バイパー=コレクションズという図式を確立
毒蛇に魅せられて。
DODGE VIPER
DODGE VIPER
毒蛇に魅せられて。
対コルベットを掲げて1992年に投入された「ダッジ・バイパー」。そこから紆余曲折を経て第5世代まで綴ってきた系譜も2017年で終焉を迎えた。しかし、アメ車のなかでも超がいくつも付くほどに個性的なバイパー。
そんなクルマに、まさに取り憑かれてしまったと言っても過言ではないほど、力を注いでいるショップが「コレクションズ」。本多代表自らバイパーを所有して楽しんできたことで、今や専門店と言えるほどに。 アメリカを代表するスポーツカーと言えば「シボレー・コルベット」。1953年に市販されて以来、その系譜は現行モデルのC8にまで受け継がれ、あと数年で70年が経過する、歴史ある名車だ。
スポーツカーの分野においてはコルベットの独壇場という状況が続いたなかで、これに待ったを掛けるべくクライスラーが1992年に世に送り出したのが「ダッジ・バイパー」。毒蛇という名前が与えられるとともに対コルベットを堂々と掲げ、いざ市場に投入されればコルベットを上回るスペックを引っ提げてきた。そんなバイパーの初代モデルの市販が開始されたのは1992年。それから5世代に渡って生産されたが2017年に終焉。しかし、今ではプレミアが付くほどの希少価値。
コルベットでは存在した専門店も、バイパーでそれを謳うショップは聞いたことがない。だが、お邪魔したコレクションズはそう謳ってもおかしくないほど。写真からも分かると思うが、イベント時であればともかく、いちショップにここまでバイパーが並ぶ光景というのもこれまでの経験からしても初めて。
なぜコレクションズがここまでバイパーに力を注いでいるかと言うと、その答えは単純明快で、代表である本多氏がバイパーに魅了されてしまったから。扱い出した当初は販売する名目で仕入れたものの、その独特過ぎる風貌、存在感に触発されて自身で乗り出すと、アメ車でレースを行なっていた人たちから声が掛かるようになり、そこからは走らせることでバイパーの魅力を伝え出すとそれが次第に伝わり販売はもちろんのこと、カスタムやメンテナンスの依頼が増えるようになったことで、現在では全国から問い合わせが来るほど〝バイパー=コレクションズ〟という図式が確立。
また、これほどのパフォーマンスを有するモデルだけを街中で乗るだけではもったいない、いわゆる宝の持ち腐れってことで、コレクションズでは愛車のパフォーマンスをオーナーに体験してもらうために「AUTO‐X(オートクロス)」を開催している。
オートクロスは、モータースポーツ未経験者から熟練者まで、すべてのアメ車好きがもっとアメ車を好きになってもらうための走行会で、広い場所にパイロンでコースを作り、そのコースを2周回ってタイムを競うというもの。これだけ聞くとレースだと思い、何だか敷居が高いように思えるが、タイム計測はあくまで指標で、主旨はクルマの基本である〝走る〝曲がる〝止まる〟を実際に体感しながら愛車の性能を感じ取り、クルマの運転をさらに楽しむことにある。
一般道では愛車の限界を知ることは難しい。もし行なおうものなら免許をはく奪されてしまうだろう。しかし、貸し切った場所であれば、思いっきりアクセル踏んだり、フルブレーキしてみたり、ハンドル思いっきり切ってテールスライドさせることだって可能。そこで愛車の挙動や限界を体感すれば、大事にしている愛車を潰してしまう可能性を下げることにも繋がるだけでなく、日頃のストレスも吹き飛ぶことだろう。
ひとまず今はコロナ禍ということで開催を持ち越している状態だが、この状況が落ち着いた頃には開催のアナウンスがなされると思うので、その際は本誌もしくは公式SNSでもお伝えしよう。筆者も愛車のタホで限界を味わってみようかな!
2016 DODGE VIPER ACR
オレンジをベースにブラックのラインを施した2016年型ACRエクストリームパッケージ。645hpを出力する8.4L V10エンジンを搭載する同モデルを自社で輸入。エクステリアにはエクストリームエアロパッケージを装着するとともにACR専用サスペンション、ACR専用ブレーキ(F:6、R:4ポットキャリパー&カーボンローター)を装備。走行距離は1.3万km。
2016 DODGE VIPER ACR
こちらもオレンジカラーと同じ2016年型ACRエクストリームパッケージだが、ボディカラーはパープル(プラムクレイジー)で、センターにブラックのラインが施されて、怪しさ満点といった雰囲気を漂わしている。ちなみにACRは"American Club Racer"の略で、メーカー直系のチューニングブランド。とにかくこのままレースに出場しても不思議ではない出で立ちがACRの真骨頂。
2000 DODGE VIPER GTS
第2世代となる2000年型のGTS。こちらは正規ディーラーモデルで、走行距離は3.6万km。純正の18インチポリッシュアルミホイールを装着し、マフラーはセンター出しのデュアルタイプがあしらわれている。
1995 DODGE VIPER RT/10
今となってはなかなか目にすることができない第1世代の1995年型RT/10。このモデルイヤーにして走行距離はわずか2.2万km。各世代を体感してきた本多代表も「自身の愛車として最後は初代で締めくくりたい」と語る。
COLLECTIONS "EXOTIC CAR SUPERSTORE" CUSTOM & PERFORMANCE
TEL:042-765-8558HP:https://www.collections.co.jp
PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2021年 4月号掲載
最新記事
2024/12/03
アメ車&ドイツ車を専門に扱う日本有数の解体ショップ【T&K インターナショナル】
MAINTENANCE of AMERICAN CARS
解体屋ならではの迅速な対応でアメ車乗りをサポート
2024/12/02
激レア!フルウィンドーのダッジスポーツマンの愛らしさ
いつかはウェストサイドなローライダー!そんなイメージを抱きがちなDJではあるが、本国では意外とそうでもなかったりする。現地で見たリアリティ溢れるカーカルチャーを、日本でサラッとこなすナイスガイを直撃!
2024/11/29
【ファニーガレージ】クルマ全般に精通しており、頼れるアニキのような存在!
自動車メーカーやアメ車専門店など、様々な経歴を持つファニーガレージ代表の森 博章さん。アメ車専門ではないが、常にユーザーに寄り添ってくれる、真のモータースと呼ぶのが相応しいお店だ。
2024/11/28
【GMCラリーSTX】真鍮&ウォールナットとGMCラリーのコントラストが映える
モノ選びは直感。既製品で存在しない物は作ってでも納得のいくモノを愛用したい。そんなこだわりの強いオーナーに好まれるビンテージバン。飾り過ぎはナンセンス。ありのままを受け入れる余裕が魅せる“濃い目のバンライフ”。