オーナーのシボレー210はわざと錆を誇張したり、壊れていないところに手を加えたりしない

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シボレー

アメマガ2022年4月号

THE VINTAGE

シボレー210

クルマとファッション、音楽は切っても切り離せない存在だ。音楽からクルマへ入る人もいれば、ファッションからクルマへ辿り着く人も。カーカルチャーはライフスタイルを映し出す鏡として大きな役割を担い、逆もまた然りである。

アメリカンカルチャーのリアリティーを全力で追求

THE VINTAGE


1955 Chevrolet 210 2doorh ardtop

磨いて飾るよりもラフに乗る方が性に合う

大阪のアメ村を拠点に30年以上アパレルシーンで活躍するKoujiさん。25年前からは独立してアメ車全盛期やアメカジトレンド時代を謳歌するなど、追い風の時も向かい風の時も変わらず、自身の好きなこと&モノに集中して軸をぶらさず腰を据えてきた。そんな彼が独立とほぼ同時期に縁あって迎え入れた愛車が紹介する210だ。

ベルエアと間違われで、毎回訂正するのが面倒なので、喜んでくれるお客さんにわざわざウンチクを語らないところもご愛嬌で、半世紀以上前のクルマだからと気遣うことなく、路上駐車が緩かった時代は店の前に置いてマスコット的に活躍し、行き交う通行人や自転車が多少当たっても気にもせず「大したことじゃない!」と寛容。それこそ一昔前の本国じゃ“縦列駐車で前後バンパーは当てて止めるもの”みたいな逸話の如く、当時の本国オーナー同様に自然体で乗るのが彼のスタイルだ。

 

とは言っても購入当時は地元でも有名なコレクターが大切に屋内保管していた個体で、状態はまさに極上。気兼ねなく街を走らせるのはもったいないレベル。それをホワイトツートンに自家塗装してエンブレムは潔く取り去る。さらに以前愛用していたプロシードからダミーサイドマフラーやスポットライト、ピープミラーを移植。空冷VWに影響を受けてヘッドライトバイザーを追加するなど、フルオリジナルなんてお構いなし。「好きなように乗ったらええねん」を地で行くスタイルだ。

 

ただ一つ言えることは、そこに自分なりのこだわりを持つこと。彼の210はわざと錆を誇張したり、わざわざ壊れていないところに手を加えたりはしない。補修する際は即席でレタリングを楽しんだり、想い入れの深い言葉でアレンジして楽しむ。そうすることで四半世紀に渡る相棒との想い出を刻んできた。移りゆく街並みとは裏腹に、聞く音楽も着る服も、そして乗りこなすクルマも変わらない。不変の魅力はリアリティーの追求から得られるものなのかもしれない。

ダミーのサイドマフラーやスポットライト、ピープミラーなどは以前愛用していたプロシードからの移植。ステップサイド化して8年ほど愛用していただけに、こちらの思い入れも中々のもの。ホワイトウォールタイヤは当時らしさを損なわない様にファイヤーストーン製にこだわり、センターキャップは同年代のビュイック純正品を流用。

4L直6のオリジナルエンジンを搭載。10年前にオーバーヒート対策として電動ファンを導入。5年ほど前にオーバーホールを済ませた時にヘッドをイエローに塗装。バッテリーは移設してスッキリとしたエンジンルームに。

オリジナルステアリングやデッキなどをストックするインテリア。ティアドロップのシフトノブやサイコロのアクセントなど、自身が青春を謳歌した時代のアイテムを残すインテリアも実に感慨深い。

スカジャンやレザージャケットといったハードなアイテムを中心に、ジャッカルや大名綱などのオリジナルブランドも展開する大阪アメリカ村の「アメリカンロングリバー55」。アメ車乗りやバイカー、ミュージシャンなどのお客さんも多く、ファストファッションブランドとは一線を画す、こだわりのアイテムが勢揃い。

詳しくはwww.alr55.com をCHECK!

OWNER:Kouji


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2022年4月号掲載


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