ライバル達が生産終了するなかエクスプレスは今も現役販売される
バン
シボレー
アメマガ2021年6月号
'カタチから入る'逸楽アメ車生活
エクスプレス
エクスプレス2500ロング
エクスプレス2500ロング エクスプローラーコンバージョン
埼玉県
ファントム
THE PICK UP TEST DRIVE
2017 Chevrolet Express 2500 LONG EXPLORER CONVERSION
“カタチから入る”逸楽アメ車生活
デカさこそ正義!4列9人乗りのコンバージョン
2017 Chevrolet Express 2500 LONG EXPLORER CONVERSION
アメ車の魅力の一つに挙げられるのが、広々とした大柄なボディサイズ。そのもっとも代表的なカテゴリーが、全長が6mを超えるフルサイズバンだ。一度乗ってしまえば、その開放感に魅了されるのは間違い。現在、アメ車で唯一ラインナップしている、シボレー・エクスプレスにロックオン!
ライバル達が生産終了するなかエクスプレスは今も現役販売される
誰もが口を揃えて言う「売れているアメ車」が存在しない昨今、各ショップは多様な車両を扱うか、何か特化した車両を扱うかに分かれている。埼玉県春日部市のファントムは、モデルバリエーションが豊富ということもあり、最新のGM系トラックや、フルサイズバンに特化した車種を展開する。
しかも、いずれもベーシックグレードではなく、「車両に付加価値を与える」という方針から特別なグレードを扱うのも特徴だ。
フルサイズバンは現在、各アメ車ブランドがあるなかで、GMのシボレー・エクスプレスとGMC・サバナのみが販売されている。
2014年にはフォードのEシリーズ(エコノライン)が消滅し、03年にはダッジ・ラムも消滅。唯一残されたエクスプレスも、2014年に一般的なサイズである1500モデルがカタログ落ちし、それ以後発売されているのは2500/3500だけとなっている。
コンバージョンメーカーがインテリアに豪華装備を施したコンバージョンモデルも多く設定され、ひと目でそれと分かるのがハイルーフ仕様だろう。
今回撮影したのは、2017年型エクスプレス・2500ロング・エクスプローラーコンバージョン。内装は圧巻の空間が広がり、他のクルマでは絶対に味わえない感覚を味わえる。どうせ乗るなら最高峰フルサイズバンを手に入れたい!
IMPRESSIONS 常に気になる6mオーバーの車体6Lエンジンは次第点か
どんなアメ車にも言えることだが、ボディサイズの大きさには慣れが必要。例え6mオーバーだったとしても…。とはいえ、このサイズを乗りこなすには、かなりの時間が必要と心得るべし。それをクリアできれば、日本一周も楽にできる最高のクルージングカーとなる。
ただ6Lエンジンには、もう1段階加速の機敏さが欲しいところ。決して力強さが無いわけではないが、1500の5.3Lと比べると加速が物足りない。だがこれは、2500のロングというボディを考慮すれば致し方ないか。急がず慌てず、堂々とのんびり走ることをオススメする。
無機質な純正インテリアにはない豪華装備のコンバージョンモデル
唯一現行販売されているエクスプレスのカテゴリーは商用バンとなり、インテリアは簡素な印象を受ける。それを一気に豪華仕様に変更しているのが、アメ車ではお馴染みのコンバージョンモデルだ。2500ロングボディにハイルーフコンバージョンは、まさに最強のフルサイズバンだ。
フルサイズバン最高峰の圧巻の豪華装備
2015年型から唯一のフルサイズバンとなったエクスプレスは、積載量を表す1500・2500・3500のうち、日本にも多く輸入されたショートサイズの1500が消滅したこともあり、それ以後パッセンジャーとして一般的に使われているのは2500だ。その2500にはスタンダードとロングのボディタイプがあり、全長で50cmほどの差がある。
15年型からは、グリルデザインやサイドウインカーのダクト形状が変わるなどの仕様変更がされているが、代表的なのは両側開閉のセカンドドアががなくなったこと。これは左側通行の日本では残念な改変だ。
