第8世代コルベット「C8」は革新車として新時代を切り拓く
ジーエム祭
2020 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY
2020 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY
遂にベールを脱いだ新生コルベット
コルベットがモデルチェンジするという情報は以前からもたらされていた。しかも、これまで貫いてきたロングノーズ+ FR ではなくミッドシップになるのではと。
そして日本時間の2019年7月19日正午に、GMは新型コルベットの全貌を明らかにした。やはり噂どおり、エンジンレイアウトをミッドシップへと変更するとともにシルエットも大胆な装いへと進化。第8世代コルベット「C8」は革新車として新時代を切り拓く。
ロングノーズ&FRからミッドシップへ、これまでの伝統を打ち破る革新車
第8世代となる新型コルベットが発表された。これまで守り続けてきたFRレイアウトを捨ててミッドシップレイアウトを採用したのが最大のニュースだ。標準モデルの搭載エンジンは6.2ℓV8 OHVのLT2で、最高出力495hp、最大トルク470lb‐ltを発揮する。
アメリカ本国での価格は、もっともベーシックな1LTが5万9995ドル、2LTが6万7295ドル、3LTが7万1945ドルとなっており、Z51パフォーマンス・パッケージの装着も可能となっている。
今回ミッドシップレイアウトを採用したのは、これまでのフロントエンジンレイアウトではこれ以上のパフォーマンスを望むのが困難になったからだと説明されたわけだが、ミッドシップレイアウトを採用したことによって以下の効果を生む。
①重量配分が改善され、直線およびロードコースサーキットでのパフォーマンスがアップ。
②ドライビングポジションが前に寄って運転者が前輪軸に近くなったことにより、応答の俊敏な感覚を含む運転感覚が向上。
③ステアリングシステムがコンパクトになるので、操舵感がよりダイレクトなものになる。
④Z51パフォーマンス・パッケージを装着すると、0‐60マイル加速が3秒以内を可能とする。
⑤フード、インパネ、ステアリングホイールなど、すべてを低い位置に設計することができ、前方視界が大きく改善した。
⑥前後にトランクルームを設けて、ゴルフバッグ2セットを含め、2人乗りとしては十分な荷室を確保。
⑦走行中のクルマの重心が運転者の腰のあたりにあるので、クルマ全体が運転者を中心として動くことになり、クルマと運転者の一体感も向上する。
スタイリング全体のシルエットとしてはミッドシップであることが分かるが、同時に、これがまぎれもなくコルベットであることも明確にアピールしている。リアエンジンの存在は、リアハッチに設けられた大きな窓越しに外から確認することができ、リアハッチには7つの排気口も設けられている。
スタイリングデザインは、米空軍の戦闘機であるF22やF35、それにF1レースマシンなどのディテールからヒントを得た部分も多いという。エクステリアを見ていくと、薄型のヘッドランプはプロジェクタータイプで、周囲はLEDバーで囲まれており、ドアやリアハッチのリリースボタンは隠され、特徴的なディテールデザインを崩さないよう配慮されている。
さらにボディサイドの大型エアインテークを始めとしたエアロデザインで構成され、標準で4本出しマフラーを装着する。また、ルーフパネルを取り外していわゆるタルガトップスタイルにすることが可能で、取り外したルーフパネルはリアトランクスペースに収納する。
続いてインテリアは、ダッシュボードそのものを始めとして、すべてのコンポーネントが低くデザインされており、さながらコンセプトカーのデザインがそのまま使われたような感覚。ステアリングホイールさえもスクエアなデザインとなっているのが特徴的だ。
一方で、クラスター脇のディスプレイは12インチとなっており、見やすさ、操作しやすさを重視したものになっている。ポイントとしては、職人の手により縫い合わせられたレザーインテリアで構成され、リアルメタル素材も多数使用されている。
