ジープをこよなく愛したお父さんの愛車を守り続ける二代目ジープガイ

Jeep CJ3A-J4
Jeep 荒野の覇者 Go Anywhere,Do Anything
Jeepのルーツは軍用車だ。が、第二次大戦後、Jeepは軍用だけでなくシビリアンユースにもその目を向け始めた。その狭間にあったのが、ここで紹介する「CJ3A-J4」。お父さんが大のJeep好きだったという石田さんは、今もなお、お父さんの愛車を守り続けている。
ステンレスパーツに変更サビないビンテージジープ
Jeep CJ3A-J4
軍用からスタートして、第二次世界大戦後は、民間用としても開発され始めたJeep。その黎明期に登場したのがCJ2A、そして今回紹介するCJ3Aだ(CJ-1Aは試作車のみ)。 このCJ3A-J4(1958年に日本に通関)のオーナーは、石田仁彦さん。元の所有者は石田さんのお父様で、米軍の車両を自衛隊がレンタル、その車両を払い下げで手に入れたのだそう。ちなみにCJ3A-J3は、おなじみ、三菱ジープの初期モデル。J4は同じクルマだが、軍用に用いられた車両だ。
石田さんのお父様はすでに鬼籍に入られているが、相当のJeep好きだったらしく、まず、ご覧のように丸ごと、ステンレスボディに載せ換えられている。しかも当時、軍用とされたM38のようにローフード化もされている。「当時、フィリピンで〝ジプニー〟というモデルがあって、そのステンレスパーツを使っているんですね。もう、載せ換えて20年くらいたっていますが、外に保管していてもご覧のとおりですよ」 その他、エンジンを三菱ジープの名機・G54B型に載せ換えたり、幌を新調したり。今なお、快調な走りを見せてくれている。
まさに民間用Jeepの原点とも言えるJ4。お金では買えない貴重なJeepを、石田さんは守り続けているのだ。 CJ3Aの元のスタイルは、三菱ジープと同様だが、石田さんのお父様がオールステンレスボディにモディファイ。合わせてローフード化も行なっている。幌は後年、レストアしたもので、生地はホンダS2000のものと同じ。耐候性も高いのだ。
当時、フィリピンのメーカーがリリースしていた“ジプニー”のボディキットに載せ換え。すでに20年を経ているが、サビはもちろん、腐食もまったくない。三菱ジープのパーツはなくなりつつあるが、“J4”のパーツは世界でまだまだ手に入るという。
ステンレスはボディだけでなく、シートフレームやロールバー、ソフトトップのフレームなどにも使用。ソフトトップはオーダーメイドしたもので、最新の素材を用いて作成。ウィンドー部分も含め、紫外線に強い仕様だ。
エンジンは三菱ジープJ57に搭載されていた伝説の2.6Lガソリン、G54B型に載せ換え。タコ足からマフラーにかけ、排気系も4→2→1のオールステンレスに構成。トランスミッションは4速MT だが、オーバードライブも追加されている。
インパネ部分もステンレスだ。メーター類もほぼオリジナルでまとめているが、撮影に合わせてオートメーターを取り寄せていたそうだが間に合わなかった。ロールバーは直立しているのではなく、CJ-7などのように少しスラントした形状になっているのがこだわり。シートはフレームをステンレス化、表皮はオリジナル。ロールバーに着けたスピーカーは船舶用で濡れに強い。
サスペンションは日本のアフターパーツメーカー「モトレージ」のリーフスプリングに、FOXショックアブソーバーをプラス。若干、リフトアップしながら、乗り味はかなり快適、だそう。走りのバランスは現代的なのだ。
タイヤはBFグッドリッチM/T、31×10.5R15は、もちろんオリジナルサイズよりかなりファット。フェンダーもこのサイズのタイヤに合うよう、加工している。前輪にはフリーホイールハブを装備。初期Jeepでは、ホイールナットは右ネジと左ネジがあり、つまりタイヤの回転方向に対し緩みにくい仕組みとなっている。 石田仁彦さん(58)Kimihiko Ishida
お父様から受け継いだJeepを、自分も愛し続ける石田さん。ご本人は実は手練れのジェットスキーヤーだ。30年以上の経験を重ね、今は“ヴィンテージクラス”に参戦中。ちょっと古めのジェットスキーで戦うクラス。「クルマもジェットも古いほうが好きなんですよ」とのこと。
PHOTO★古閑章郎
TEXT★高坂義信
アメ車マガジン 2021年 5月号掲載
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