LSエンジン換装で300hpオーバーを実現させたシボレーS10

ピックアップトラック

シボレー

アメマガ2020年2月号

S-10

MAD MAKERS

AMERICAN TRUCKIN JUNKIE

CHEVROLET S-10

AMERICAN TRUCKIN JUNKIE


CHEVROLET S-10

アメリカンミニトラックという“ レアキャラ” に魅せられたオーナーたち

S-10を仕事の足として、そしてファミリーユースとしても長年愛用し続ける森本氏。初代S-10が全損事故にあっても再びS-10を探し、エンジンスワップを施してまで乗り続けたくなるS-10の魅力と、その理由について話を伺ってきた。

絶不調の時に乗り換えるか、載せ替えるかで葛藤

大阪の枚方市でチョッパースタイルのハーレーカスタムショップ「MAD MAKERS」を営む森本氏。そのお店のアイコンとしてバイクのデリバリーからパーツの仕入れ、配達、さらにはプライベートのファミリーカーとしてまでオールマイティーにこなす相棒が紹介するS‐10である。


事の発端は大阪のFASTで偶然お会いしたことから始まった。あきらかにS‐10らしからぬ図太いエキゾーストサウンドを奏でて登場した時に、タダモノならぬ雰囲気を感じて話を伺うと、何と99年型カマロのV8 LSエンジンへ換装したという。オリジナルエンジンの4.3ℓV6を日々酷使し過ぎたからか、悲鳴を上げ出した時に潔く廃車にして新しいクルマを買うか、それなりの金額を覚悟して修理するかで悩んでいた矢先に飛び込んできたのがアメリカ人がユーチューブにアップした動画だった。そこには同じS‐10にLSエンジンを搭載してフルサイズでは味わえないミニトラックならではの身軽なボディと、V8エンジンのトルクフルなパフォーマンスでバーンアウトをキメたり、アグレッシブな走りを楽しんでいる姿を見て刺激を受けたと言う。

シボレーS-10、CHEVROLET S-10

しかしファミリーカーとして妻もハンドルを握っているので独断で進められないため相談。そもそもエンジンスワップはそれなりに大掛かりでコストもかかるため、てっきり反対されるものだと半分諦めモードで話をすると意外と乗り気。むしろ面白そうと背中を後押ししてくれたと言う。そこでドナーカーである99年型カマロを購入。車検も一年残っていたので、検査が切れるまでカマロライフを堪能。車検が切れると同時に大阪のFASTへ入庫した。


どうせ移植するならミッションも同時に移植した方が良いと聞いてエンジン&ミッションを丸ごと移植。しかしすんなり収まるわけもなく、ラジエター部分などクリアランスを考慮した加工を施すなど四苦八苦。カウルフードボンネットは付けなくてもすんなり収まるが、妻に「このボンネットじゃないと収まらない!」とこじつけて、ついでにリファイン(笑)。


今まで特別な感情など抱かぬクルマだったが、想像を上回るV8化の面白さを体感して気分一新。もはや別のクルマに乗り換えた時以上の感動を覚えたと言う。エンジンスワップの選択肢は正解と断言して間違いないだろう。

シボレーS-10、CHEVROLET S-10 シボレーS-10、CHEVROLET S-10

元々はアストロと同じ4.3ℓ V6エンジンを搭載していたS-10。以前愛用していた80年代のS-10はキャブのV6で、フルインジェクションのV6に物足りなさを感じていたところだったので、V8エンジン換装は願ったり叶ったり。1年間ドナーカーのカマロに乗ることで載せ替えるエンジンが相応しい物か否かを吟味できたと言い、積み替える際はヘッドカバーをあえてコルベットにするといったギミックも面白い。存在感あるカウルフードボンネットには5. 7ℓV8 のエンブレムをあしらいタダモノならぬ雰囲気を演出。

仕事柄、クルマはバンかピックアップの二択に絞られてしまうのだが、バンが昔から大の苦手。履かせるホイールは昔からクレーガー一筋。元々は235サイズのタイヤだったが、リア側を275/60R15に変更。ビジュアル的な観点はもちろん、V8化に伴い細いタイヤではグリップしなくなったことも要因の一つだ。

