完全ノーマルの4thマスタング、今もなお現存するのは奇跡だ!
1994年に第4世代として生まれ変わったフォード・マスタング。デビューと同時に日本でも販売され、爆発的な人気を得たモデルだ。そんな初期モデルの95年型が、完全ノーマル状態でガレージジョーカーで販売されている。恐らく日本で、完全ノーマルで販売しているのはこの1台のみ。これは本当にラストチャンスだ!
完全ノーマルの4th、今もなお現存するのは奇跡だ!
THE PICK UP TEST DRIVE
1995y FORD MUSTANG GT
高い人気を誇った4代目マスタング、ノーマルの価値は今後も上昇していく!?
バブルに湧いた90年代中頃、輸入車も続々と日本で正規販売され、94年から4代目に生まれ変わったフォード・マスタングも販売が開始された。資本提携を結んだマツダ系列店でも販売され、同クラスの日本車と同程度の価格帯もあって、爆発的な人気を得た。そして04年までマイナーチェンジを繰り返し、05年には新世代マスタングへ生まれ変わる。
4thマスタングは、10 年間新車ディーラー車として販売され続けたので、長い間全国のカーショップには新車同然のノーマルモデルが並ぶ光景も見られたが、さすがに2022年ともなればその姿を見ることはほとんどない。まして初期型ともなれば、朽ち果てた状態か、コレクションとして保管しているオーナーの手元にあるかだろう。
しかしガレージジョーカーには、完全ノーマルの95年型マスタング・GTが、驚くべきコンディションを保ちながら販売されている。しかも、初期型でもたった2年だけ販売された5.0ℓ V8・OHVエンジンという、レアエンジン。もっといえば、ワンオーナー車で、走行距離は約7万kmだ。
ガレージジョーカーがこんなレアマスタングを手に入れて販売するワケは、4thマスタングが代表の小川氏の20代の思い出のクルマということに尽きる。
販売はしていないが、カスタムされた4thマスタングは今も大切に保管しているほど。そんな小川氏が「この状態を保っているのは奇跡」と語る今回のマスタングは、本当に希少性が高い。27年前の最高に輝いていた時代のマスタングを、ビカビカの状態で乗る最後のチャンスかもしれない。
IMPRESSIONS
マスタングはスポーツカーではない、あくまでもカジュアルに乗る
現行型などに慣れていると、どうしても加速感などは物足りなさを感じてしまう。が、マスタングは元来スポーツカーではなくスペシャリティカー。気持ちよくカジュアルに走るモデルということを、再確認してから乗ることをオススメする。かと言って、ストレスを感じるほどパワーが無いわけではなく、中速域からは流石の速さを体感できる。サスペンションやブレーキ制動も気になる点もなく、27年前というネガティブな印象は感じられない。やはりオープンは気持ちがいい。でも、できれば冬じゃなく、温かい時期に走りたかった…。
当時では希少な存在だった4人乗りコンバーチブル
当時高い人気を誇った4thマスタングのなかでも、4人乗れるコンバーチブルの人気が断然高かった。94~95 年の初期モデルだけに設定された5.0ℓモデルは、丈夫でメンテナンス性が高い知る人ぞ知るエンジン。この組み合わせだけでも狙い目な上に、完全ノーマル、ワンオーナー、走行距離7万kmは本当にレアだ。
初期のみ設定された5ℓ V8・OHV
マスタングの黎明期とも呼ばれる先代からモデルチェンジし、1994年に第4世代となったマスタング(初代の扱いで第5世代とも呼ぶこともあるが)。クーペとコンバーチブルの2つのボディタイプがあり、2シーターが一般的だった当時、コンバーチブルで4人乗りは画期的だった。
日本でも正規販売がされ、3.8ℓV6、5.0ℓ V8 OHVエンジンがラインナップ。しかし正規モデルでは、5.0ℓが95年を最後に消滅し(本国では継続)、4.6ℓ V8・DOHCに置き換わった。つまり今回のモデルは、2年だけ存在した5.0ℓモデル。最高出力は4.6ℓと変わらないが、メンテナンス性でいえば圧倒的に5.0ℓが優れているとされる。99年型でビッグマイナーチェンジがされ、フェイスデザインが変更。年々改良がされ、第4世代は04年まで続く。
今回のマスタングの特徴は、希少なエンジンもさることながら、完全ノーマル(ヘッドユニットのみ変更)のディーラー車というところだ。流石にフロントシートには経年劣化が見られるが、これは使用レベルだし、内外装ともに大きなキズもない。ベージュの幌は、わずかな汚れこそあるものの、新品同然の色合いを保っているのに驚く。もちろん機関系も良好だ。
27年前のクルマがワンオーナーで、走行距離が7万kmということから、本当に大事にされていたのがわかる。実際に生で見れば、その状態の良さに納得するはずだ。
ボディカラーは純正のディープフォレストグリーンメタリックで、ソフトトップも純正のベージュ。大きな傷や汚れもなく、27年の経年劣化はまったく感じない。当時、並行輸入された前期型4thマスタングもあるが、外観上での違いは、可倒式サイドミラー、サイドマーカー、オーバーフェンダー、テールライトウインカーオレンジが日本正規モデルならではの装備だ。
第4世代の日本正規モデルの初期エンジンは、グレードのSとGが3.8ℓ V6、GTが5.0ℓ V8・OHV(215hp) を搭載する。96年にGTは4.6ℓ V8DOHC に置き換わり、5.0ℓ V8 は正規モデルから消滅した。ホイールは純正の17インチ。ホイールは社外に交換されやすいパーツなため、しっかり純正を履いているのは本当に価値が高い。
当時コンバーチブルで4人乗りは珍しく、販売台数もクーペよりもコンバーチブルが上回った。ソフトトップの開閉は電動で、サイドブレーキを掛け、サンバイザー上のロックを外し、ボタンONで作動する。99年にビッグマイナーチェンジが行なわれたが、基本的に外装部分が変更されたのみで、内装は94~04年型でほぼ同じデザインだ。今回のマスタングは完全ノーマルと謳うが、唯一交換されているのがオーディオヘッドユニット。これは大目に見て欲しい…。
SPEC
全長×全幅×全高● 4615×1860×1390㎜ ホイールベース● 2570㎜ エンジン● V8 排気量● 5.0ℓ 最高出力● 215hp/4200rpm 最大トルク● 39.4㎏ -m/3400rpm トランスミッション●4AT
試乗SHOP:GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】
所在地/千葉県銚子市四日市場町238TEL/0479-25-7740
URL/https://www.garage-joker.com/
営業時間/10:00~19:00
定休日/火曜日
高品質なアメ車販売、本国仕入れのアメリカン雑貨でお馴染みのガレージジョーカー。車両展示&雑貨販売するショールーム、鈑金塗装・整備を行なう工場に分かれていたが、ショールームを工場に集約移転してリニューアル。雑貨が並ぶ店内はアメ車ショップであることを忘れさせる雰囲気。
写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン 2022年3月号掲載
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