の杉山さんと話をすると、アメリカに本当に住んでいた人しか分からない、細かい部分も拘っていることを説明してくれて、是非建てて欲しいとお願いしました」。
Sさんの希望は「アメリカに行かなくてもアメリカを感じられる、広い土地に愛車を並べてラフに楽しめる住宅」。この難題な要望にジェネラル側も当初は頭を抱えたようだが、ベストな土地として思い付いたのが、「アメリカ村」を夢見るマグネットダイナーの区画だ。「ジェネラルから磯村さんの夢を聞いて、すぐに共感して決めさせてもらいました。すぐ隣にダイナーがあるなんて面白いですよね(笑)」。
アメリカで様々な住宅に住みながら建築の勉強もしていたSさんだけに、これまでジェネラルが建築した住宅とは違い、屋根の形状は山形の切妻ではなく、台形の寄棟を採用。玄関柱の石造りの石は、Sさんが自ら探し取り寄せたもの。敷地内にはガレージ付き賃貸ハウスも建てられ、中央にある芝生の共有エリアを設置したのもSさんのアイデアだ。愛車が多いSさんのために、ジェネラルはインガレージの出入り口を2箇所設置するなど、オーナーに合わせたデザインを取り入れる。
6LDKとなる間取りは、家族5人の部屋とSさんの趣味部屋に分かれる。2階と繋がる階段手すりの親柱も特注オーダーで、赤い絨毯との組み合わせは洋館を連想させる。冷蔵庫や電子レンジなどの家電もSさんがアメリカで買い付けたもので、その大きさに合わせたキッチンにデザインがされれている。洗濯機もアメリカ製だが、なんと、トイレや化粧台、バスルーム一式もアメリカのホームセンターで買い付けてくるなど、住宅内の至る所がアメリカで染まっている。家族の要望で、リビングに炬燵があるのはご愛敬だ。
クルマが趣味であるSさんが現在保有する愛車は、別に駐車場を借りているほどで、片手では収まらない。その都度気になるクルマを購入し定期的に入れ替えがされるが、そのほとんどがアメ車。唯一手放すことなく保管しているのが、約20年前に購入したSさんの1年年後輩にあたる66年型マスタング。だがそれも、ガレージの荷物に埋もれているが…。「見ての通りガレージも荷物で溢れ、家の周りも荷物だらけ。でも僕が住んだアメリカでは、クルマも家もこうしてラフに使うのが普通だったんです。せっかく撮影に来てくれるから掃除をしようと思ったけど、ありのままを見せようかなと。きっと、ジェネラルに怒られるかもしれないけど(笑)」。
リアルなアメリカの景色を目指し、アメリカ村を作ろうとしたマグネットダイナーの磯村さん。それに共感した初めての『村民』であるSさんは、住宅もライフスタイルもリアルアメリカだ。
ジェネラルアメリカンホームの屋根は山形の切妻(きりづま)が多いが、Sさんの住宅は台形型の寄棟(よせむね)を採用。上写真左手にある白い建物が、ボリュームあるバーガーが人気のアメリカンダイナー「マグネットダイナー」だ。
Sさん邸で印象的なのが、玄関脇などにある石造りの柱。これはSさんが素材となる石を購入し、ジェネラルに施工してもらったもの。パーゴラやフェンスも、Sさんがアメリカのホームセンターで購入してきたという。
住宅前にある遊具やベンチがある芝生エリアを挟み、ジェネラルアメリカンホーム初となるガレージ付き賃貸ハウス(現在は満室)が建つ。芝生エリアは共有スペースとなり、マグネットダイナーで購入したバーガーを食べる方もいるようだ。
家電やバスルームシステムはアメリカに行き直接購入
冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機などの電化製品はアメリカで購入し、それを踏まえて室内はデザインされている。さらにバスルーム一式、化粧台やトイレといった部分も、アメリカのホームセンターで購入したもの。保証は受けられないが、それよりもリアルを追求したSさんの拘りの部分だ。
洋館を思わせる階段エリアは拘りのひとつ
室内の大きな特徴となるのが、赤い絨毯が敷かれた階段と2階の廊下。手すりの親柱は、アメリカの住宅で使われているデザインのものをジェネラルにオーダーして設置。シャンデリアを含めて、歴史ある洋館をイメージさせる。
6LDKとなるSさん邸。家族5人の部屋とSさんの趣味部屋という間取り。壁紙は各部屋で違い、なかでも奥様用のピンクの部屋が印象的。下写真は趣味部屋がある1階玄関部分。カラフルなLED照明も拘りのようだ。
敷地内に止められているクルマのほとんどが、Sさんの愛車コレクション。別の場所に駐車場を借りて置いているものもあるが、撮影時に敷地内にあったのは、写真右上からガレージに保管されている、約20年前に初めてのアメ車として購入した1966年型マスタング、ダッジ・ラム、ハマー・H2、1974年型プリマス・サテライト、1954年型シボレー・210。他にもガレージには、1968年型フォルクスワーゲン・タイプ2.21ウインドーも保管されている。各車両にはアメリカの住宅街で見かけるFOR SALEのパネルが置かれ、希望があれば販売も可能だとか。
General American Home【ジェネラルアメリカンホーム】
所在地:愛知県刈谷市東境町登り坂100
TEL:0566-91-3007
URL:http://g-a-h.sakura.ne.jp/wp
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2022年5月号掲載
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