通常のロングモデルでは乗員は15人だが、今回のエクスプレスはコンバージョンモデルのため、2+2+2+3人の9人乗りとなる。4列目はパワースライドのベッドにもなる、さらに長い小窓が備わるハイルーフ仕様であるため、車内の開放感は通常のロールーフとは比べ物にならない。
車内の装飾も通常モデルとは大きく違い、タンサイドウォール付きタンレザーシート、ハイグロスウッドアクセント、LED間接照明、リア29インチモニター、ロックフォードフォースゲートスピーカーなどが備わり、フルサイズバン最高峰のラグジュアリー仕様と言っても過言ではない。
この最高峰エクスプレスを、日本で在庫として展示しているのはファントムぐらいだろう。フルサイズバンで最高級モデルを手にしたいと考えているならば、間違いなくこの車両になる。
スタンダードエンジンは4.3L V6となるが、オプションの6.0L V8を搭載する。ミッションは6AT。ロックリアディファレンシャル機構が備わる。
通常モデルには装着していない、両サイドに電動格納式サイドステップが備わる。インテリアの豪華装備だけではなく、実用的な装備も充実している。
インパネ周辺はハイグロスウッドアクセントで装飾され、フロントシートはヒートシーターが備わる。インテリアの電飾スイッチなどが加わるのみで、通常モデルと基本的なデザインは同じだ。
ラグジュアリーカスタムコンバージョンであるエクスプローラー・リミテッド。全席タンサイドウォール付きタンレザーシートになり、2・3列目がキャプテンシート、4列目はパワースライドのベッドシート。
ハイルーフにはフルレングスオートモーティブサイドガラスが備わり、インテリアLED アクセント照明、リアサンルーフ、29インチTV モニター、ロックフォードフォズゲートのサラウンドスピーカーも設置されている。
SPEC
全長×全幅×全高:6188×2016×2387mm ホイールベース:3940mm エンジン:V8 排気量:6.0L 最高出力:342hp/5400rpm トランスミッション:6AT
ここに注目 他のフルサイズバンに乗りたいならこちらのモデルも人気だ!
シボレー・エクスプレスの名前が与えたれたのは96年登場モデルから。それまではシェビーバンと呼ばれていた(下写真・1988年型シェビーバン・トラベルバン)。今尚この独特なフェイスを崇拝するオーナーも多く、コンバージョンモデルは高い人気を誇る。上写真は、03年に新型フェイスに変わった後の05年型モデル。セカンドドアが両側開きになるなど、日本でも使いやすいモデルとしてこちらも人気は高い。
1971年登場という、長い歴史を持つダッジのフルサイズバンがダッジバン/ラムバンだ。1994年から丸みを帯びたデザインとなり、細かいデザインは変わりつつも最終型となる03年型までは基本同じだ。「この顔が好き」との声は多く、最終型の02・03年モデルは人気が高い。コンバージョンも存在するが、ノーマルタイプの方が中古市場では多く出回っている印象だ。
2003年のラムバンに続き、2014年にカタログ落ちしたE シリーズ(エコノライン)。上写真は最終型となる2008~2014年型のヘビーデューティフェイスを持つモデル(グレードXLT・カーゴバン)。それまではややインパクトに欠けたフェイスだっただけに、このフェイスになってEシリーズを手にするオーナーも多かった。というわけで、Eシリーズで高い人気を誇るのは08~14年のXLTグレードだ。
試乗SHOP:PHANTOM【ファントム】
所在地:埼玉県春日部市金崎656-1TEL:048-745-4446
URL:http://www.phantom.co.jp
営業時間:10:00~20:00
定休日:年中無休
埼玉県春日部市の国道16号沿いにあるファントム。エクスプレスやサバナの高年式モデルに加え、近年ではハイエースにもチカラを入れている。フルサイズバンのほかにもGM系トラックも多くそろえ、多様なグレード展開を行なっているのがポイントだ。豊富なパーツ販売も行なっているので、そちらも注目したい。
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載
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