多少仕様は違っても黄色のシボレーC-10を好む同志として急接近

ピックアップトラック

シボレー

アメマガ2020年5月号

C-10

アメ車と一緒に素敵なアメリカンライフ

1969 CHEVROLET C-10
1972 CHEVROLET C-10

これが俺たちのAmerican Life アメ車と一緒に素敵なアメリカンライフ


1969 CHEVROLET C-10 / 1972 CHEVROLET C-10

32歳で渡米して感銘を受けたジャンキーなライフスタイルに憧れて…

「若いお姉ちゃんを隣に乗せて走ってたやろ?」と身に覚えのない連絡が多くなったFukushima氏。一方「トレーラーハウスがご自宅ですか?」と頻繁に尋ねられるOkada氏。黄色いC-10が引き起こした“ 世にも奇妙な物語”の真相と、魅力溢れるトレーラーライフに迫る!

奈良県でトレーラーライフを楽しむFukushima氏と同じく奈良県で黄色いC-10を乗り回すOkada氏二人の世にも奇妙な物語

奈良県桜井市の国道から一本道を逸れた川沿いに、突如現れるトラベルトレーラー。そしてそのトレーラーを囲む様に無造作に並ぶ歴代C‐10たち。まるでそこだけ国境が異なるかの様なアメリカ色に染まった空間は、知る人ぞ知る巷で有名なスポットと化していた。話を伺うと、住人のFukushima氏は根っからのフルサイズトラックフリークで、20代の頃に初めて手に入れた91年型C‐1500のレギュラーキャブを皮切りに、20台以上トラックばかりを乗り継いできた達人。


また、トラックがキッカケでクルマのみならずカルチャーにまで興味を抱き、32歳の時には語学留学を兼ねてロスで過ごすなど、まさにライフスタイルそのものがアメリカ! トレーラーハウスを借り住まいとするスタイルは、語学留学中に見た無造作に路上にトラベルトレーラーを停めてジャンキーな人たちが生活している姿に、ある種の憧れを抱いたから。とはいってもここは日本。宅地用の土地として購入しており、決して無断で空地を占拠しているわけではない。


いずれは戸建てを立てる目標を持ちつつも、繋ぎとしてプレハブ小屋を建てるくらいならロスの路上で見たあのスタイルを再現した方が面白いのではと、本国で2017年モデルの新車を購入して日本へ個人輸入。そんな仮暮らしのアリエッティならぬ仮暮らしのアウトローの家に黄色いC‐10に乗って突撃訪問したのがOkada氏。お互いに愛車を見て即座に「世にも奇妙な物語」の謎が解けた。

1969 CHEVROLET C-10 1972 CHEVROLET C-10

近所の弁当屋で頻繁に見かけたC‐10はトラベルトレーラー住まいのFukushima氏。そして若いお姉ちゃんを乗せて各地に出没していたのがOkada氏である。その目撃情報が誤報となり、2人を悩ませていたのだ。しかし不思議なもので、年齢差はあっても偶然にもモデルイヤーの近い黄色のC‐10に乗り、数㎞圏内の距離感で生活をしていただけあって、初対面から意気投合。良く見ると69年と72年とではグリルが異なるし、同モデルながら長さも異なる。


ましてショーカースタイルと、オリジナル重視のスタイルなので並べてみるとその差は歴然。だが、街中でふいに見かけると黄色×白のツートンボディのC‐10なんて滅多に被らないので、見間違うのも無理はない。多少アメ車に詳しい人ならまだしも、一般的な観点から言うとそっくりさんなわけだ。 この突撃訪問以来Okada氏は度々Fukushima邸を訪れ、時には達人から「69年型のワイパーはメッキが正解やで!」とアドバイスを受けるなど、より一層ディープな世界へと足を踏み入れていくのだ。

1969 CHEVROLET C-10

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ビレットスペシャリティーズのホイールにアキュエアーサスペンションのスラムドスタイルで、GMパフォーマンスパーツがリリースするZZ4エンジンに換装。安定したアイドリングと低速トルクで、見た目とは裏腹に快速仕様となる。インテリアはオリジナルを基調としながら極上コンディションを誇り、モデルイヤーに相応しい細くて大きなステアリングや、インパネの雰囲気を損なわないレトロサウンドのオーディオなど、通が好むスタイルは好印象。


リアウィンドールーバーも味わい深い。ベッド部分は新たにウッドで造型されており、錆びや腐りのないクリーンなコンディションを保ち、まさにショーカーレベルといった雰囲気。一生モノの愛車に相応しい一台。

1972 CHEVROLET C-10

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上のOkada氏とは異なり、オリジナル志向の高いレストアをコンセプトに手を入れたFukushima氏の72年型C-10。現地の個人売買サイトを物色して、良い個体が在れば自ら渡米し、交渉から日本国内への輸入まですべて自身で行なう徹底ぶりで、年式不相応のステアリングが付いていたり、メーターがオリジナルではなかったりするのはNG。とにかくこだわりが強く、目に適うものしかコレクションとして迎え入れないスタイルは、もはや筋金入りのコレクター。


最初に仕入れたこのC-10は特別思い入れが深く、後に仕入れた同年の青いC-10作業は滞りがち。にもかかわらず取材の数カ月前に65年型も増車する強者っぷりには感服。トレーラーの窓からちらっと見える無造作に並んだヴィンテージトラックたちを眺めながら一杯やるのが至福の時である。

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右)アウトローな雰囲気に突撃訪問時は緊張しました(笑)今では気軽に遊びに通わせてもらっています! 左)初めてレストアに挑んだ思い入れの深い一台!まさかすぐ近くに同色同モデルが存在するとは…

キャンピングトレーラーの後ろはカーフィルム貼りの工房(仕事場)!

2.5mの車幅を両面から拡張可能なノーストレイルのトラベルトレーラーが現在の借り住まい。一番広いリビングでは幅4mを超えており、備え付けのアイランドキッチンやふかふかのソファ、家庭用200Vエアコン完備で室内の雰囲気は住宅そのもの。敷地内には椰子の木を複数育て、芝生をベースに大胆なエントランスをレイアウト。コレはいずれ平屋の戸建てを建てた時のイメージであるが、御覧のとおり稼いではコレクションを増車してしまう性格と、レストア未完成の車両たちのパーツ代がかさむため、戸建ての夢は果てしなく遠い未来となりつつある。

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Photo&Text:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 5月号掲載

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