ダッジバイパーは、ダッジブランドの中でも一際“ 癖の強い個性派”として君臨する
DODGE VIPER
DODGE VIPER LOVERS ダッジ・バイパーを愛する者たち
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唯我独尊の毒蛇!マッスルカーやスーパーカーに近しくも別物
ダッジブランドの中でも一際“ 癖の強い個性派”として君臨する、アメリカンスーパースポーツシーンの大本命「バイパー」。フォードGTやサリーンS7Rがライバルとも例えられる、走りに対して官能的かつストイックな姿勢は、一度ハマると病みつきになる中毒性があるのでは?と感じる程に、一部マニアの間では熱狂的なファンが定着している。今回はそのマニアなオーナーたちから、改めてバイパーの魅力について話を伺ってきた。
2000 DODGE VIPER GTS 公道を走るレースカーのごとくVENOMサウンドを轟かせる!
集まった4台の中でもっともレーシーな仕立てとなるのがまっちーさん所有のヴェノム600R改。ヴェノムのエンジンやタコ足の換装、足回り一式をレース仕様に変更しており、その存在感とサウンドたるや公道を走るレースカー。まっちーさんが初めてアメ車に乗ったのは今から25年前。
バラクーダ340を皮切りに、カプリスクラシックワゴン、バイパーRT‐10、シェビーバン、キャデラックにトランザムと多彩なジャンルを網羅。アメ車のみならずジャガーやベントレー、ベンツに国産旧車、船など様々な乗り物に魅せられて、人生を謳歌してきた。人それぞれクルマとの向き合い方は様々だが、彼の場合、愛車は衣装というか鎧を纏う感覚に近いと話しており、その人となりを表現する上で特別な物だと語る。
ちなみに20代の頃に愛用していたRT‐10が赤で、現愛車とリンクさせている点も揺るぎないものがあり、そのこだわりが歳を追うごとに研ぎ澄まされて明確化された集大成なるモノが現愛車だ。
快適な乗り心地など追い求めず、ただストイックにレース仕様へと一直線な仕立ては潔くて文句なしに目を惹きつけるだけの魅力を放っており、602hpを誇るヴェノムのサウンドを余すことなく堪能できる様に創意工夫を凝らして、シートやハンドル、メーターまで自身が納得できるもののみを厳選。
様々なクルマを乗り継いだからこそ可能となる、的を獲たカスタムとはまさにこのことであり、一寸の隙すら与えない姿勢はフェラーリですら怖気づくに違いない。
ジョン・ヘネシーが手掛けたヴェノム600R用エンジンを搭載しており、602hpのハイパフォーマンスを誇るバイパーはおそらく世界に一台のプレミアムかつスペシャルな一台。赤にシルバーのレーシングストライプが映えるフロントスポイラーとリアウィングはSRDのワンオフ仕様となる。
インテリアは一言でいうとストイック! MOMOステアリングにBLIZのフルバケットシート、赤いSIMPSONのシートベルトなど、雰囲気はレースカーそのもの。中途半端に快適性や乗り心地を考慮すると魅力が損なわれてしまう。レーシー一直線と決めたらとことん突き詰めるからこそ潔い。
OWNER : MACCHI
2005 VIPER SRT-10 VCA Edition ロードスターがアイコンとなる第三世代はフルオリジナルにこだわる!
2003年から2007年モデルまでの第三世代において、当初はフルオープンのロードスターのみリリースされていたのは記憶に新しい。2006年にSRT‐10クーペが登場するも、現存する個体の多くはロードスターであり第三世代と言えばロードスターがアイコンとなる。
また、日本人デザイナー鹿戸治氏がデザインに携わったと言われており、以前のモデルや第四世代以降のモデルに比べて全体的なフォルムが洗練された印象に。特に真横から見た時のバランス感はウエストラインが高く、シェルビーコブラを彷彿させる絶妙なシルエットも特筆物だ。
そんな第三世代のバイパーSRT‐10に魅せられ、昨年初のアメ車として愛車に迎え入れたのが紹介するDAIKIさん。余談ではあるが、鍛え抜かれた肉体美と黄色いバイパーの組み合わせがアメリカ空軍に所属する兵士の休日の様で、実に絵になる。
また、特別手を加えることなくフルオリジナルにこだわる点も特筆物で、バイパーのロードスターというキャラクターが既に完成形であり、そこを変に崩して乗るのは違うかなと、わきまえている点も実に好印象。 噂によると五世代あるバイパーの中でもっとも扱いやすいとされる第三世代。何不自由なくこなせる柔軟性を持ちながら、年々希少価値が高まりレアモデルな代物を、あえて日常の足としてフルオリジナルでサラッと乗りこなす姿はまさに男の浪漫!まだ乗り始めて1年。これから様々なイベントでお目にかかれることだろう。
510hpを弾き出し、最大トルク525lb-ftを発生させる8.3ℓ V10エンジンを搭載。街中からハイウェイの巡航まで終始余裕をもって楽しめる点も第三世代の魅力。イエロー基調に黒のコントラストが洗練されたフォルムの第三世代を絶妙に際立たせる。
コックピットに備え付けられた縦配列の4連メーターがドライバーをその気にさせるインテリア。6速マニュアルはゲートが明確で分かりやすく、操作性も上々。そしてなにより、スパルタンなシフト周りの印象とは裏腹に、スムーズなシフトチェンジと走りを堪能できることが特筆物。
