ドラッグ用に徹底的にカスタマイズを施したエルカミーノ

ピックアップトラック

ビンテージ

シボレー

東海カーズ

アメマガ2021年2月号

エルカミーノ

愛知県

DRUGSTAR
1967 Chevrolet El Camino


DRUGSTAR 1967 Chevrolet El Camino

ドラスリを積み込み現地で履き替える、まさにゼロヨンを楽しむためのマシン

ビンテージアメリカンの中で、ややゆる?いイメージを持つエルカミーノ。いわゆる雰囲気重視のクルマに思われがちだが、2ドアピックアップという独特なボディ形状を最大限活用し、ドラッグマシン用に様々なモディファイを施す。

縁あって現在は東海カーズで大切に管理されている羊の皮を被ったエルカミ

「クルマは眺めるものでなく乗るもの! ビンテージカーでも、クルマはガンガン走らせてナンボでしょ!」と常に謳い続ける東海カーズ。マッスルカーを数多くラインナップするが、今回は誰もが認めるマッスルカーとは少々毛色が異なり、化け物じみた加速を誇る在庫車両のエルカミーノを紹介。

DRUGSTAR 1967 Chevrolet El Camino DRUGSTAR 1967 Chevrolet El Camino

正直言ってエルカミーノは、商用車カテゴリーに属するクルマ。日本車で言うところのサニトラの様なものだが、そのボディ形状に惚れ、ドラッグ用に徹底的にカスタマイズを施したのがこの車両。


元々アメリカでワンオーナーだったこの個体を前オーナーが輸入したのは随分と前のこと。「ドラスリタイヤをベッドに積み込み自走でサーキットに行き、全開でドラッグレースに参加。終わったら自走で帰ってくる」というスタイルを貫いたのは、愛知県に住むKさん。


数々のドラッグレースで優勝を重ね、セントラルサーキットで開催されたJDDAのレースでは、なんと11.075秒をマーク。最新モデルならいざ知らず、半世紀前のクルマでここまで叩き出すのは驚異的だが、それを成し得たのは独自のチューニング方法。パッと見た感じは至って普通で、エンジンルームを見ても市販品を組み合わせた様に見えるが、中身は徹底的に手が加えられている。ピストンはマーレーでコンロッド&クランクはクロアに特注で製作を依頼。


エンジン本体は350だがボアアップを実施しており、レーシングカーでもなかなかお目にかかれないT&D製のシャフトロッカーアームに変更。もちろんメカローラーリフターやバルブスプリングも強化してあり、パワーユニットに関しては手が入っていないところは皆無と言える。 車内を見ると、大型のオートメーターをステアリング真正面に配置。速度よりも回転数を重視しており、シフターの向きも操作性を最優先。意外にもシートはノーマルで、あくまでもスタイリングはノーマル風に留めており、まさに羊の皮を被った狼そのもの。こんな商用車でスポーツカーをブチ抜くのは、さぞ痛快だろう。

_N6I3760 _N6I3780 _N6I3774 _N6I3765 _N6I3933 _N6I3842 _N6I3833

ヘッドやキャブはBRODXIに変更するが、そのままではフードから飛び出すので取り付け面を切削して装着するなど、自然なスタイリングにこだわる。フロントバンパーの左奥にはオイルクーラーを追加。裏側には電動ファンも備わる。ハイカムを組むと負圧が発生しなくなりブレーキブースターが効かなくなるので、コンプレッサーで強制的に負圧を発生。燃圧の管理はシビアで、リアバンパーの奥には大容量の燃料ポンプを備える。

ショックはビルシュタイン

ショックはビルシュタインに変更。エアリフターやドラッグリンクと言った、ドラッグレースには欠かせないアイテムもしっかりセット。テープに残された数字によると3.730のファイナルギアを組む。

