-アメカルにまつわるエトセトラ- #21「憧れのタフガイ・スター」
#21「憧れのタフガイ・スター」
et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#21「憧れのタフガイ・スター」
ひとそれぞれ、いろいろなモノに対しての憧れ…ってあると思います。「憧れのクルマ」とか「憧れの職業」とか「憧れの女性」とか。そして私の場合、「憧れの男性像」を最初に感じたのが1970年代のハリウッドを代表するアクション俳優のバート・レイノルズでした。
初見は1978年の「グレートスタントマン(原題Hooper)」でした。当時、月の小遣いをほとんど自動車雑誌につぎ込むくらいのクルマ好きにはなっていた中学生の私でしたが、その次くらいのレベルで映画好きでもありました。しかし、ネットで手繰れば何でも分かる今と違って、当時の中学生が入手できる映画情報といえばテレビか少年雑誌。そんな状況で、なぜそれほどメジャーでもない「グレートスタントマン」という映画に行きついたか…というと、「ロケットを搭載したトランザムが数百メートルの谷を飛び越えた!」という雑誌の番宣記事に惹かれてのこと。かくして当時の私は、なけなしの小遣いを握りしめて映画館を訪れたのでした。目的だった谷越えのシーンは思ったほどでもなかったのですが、主人公を演じたバート・レイノルズのカッコ良さにシビれてしまったのです。
1936年生まれのレイノルズは、アメリカンフットボールで鍛えた体とヒゲで「タフガイ」として人気を確立。1970年代にはハリウッドの「セックスシンボル」などと呼ばれていました。レイノルズを一躍有名にしたのは、アメリカンフットボールを題材にした「ザ・ロンゲスト・ヤード」だと思いますが、日本では「トランザム7000」「キャノンボール」の方が良く知られているかもしれません。とにかく、日本人にも馴染みやすい浅黒い肌と余計なパンプアップをしていないリアル・スタイル、それでいて親しみやすいキャラクターのレイノルズは、思春期真っ只中だった当時の私の理想的なタフガイだったのです。
しかし、一時は「マネーメイキングスター」とまで呼ばれた彼でしたが1980年代後半から人気が低迷しはじめ、離婚や自己破産などハリウッドスターの凋落を絵に描いたような生活をしばらく送ります。その様は後にクエンティン・タランティーノが映画化した「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のモチーフになったともいわれています。そんなレイノルズでしたが、1997年の「ブギーナイツ」では、ポルノ映画の巨匠を見事に演じてアカデミー賞を受賞。その後は2018年に亡くなるまで演技派として活躍されました。
一挙一動が監視され、何事にもコンプライアンスが求められる現代。ある意味で古き良きハリウッドを体現したレイノルズのような役者…というより〝スターはもう現れないのかもなぁと思うと、一抹の寂しさを覚えずにはいられないのです。
アメ車マガジン 2021年 11月号掲載
最新記事
2024/11/21
【シェビーバンG20】子育て世代にはミニバン !?いやフルサイズ一択でしょ!
これまでアメ車を愛用してきた者たちがアメ車から離れるタイミングで比較的多いのが、子育てが始まった時。何不自由ない広々車内に加えて維持費も安い2Lクラスの国産ミニバンへと乗り換えるのがセオリー。でもフルサイズバンって選択肢も意外とアリ!?
2024/11/20
【ビッグバーンモータース】築き上げた知識と経験が信頼の証。
創業37年。アメ車に完全にシフトして30年になる埼玉のビッグバーンモータース。創業当時から整備に力を注ぎ、その長い知識と経験を頼りにするオーナーは数多い。
2024/11/19
アメ車好きの父の密かな夢、最愛の娘とのツーショット
16年前に当時11才だった愛娘と一緒にアメマガに登場したオーナーさん。娘が大人になってアメ車に乗り、もう一度一緒にアメマガに…。そんな夢を胸に秘めていたオーナーさんの夢が遂に実現。
2024/11/18
どんな車種でも装着するだけで、気ままなクルマ旅が楽しめる!【OVERLAND SPEC OUTDOORS ROOF TOP TENT】
オーストラリアに端を発し、アメリカや日本を初め、世界各地でユーザーが増加しつつある「オーバーランドスタイル」。様々なアメ車を販売するスカイオートでは、OSO製品を各種取り扱い中だ。