次世代オフローダー新型フォードブロンコ、本格オフローダーへ原点回帰
ALL NEW MODEL
2021 FORD BRONCO
ALL NEW MODEL 2021 FORD BRONCO
2ドア/4ドア/スポーツで構成するブロンコファミリー
往年の名車が続々と復刻していくアメ車業界にあって、新モデルの公開に大きな期待が集まっていたのが、フォード・ブロンコだ。実に24年ぶりの復活で、6世代目となる新モデルは、初代アーリーブロンコのデザインをモチーフにした次世代の本格オフローダーとなり、初の4ドアモデルを設定するなど、大きな変貌を遂げた。フォードは、ブロンコを新たなブランドとして展開するビジョンを描く。ブロンコファミリーは今後も増え続けていく予感。
蘇ったブロンコは期待を超越する秀作か!?
まさか、ここまでワイルドに仕上げてくるとは!2020年に入り、フォードの本拠地であるミシガン州ディアボーンで撮影されたと思われる、カモフラージュなしの新型ブロンコの姿。「どうやら、初代を超える本格的なオフローダーへ原点回帰するのでは?」という話が業界内に広がった。さらに、米時間7月6日には、13日のワールドプレミア確定したとの報告と同時に、3台のシルエットが公開された。そのうちの1モデル、2ドア車のドアがないことへの期待が膨らんだ。
そして13日、公開された動画では、まず登場したのが96年8月登場の初代ブロンコが荒野を走る様子。馬の群れの中で、新型ブロンコへと変異した。80年代から96年まで続いた、Fシリーズをベースとした2ドア大型SUVという歴史を一気に飛び越えたのだ。
新型のフロントマスクは、初代イメージで丸目2灯式だが、横いちに貫く直線的なデザインテイストが未来感を演出する。そして「やはり、ドアがない!」。ブロンコの証明でもある2ドア車、さらにJEEPラングラーを強く意識したと考えられる4ドア車で、ルーフが分割取り外し型となるだけではなく、フレームレスのドアを採用し、ルーフもドアも車体のリアラゲッジスペースにすっぽりと収まっているではないか!
しかも、ネバダ州かニューメキシコ州、さらには米ダートレースの聖地であるメキシコ・バハカリフォルニアで撮影されたと思われる、巨大な岩場から、路面凹凸の激しい荒野での高速走行など、異次元の走りを披露している。キャッチコピーは、「ビルト・ワイルド」だ。
主力は2ドア&4ドアスポーツはライトSUV
グレードは、「ベース」「ビッグベンド」「ブラックダイヤモンド」「アウターバンクス」「バッドランド」「ワイルドトラック」、そして新型導入の特別仕様車「ファーストエディション」の7つ。ディーラーオプションは200種類以上と抱負だ。アメリカ現地での価格は、2万8500ドル~5万9305ドル(305万円~635万円)。ボディ寸法はベースの場合、2ドア車が、全長4412mm×全幅1928mm×全高1826mm、ホイールベース2550mm。4ドア車が、全長4811mm×全幅1928mm×全高1854mm。ホイールベース2949mm。 エンジンは、スタンダードの2.3ℓターボエコブースト(270馬力)、オプションの2.7ℓターボエコブースト(310馬力)の2種類。変速機は、ロッククライミングなどの超低速走行での超ローギアを含む7速MTと10速ATがあり、7速MTは2.3ℓエンジンとの組み合わせ。
最低地上高は、このクラスとしてメーカー標準初設定となる35インチタイヤ装着の場合、29.5cm。同じく35インチタイヤでは、アプロ―チアングル43.2度、ブレークオーバーアングル29度、デパ―チャーアングル37.2度、さらに深水走行可能高さは85cmという、ワイルドな本格的オフローダーである。
注目される走りだが、基準となっているのは、過酷なバハレースのトップカテゴリーであるトロフィートラックからの技術の移植だ。車体のベースは、ミッドサイズピックアップトラックのレンジャーと同じラダーフレーム。そこに、前後コイルスプリングと独ビルシュタイン製サス。サスペンショントラベルは、JEEPラングラーなど競合車と比べて17%増。四駆システムは、2速電子シフト・オンザフライトランスファーケースが標準で、オプションとしてDana製44AdvanTEKリアアクスルと、前輪のデフにSpicer製PerfomaTraKを採用した。
車内では、走行条件での走りの最適化を行うトレインコントロールとして、「G・O・A・T」を採用。ノーマル、エコ、スポーツ、スリッピアー、サンド、Baja、Mud/Rutsの7モードの設定がある。ロッククライミングでの超低速走行では、MTではクライマーギアレシオ94.75:1、ATでは67.8:1のクロールレシオを設定。トルクベクタリング機能で最小の回転半径を保つ。
また、サスペンショントラベルをさらに高めるため、セミアクティブハイドロリックスタビライザーが脱却可能という機能が凄い。通常走行になると自動的にスタビライザーが復元する。こうした走行シーンを楽しむため、カーナビ画面で1000に及ぶ悪路(トレイル)マップ機能を備える。