_N6I3869 _N6I3901 _N6I3875 _N6I3884 _N6I3890

4点式シートベルトは装備するが意外にもシートはノーマルのまま。ドラッグレースの場合、横方向へGは掛からないのでこれで良いということか。メーターパネルもアルミで作り直し、質素だが機能性を最優先する。


撮影協力:東海カーズ

TEL:0533-86-8890
PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2021年 2月号掲載

関連記事

RELATED


69年モデルのカマロに「和」のイメージを得意とする遊鷹さんのグラフィックを施した

1969 Chevrolet Camaro

69年モデルのカマロにエスパイさんのグラフティを施し独特なオーラを放つ

1969 Chevrolet Camaro

やっぱりカマロが大好き!その中でも69カマロが1番かな?

アメ車専門店の中でも、とくにビンテージを豊富に取り揃える東海カーズ。代表の細井さんはプライベートでも複数台所有するほどカマロが大好き。なので今回も、今まで紹介していない個体の登場だ。

カジュアルか、アダルトな路線か、カーズなら欲しいクルマがある!【東海カーズ】

色々なアメ車を乗り尽くした人も、これからアメ車に乗ろうと思う人も、やっぱり気になるのは現代車にはない味があるビンテージアメリカン。でも、比べられるほど台数はないし、お気に入りのクルマを待っているうちに価格は絶賛高騰中!でも愛知の東海カーズなら驚くほど多くの在庫があるので、見比べて選ぶことが可能だ!

どっちのスタイルがお好み?もちろんベルエアのことですよ!

50年代を代表するアメ車と言えば? もちろん人それぞれ答えは異なるが、多くの人がベルエアの名前を出すに違いない。歴代モデルの中でも特に第一世代は曲線を多用しており、可愛らしくもある。

 

最新記事


2025/03/31

究極の高速オフロード性能とパフォーマンスを実現した「グラディエーター・モハベ」

SUV

ジープ

アメリカ文化を象徴するモデルであるピックアップトラック。その系譜は脈々と受け継がれ、最新モデルの進化の度合は凄まじいなか、オートギャラリー東京にジープ・グラディエーターが入庫。しかも砂漠やダート走行に特化した「MOJAVE(モハベ)」だ。

2025/03/29

【シボレー タホ】バンに乗りたかったのが一変、SUVを選択してカスタム

SUV

シボレー

アメ車に乗りたいと思うキッカケとしてはいくつかあるが、映画を見て影響を受けたという人は多い。紹介するタホのオーナーさんもそう。当初は劇中で使用されているバンにこころを奪われていたものの、SUVの良さにも惹かれてタホをセレクト。

2025/03/28

GMT400ラバーズが集う宴も2024年で10周年!【第10回全国C/K15祭り in 富士】

イベントレポート

シボレー&GMCのC/Kシリーズの中でも、GMT400プラットフォームベースの4thジェネレーション愛好家で構成される「シェビーC/K15オールドフェイスクラブ」による、毎年恒例の全国祭りが2024年も開催された!

2025/03/26

本国ドリフトシーンのトレンドを5世代目のマスタングでアレンジ!

クーペ

フォード

ホイール

ドリフトシーンのトレンドホイールであるRTRを第5世代マスタングにセットアップ!ネオクラシック×ドリフトスタイルで魅せる斬新なスタイリングに迫る!

ランキング


2025/03/31

究極の高速オフロード性能とパフォーマンスを実現した「グラディエーター・モハベ」

SUV

ジープ

アメリカ文化を象徴するモデルであるピックアップトラック。その系譜は脈々と受け継がれ、最新モデルの進化の度合は凄まじいなか、オートギャラリー東京にジープ・グラディエーターが入庫。しかも砂漠やダート走行に特化した「MOJAVE(モハベ)」だ。

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2018/11/20

映画『アメリカングラフィティー』の劇中車として、世界一有名なデュース・クーペ をオマージュ

ビンテージ

フォード

STREET ROD ECSTASY
1932 Ford 5 window