「いつかビンテージのアメ車に乗りたい!」と選んだのは、1969年型のマスタング・ファストバックだ。

クーペ

フォード

アメマガ2022年4月号

THE VINTAGE

マスタング

東海カーズ

愛知県

マスタング mach 1

カッコイイ物や美しいものに心がときめくのは当たり前だが、それがファッション業界に身を置く人なら、なおさらだろう。ヘアサロンを営む市橋さんが選んだ初のアメ車は、1969年型のマスタング・ファストバックと言うのも納得だ。

永年の夢だったアメ車、なるべく毎週乗ってます

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速く走るよりも気持ちよくドライブしたい、その夢を叶えてくれたのがマスタングです!

1969 Ford Mustang Mach 1

第一印象は50歳とは思えないほど、若々しいファッションセンスの持ち主と感じた市橋さん。お仕事は美容室を経営しており、社長業だけでなく自らスタイリストとしてハサミを持つことも多いとか。老若男女の美をプロデュースし続けるだけあって美的センスには優れており、やはりクルマのカッコ良さは大切だと語る。以前はタンドラを所有していたこともあったそうだが、生粋のアメ車はこのマスタングが初めて。ハイブリッドの欧州車を所有したこともあったが、誰が乗っても速いしツマラナイ…ということで、何と2カ月で手放してしまったそうだ。

そんな市橋さんが永年思い続けていた夢は「いつかビンテージのアメ車に乗りたい!」というもの。子育ても落ち着いたし、そろそろその夢を現実にしたい。でも、一応家族3人で出かけられる様にと選んだのはマスタング。ネットなどでアメ車専門店をチェックしつつ、数件相談するうちにたどり着いたのが、東海カーズだ。

 

カーズの細井さんから「とりあえず一度遊びに来て下さいよ」と言われ足を運ぶが「何と言っても在庫車の数に驚かされましたね」と当時を振り返る。「最初はAT車で探していたんですがあまり良いタマがない。そんなある時出会ったのが、現在の愛車マッハ1ですね。最初は左ハンドルのMTなんて怖くて乗れない!と思っていたんですが、細井さんが『絶対にATじゃ飽きるから、MTにした方がイイ』と力説され決断しました。でも、いざ乗ってみるとやっぱり面白いし、慣れてくるとMTを選んでおいてよかったなと思いましたね」とも。

 

独身男性ならクルマを購入する時に誰かに相談する必要はないが、家庭があるとそうはいかないのが現実というもの。でも市橋さんは「とくに反対はなかったですよ。でも妻は…あまり横に乗ってくれないですね(苦笑)。やっぱり今のクルマと比べると音や匂いが嫌なのかなぁ…。でも、できれば休みの日にどこか一緒にドライブに行きたいんですよね〜」と本音を覗かせてくれる。確かに子育て中はパパ・ママであったかも知れないが、一区切りついて出会った頃の様な気持ちに戻りたいというその気持ち、同年代の筆者には非常によく分かる話だ。

ちなみに市橋さん、マスタングを購入してから約1年半が経過したそうだが、ほぼ毎週乗っているためノントラブルだそう。細井さんから運転する前に「バッテリーターミナルの緩み」「ネジの緩み」「オイル量のチェック」「エンジンしっかり暖気する」「水漏れのチェック」を必ず確認する様に言われたそうで、毎回欠かさず守っていると話してくれた。

 

クルマに対する価値観や考え方は人それぞれだが、市橋さんは「クルマは壊れない、安心感がもっとも重要だと思いますね。今のクルマは確かにノーメンテナンスで壊れる心配はないかも知れないです。でもビンテージでも、オーナーの心掛け1つで、トラブルは未然に防ぐことができるのではないでしょうか? 細井さんに言われたとおりマスタングにはカバーをかけていますし、もちろん定期的なオイル交換も実施していますよ」とも。

 

クルマは走ってナンボと東海カーズでは提唱しているが、オーナーが安心して走れる様に、ビンテージカーとの付き合い方もキチンと教えてくれると言えよう。

1965年に登場したマスタング。1970年モデルからガラリと変わった印象を受けるが、市橋さんの69 を見ると、68と70の両方の要素が盛り込まれていることが良く分かる。市橋さんはエッジの利いたデザインが時に気に入っているそうで、「このモデルイヤーしかない」というスタイルがとくに気に入っているそう。ちなみにオイルパンはmorosoに変更済みで、スウェイバーも強化済み。

エクステリアはオリジナル然としているが、エンジンルームは徹底的に手が加えられており、細井さんは「サーキットでしっかり遊べる仕様」と語るが、市橋さんは「気持ち良く走れればOKです」とのこと。エアコンも追加するが、壊れない様にあまり使わない様にしているそうだ。

1969年型の特徴は、メーターのフード部分が大型化されているところ。シフトは4MTを組み合わせる。ちなみに何かあっては困るので、車内には消火器も常備。まさに、備えあれば憂いなしと言えるだろう。

OWNERT:amaki Ichihash

名古屋駅から徒歩6分という、都会のド真ん中でヘアサロン「prier x kew」(プリエコラボキューヘアー)の代表を務める市橋さん。アメ車を所有するのは初めてで、2021年の夏にはサーキットデビューも果たすが「しばらくはいいかな…」と本音を語ってくれた。


THANKS:東海カーズ

TEL:0533-86-8890
PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2022年4月号掲載

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