RECARA ステアリングDSC_6328

RECARAステアリングにカマロのシート換装以外は基本オリジナル。購入当時は登録可能だった4人乗り貨物登録のお陰でリアシートに子供を載せてファミリーユースとしても機能。190cmの大柄な男性二人を後ろに乗せて、釣りに出かけることもあるとか(笑)。


MAD MAKERS 森本氏
1999年の創業以来、ハーレーのチョッパーカスタム専門店として数々の名車をレストレーション。コアなモデルのデッドストックパーツを探して当時物にこだわる姿勢や、タンクキャップ、フューエルコックなど、ない物は自社で製作してでも、オーダーされたスタイルを可能な限りカタチにしていく姿勢が多くのファンを魅了。


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 2月号掲載


関連記事

RELATED


狭い道も余裕の実用性に長けたサイズ感とネイティブな雰囲気が魅力のS-10!

CHEVROLET S-10

小回りが効いて、荷物もガンガン積める最高の足車【1995 シボレーS-10】

以前誌面に登場したK5サバーバンに乗るリヒトくん。彼の母親であるMikiさんもは1995年型S-10オーナー。親の影響を受けて子供もアメ車に乗るって話は良く聞くけど、その逆を行く彼女のS10ライフとは!?

350V8エンジン換装に4L60Eを組み合わせ地を這う様に走るシボレーS-10

ネイリストの彼女が青・黄・白を何度も納得いくまで配合して生み出した、完全オリジナル調色のミントグリーンが色鮮やかなスラムドC-10。V8搭載でさらに進化させたガールズトラッキンカスタムの現在地に密着!

足車のジムニーをシボレーS‐10へ気楽に乗れるサイズ感が最高

グランドチェロキーを所有している西井さんが「ラフに、カジュアルに乗れるトラックを増車したい!」と選んだのがS-10。キャンプの足にはもちろん日常使いでも大活躍。その魅力について話を伺ってきた。

デューリーに魅せられたコレクターのコレクション

ポリス仕様を筆頭に、過去に何度もマニアックなOBSカスタムをナオキモータービルドと共に手掛けてきたコレクターの鈴木さんが遂にデューリーカスタムへ。そのこだわりっぷりと魅力を一挙公開!

 

最新記事


2025/03/31

究極の高速オフロード性能とパフォーマンスを実現した「グラディエーター・モハベ」

SUV

ジープ

アメリカ文化を象徴するモデルであるピックアップトラック。その系譜は脈々と受け継がれ、最新モデルの進化の度合は凄まじいなか、オートギャラリー東京にジープ・グラディエーターが入庫。しかも砂漠やダート走行に特化した「MOJAVE(モハベ)」だ。

2025/03/29

【シボレー タホ】バンに乗りたかったのが一変、SUVを選択してカスタム

SUV

シボレー

アメ車に乗りたいと思うキッカケとしてはいくつかあるが、映画を見て影響を受けたという人は多い。紹介するタホのオーナーさんもそう。当初は劇中で使用されているバンにこころを奪われていたものの、SUVの良さにも惹かれてタホをセレクト。

2025/03/28

GMT400ラバーズが集う宴も2024年で10周年!【第10回全国C/K15祭り in 富士】

イベントレポート

シボレー&GMCのC/Kシリーズの中でも、GMT400プラットフォームベースの4thジェネレーション愛好家で構成される「シェビーC/K15オールドフェイスクラブ」による、毎年恒例の全国祭りが2024年も開催された!

2025/03/26

本国ドリフトシーンのトレンドを5世代目のマスタングでアレンジ!

クーペ

フォード

ホイール

ドリフトシーンのトレンドホイールであるRTRを第5世代マスタングにセットアップ!ネオクラシック×ドリフトスタイルで魅せる斬新なスタイリングに迫る!

ランキング


2025/03/31

究極の高速オフロード性能とパフォーマンスを実現した「グラディエーター・モハベ」

SUV

ジープ

アメリカ文化を象徴するモデルであるピックアップトラック。その系譜は脈々と受け継がれ、最新モデルの進化の度合は凄まじいなか、オートギャラリー東京にジープ・グラディエーターが入庫。しかも砂漠やダート走行に特化した「MOJAVE(モハベ)」だ。

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2018/11/20

映画『アメリカングラフィティー』の劇中車として、世界一有名なデュース・クーペ をオマージュ

ビンテージ

フォード

STREET ROD ECSTASY
1932 Ford 5 window