OWNER : DAIKI
2009 DODGE VIPER SRT-10 ACR ほかでは決して味わうことのできない、大人の危ないオモチャ!
ダッジオンリーミーティングやチャージャーオンリーミーティングなど、ダッジが関係するイベントで度々お会いする琵琶湖太郎さん。顔出しはNGだが、現在所有する車両は2019年型チャレンジャーR/Tスキャットパック、2015年型チャージャーSXT、そして撮影車両の2009年型のバイパーACRの計3台のダッジを所有するマニアだ。 過去には2015年型チャージャー・ヘルキャットやカマロZL1、グランドチェロキーのSRT‐8も乗り継いでおり、ハイパフォーマンスなアメ車事情には人一倍詳しい。
どれも数年乗って乗り換えるパターンが多いなか、所有歴6年となるお気に入りが2009年型バイパーACRだ。その特徴的なカラーリングは世界的に見ても珍しく、現在世界に一台とも噂される希少価値の高い特別仕様車で、K&NパワーフィルターにJ‐EOLFワンオフマフラー、カーボンサイドスカートやインテリア総張り替えなどの手が加わる。
ACRはSRT‐10をベースに超スパルタンなサーキット仕様へ仕立てたモデルとして、サーキット用の足回り、徹底した軽量化を施しつつ大きなリアウィングやボディエンドプレートが特徴であり、最大出力600hpにして最大トルク77.5kg‐mを発生。0‐96km/h加速は4秒を切る世界トップレベルの圧倒的なパフォーマンスを誇る。
もはや公道走行を諦めたレースカーのごとくスパルタンな仕立ては極めてデンジャー。ある意味選ばれし者だけに許された〝大人の危ないオモチャ〟と言える。
搭載されるエンジンはガソリンエンジン車では最大となる8.4ℓ V10 OHV。もはや過剰スペックとはこのことで、街中からハイウェイまで2000回転付近で足りるレベルだ。リアウィングの設計改良やエアロダイナミクスの向上、レーシーなサスペンションでストイックに拍車をかける。
黒基調のオリジナルインテリアにイエロー&ブラックのアルカンターラ生地を使って総張り替えを済ませたインテリア。センターコンソールまで贅沢にあしらわれたアルカンターラは、スパルタンなコックピットにプレミアムかつ洗練された印象をプラス。
OWNER : TARO BIWAKO
2014 DODGE VIPER GTS 中学生の頃から憧れ続けていた夢のバイパーを4年前に購入!
ダッジバイパーの名を改め、SRTバイパーとしてリリースされた第五世代(2015年から再びダッジに変更)。ドアはアルミ製へ、ボンネット、ルーフ、リアゲートにはカーボン素材を使うなどして約45kgの軽量化を実現。さらに前後重量配分まで緻密に計算されており、ドライバー乗車時に前後の重量配分をほぼ50対50になる様に設計するなどの進化を遂げた。
またシャシーのねじれ剛性は50%向上しており、パワーステアリングの味付けも相まってハンドリング性は抜群。素直で反発力のある扱いやすさはサーキット走行も意のままに操れるレベル。ビルシュタイン製の可変式ショックアブソーバーが標準で装備されており、ある意味GTSはストックのままサーキットデビューしても、十分に楽しめるレベルのクルマだ。
4年前から愛用するすーさんは中学生の頃からバイパーに恋焦がれてきたファンで、各世代それぞれのバイパーに惹かれつつも、購入時に存在した最新モデルである第五世代をチョイス。期待通り、いやそれ以上の圧倒的パフォーマンスに長年憧れを抱いたクルマの魅力を目の当たりにした。
5世代目もエンジンには8.4ℓ V10 OHVが搭載される。ブロックとヘッドはアルミ製で640hpを発生する。OHV既存ユニットの正常進化と捉えて良いだろう。OHV独特のフィーリングはDOHCとはまた異なる味わい深さがある。
エクステリア同様に赤基調となるレザーインテリア。レーシーな装いでサーキット志向の強いバイパーパッケージとは異なる、GTSならではの洗練された上質さを併せ持つ内装となり、8.4インチマルチメディアスクリーンと小さなデータディスプレイが並ぶ近代的なデザインが採用される。
OWNER : SU-
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 10月号掲載
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