次から次へと現れるボディのサビ、ペイントの前に完全消滅せよ!【デュランゴの挑戦 Vol.79】
細かい部分まで、防錆対策を実施!
DURANGO CHALLENGE【デュランゴの挑戦】
DURANGO CHALLENGE【デュランゴの挑戦】
世界で一台のマッスルSUV への道Vol.79
ガレージジョーカーのピットに入ったデュランゴの、当面の作業はボディ各所にあるサビを徹底的に落とし切ること。簡易的に除去して塗装することも可能だけど、長い目で見れば「今」除去するのが得策。地味だけどホント大切な作業です!
細かい部分まで、防錆対策を実施!
前回お伝えしたとおり、デュランゴのボディは「想像以上の酷い状態」で、左右4枚ドア、前後フェンダー、リアゲートの下側(地面に近い部分)がサビで腐食していたのであります。このサビを落とすという作業が増えたことにより、2019年9月末開催のamZに参加できなかったワケ。
もちろん、間に合わせるためにサビを簡易的に除去して塗装することも可能だったけど、作業するガレージジョーカーの小川氏は「このサビを全部落とさずに仕上げることは、俺は絶対に許せねぇ」と、徹底的な除去作業を提案。サビの根本を駆逐しないと、いずれまた同じ様な酷い状態になるのは確実とのことで、焦らずしっかりと除去作業をしようということだ。
オールペンの工程は、まずボディ表面の凹みや傷を補修し、ボディ全体をサンディングする下地処理を行なって、塗装という流れだ。塗装の仕上がりを左右するのが下地処理で、オールペンという工程の中で一番神経を使い、時間をかけるのがこの部分。下地処理の上手さこそが職人の見せ所でもある。ボディ傷補修やサビ処理の仕上がりも、結局は下地処理に影響してくるので、絶対に手は抜けないのだ。
「色を塗るのはハッキリ言って誰でもできる。仕上がりの差が出るのは下地処理だな。俺は徹底的にやるからな。しかし90年代後半のクルマで、こんなレストア並みに作業することは中々ないぜ」と小川氏。
鉄板も朽ちた部分は新たな鉄板を継ぎ足す「切り貼り」をし、中程度の部分はサビを削り取り、防錆剤を塗り込むなどの防錆対策を実施。「これをやっておけば、もう二度とサビることはないぜ」の言葉が、本当に頼もしい!現在はその作業も終え、下地処理の真っ最中。オールペンって大変だな~。
サビのラインナップ、ボディ下側はとくに腐食が大きい
前回もサビた部分を幾つか紹介したけど、その後もアッチコッチから出るわ出るわのサビのオンパレード(笑) とにかくボディ全体の下側の部分が酷い。ま、上だけがサビるってことはないんだけど、水没でもしてたんかな?
サビ取り作業1 一番サビの被害が大きいリア左側フェンダーアーチ。削り取って、新たに鉄板を加える「切り貼り」を行なう
純正のオーバーフェンダーを取り外したら出てきたのが、上の写真のフェンダーアーチ。まさかこんなことになっているとは…。このサビがどこまで侵食しているか気になるところ。少しずつ表面を削っていき、状態を確認。
2枚重ねの鉄板の上側のサビ部分をカットしていく。下側は無事だろうか。
幸いにも下側の鉄板は先端だけが腐食しているだけ。まずはサビを削り取る。
サビを削り取ったら、2枚の鉄板を溶接でしっかりと接着させる。
車体側の溶接が終えたら、スポット部分を削り仕上げる。
削り取った部分を、新たな鉄板を使って継ぎ接ぎしていく切り貼り作業を行なう。
アーチ形状に合わせて鉄板をトンカチを使って整形していく。
整形した鉄板をフェンダーアーチに当て、溶接していく。
溶接したのがこれ。見事にボディと一体となった。
こちらも、表面のスポット部分を削り取り仕上げていく。
切り貼り処理が終わったら、厚盛パテで形を整え、経年劣化が起きにくい板金パテで仕上げていく。結局はオーバーフェンダーが装着されて見えない部分もあるけど、そんなところも隅々まで補修してくれた。
サビ取り作業2 中程度のサビは削り取ってから、二度とサビないように防錆処理
ボディ鉄板を重ね合わせる部分は、シーラーと呼ばれる水漏れ防止処理がされているが、アメ車は処理が薄くそこから雨漏りがしやすい。デュランゴのルーフレールを外すと、その下にある鉄板がやはりサビて隙間が空いていた。
鉄板に付いているサビを削り取る。幸いにも大きな腐食はないようだ。
サビを取った鉄板。鉄板が浮いているため、そこから水が入る可能性もある。
鉄板の隙間に強力な浸透性がある防錆剤を塗り込む。鉄板の接着効果もある。ここまでやるのがジョーカー流。
こちらはルーフレールではなく、ドア下部。ここも同様に鉄板合わせ目に隙間があり全体的にサビている。
こちらも全体的にサビを削り取り、防錆剤を塗り込んで、さらに上からサフェーサーを塗り込んでサビ対策。
水が入りやすい場所のため、さらに仕上げとしてシーリング処理も施す。ドア4枚、リアゲートも同様の工程を行なった。
ボディをサンディングするんだけどよぉ、誰か暇なやつイネ~か?サビ取りの想定外な作業が増えてよぉ、だ・れ・か、イネ~か(怒)
ハイ、俺やります… 「自分で作業すれば愛着も湧くだろ? 仕上げはコッチがやるから、やってみなよ」と、半ば強引にカメラとポリッシャーを交換させられました(笑)。簡単そうに見えて難しい。 「センスあるぜ」と褒められながら、気がつけば結構な面積をやるハメに…。ツナギも近くのホームセンターで買いました(笑) 経費で落ちるのかな? 今回の掲載はここまでだけど、作業は進行していて、キズ補修、サビ除去、下地処理が終わり、マスキング状態になってます。ここまで来ると、もうすぐ完成も近い?
1999y DODGE DURANGO デュランゴの軌跡
埼玉県所沢市にある解体屋「T&Kインターナショナル」に持ち込まれたデュランゴを、当時所有していたアメマガ号アストロと強引に交換トレード。エンジンこそ調子が良かったデュランゴだが、外装にキズも多く、内装もパーツが外されていたりと、一般に売られている車両と比べると程度は中の下。引き取り手がいなければ、今頃はスクラップになってたかも…。そんな状態だったデュランゴを日本一のスタイルにすべく、復活&カスタムをしていくのである。
Special Thanks:GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】
住所:千葉県銚子市四日市場町238
HP:https://www.garage-joker.com/
TEL:0479-25-7740
FAX:0479-25-7743
営業:10時~19時
定休日:火曜日
写真&文:相馬一丈
アメ車マガジン2019年12月号掲載
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