2ドア車、4ドア車と比べると、車体は別物のブロンコスポーツは街乗りベースで、オフロードを気軽を楽しむSUVだ。エンジンは、1.5ℓターボエコブースト(181馬力)と2.0ℓターボエコブースト(245馬力)でそれぞれ8速ATを採用する。
こうした、多様なラインアップを組んだ、ブロンコファミリー。フォードの狙いとはズバリ、JEEPに対応する新たなるブランド戦略である。ブロンコはモデル名称ではなく、フォードの新しいブランドなのだ。
いまや、SUVはアメリカのみならず世界市場で戦国時代へと突入。その中で、本格派をメイン商品とするオフロードブランド市場の成長が顕著だ。
フォードとしては、リンカーンに次ぐ第三のブランドとして、ブロンコの長期ビジョンを描いている。となれば当然、ブロンコブランドのさらなる多モデル化に期待がかかるところだ。
ブロンコ史上初の4ドアモデル FORD BRONCO 4door
1966年から登場した初代ブロンコのデザインをモチーフにし、歴代ブロンコでは初となる4ドアモデルを設定。意識するのはJEEP ラングラー・アンリミテッドで、全長4811mmのブロンコ4ドアに対し、JLラングラー・アンリミテッドは4870mm。前後左右ドア、センタールーフパネル、およびリアセクションの取り外し可能なルーフセクションがある。4ドアのスタンダードはソフトトップだが、ハードトップやコンビタイプも選択できる。標準で35インチタイヤを装着。インパネは初代ブロンコをイメージしたデザインで、視認性や機能的な部分はもちろん、パネル素材までアウトドアに特化した仕様となっている。
7速MT
10速AT
【SPEC:ブロンコ・4door】
●全長×全幅×全高4811×1928×1854mm ●ホイールベース:2949mm ●エンジン種類:2.3ℓ直4ターボエコブースト ●最高出力:270hp ●最大トルク:42.8kg-m ●エンジン種類:2.7ℓV6 ターボエコブースト ●最高出力:310hp ●最大トルク:55.3kg-m ●トランスミッション:7MT/10AT ●乗員:5人
現代に蘇る“ アーリーブロンコ” FORD BRONCO 2door
1966年から発売されたファースト・ジェネレーションモデルをアーリーブロンコと呼ぶが、新型ブロンコ2ドアは、まさに現代に復刻させたアーリーブロンコといえる。ボディサイズこそ初代型(3863mm)よりも拡大され全長は4412mmとなり、ライバルとなる2ドアのJLラングラー(全長4320mm)よりは大きい。4ドアと同様にルーフ・ドア・リアセクションの取り外しが容易に可能となっている。サスペンションや7種類のドライブモードといった、オフロードシステムは4ドアと共通。
【SPEC:ブロンコ・2door】
●全長×全幅×全高4412×1928×1826mm ●ホイールベース:2550mm ●エンジン種類:2.3ℓ直4ターボエコブースト ●最高出力:270hp ●最大トルク:42.8kg-m ●エンジン種類:2.7ℓV6 ターボエコブースト ●最高出力:310hp ●最大トルク:55.3kg-m ●トランスミッション:7MT/10AT ●乗員:5人
アウトドアレジャー仕様のコンパクトSUV FORD BRONCO SPORT
ブロンコ2ドア/4ドアが本格オフローダーカテゴリーであるのに対し、ブロンコファミリーの中で一番コンパクトで、ライトオフローダーなのがブロンコ・スポーツだ。グレードは5種類。トップグレードでは、ブロンコの名を掲げるだけにオフロード性能は高く、ツインクラッチリアドライブユニットや最大7つの走行モードによって悪路でも十分走行は可能。アウトドアでの利便性を考慮した装備が多く追加しているのが特徴で、ラバーフローリング、アウトドアギアをぶら下げるMOLLEストラップ、シートバックポケット、400Wパワーインバーター、リフトゲートには広範囲を照らすLEDフラッドランプに加え、栓抜きまで備わる。さらに「バイク」や「スノー」といった4つのテーマに合わせて、100を超えるアフターマーケットアクセサリーがディーラーで用意されている。
【SPEC:ブロンコ・スポーツ】
●全長×全幅×全高4387×1887×1814mm ●ホイールベース:2670mm ●エンジン種類:1.5ℓ直3ターボエコブースト ●最高出力:181hp/6000rpm ●最大トルク:26.3kg-m/3000rpm ●エンジン種類:2.0ℓ直4ターボエコブースト ●最高出力:245hp/5500rpm ●最大トルク:38.0kg-m/3000rpm ●トランスミッション:8AT ●乗員:5人
■ TEXT/桃田健史
アメ車マガジン 2020年 10月号掲載
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