スピーカーグリルをステンレス製としたBOSEパフォーマンスシリーズオーディオを採用し、コンソールおよびドアトリムにはリアルアルミニウムおよびリアルカーボンを使用。シートの前後スライド可能な幅が大きくなり、リクライニング可能な角度もこれまでの2倍に拡大されただけでなく、オプションとなるGT2シートおよびコンペティションスポーツシートにはカーボンファイバー素材が使用されている。
ボディカラーは12色(トーチレッド・アークティックホワイト・ブレイドシルバーメタリック・シャドーグレー・セラミックマトリックスグレー・ロングビーチレッド・エルクハートレークブルー・セブリングオレンジ、新色のラピッドブルー・ゼウスブロンズ・アクセラレートイエロー)が用意され、インテリアカラーは6色(ジェットブラック・スカイクールグレー・アドレナリンレッド・ナチュラルディップド・ツートンブルー・モレロレッド)、シートベルトも6色(ブラック・ブルー・ナチュラル・トーチレッド・イエロー・オレンジ)から選べる。
コルベットのボディ設計の基本は、軽量化と高剛性を両立できるセンタートンネル構造にある。補強のためにロッカーパネルを必要以上に大きくする必要もなく、重心を低く設計できるため、ハンドリングも向上する。
また、コルベットでは初めて右ハンドル仕様にも対応できる設計となっているため、日本市場向けの正規モデルは右ハンドルが採用されるのではないだろうか。なお今回発表されたのは、もっともベーシックな標準モデルと、それに装着可能なZ51パフォーマンス・パッケージのみ。追って、さらにハイパフォーマンスなモデルが控えているのは間違いない。
C8はディテールデザインを崩さないようドアやリアハッチのリリースボタンが隠され、流麗なシルエットを存分に発揮。リアハッチからはエンジンが覗け、両サイドにはエアベントを装備。テールランプはLEDを採用。
エクステリアのデザインは、リニューアルしつつもやはりコルベットらしさも残されている。ヘッドライトは切れ長で、プロジェクタータイプを採用するとともに、その周囲にはイマドキらしくLEDを配置。ボディサイドにはエンジン冷却用のエアインテークを備える。
ルーフパネルを取り外して、いわゆるタルガトップスタイルにすることが可能となっている。取り外したルーフパネルはリアトランクスペースに収納することができ、トランクは前後に備え、二人分のゴルフバッグが収納可能。
スポーツカーらしくスポーティな5スポークホイールをあしらい、ブレーキはブレンボの2ピース4ピストンキャリパーが装備されている。Z51はブレンボの4ピストンモノブロックキャリパーとなる。
新型コルベットのミッドシップには、6.2ℓV8 OHVエンジンを搭載。パフォーマンスエグゾースト装着車の最大出力は495hp/6450rpm、最大トルクは470lb-ft/5150rpm。トランスミッションは8速デュアルクラッチで、Z51パフォーマンスパッケージ装着車は、0-60マイルを3秒を切るという俊足具合。
前モデルのC7のコックピットもドライバーを包み込む様にレイアウトされていたインテリアだが、C8はそれがより一層際立っているデザイン。スクエア型の小径ステアリング、その裏にはパドルシフトを備え、視認性と操作性を重視して配置された12インチディスプレイなど、まさに「マシン」といったテイストが漂う。
Specification
エンジン / LT2 6.2ℓ V8 OHV VVT
最高出力 / 495hp /6450rpm(パフォーマンスエキゾースト装備)
最大トルク / 470lb-ft / 5150rpm(パフォーマンスエキゾースト装備)
トランスミッション / 8速DCT
サスペンション 前/後 / SLAダブルウイッシュボーン(Z51:マグネティックライドコントロール)
ホイール 前/後 / 19inch×8.5J / 20inch×11.0J
タイヤ / ミシュラン・パイロットスポーツALS(Z51:ミシュラン・パイロットスポーツ4S)
タイヤサイズ 前/後 / 245/35ZR19/ 305/30ZR20
全長×全幅×全高 / 4630mm×1934mm×1234mm
ホイールベース / 2722mm 車両重量 / 1530kg
Photo & Text 編集部
アメ車マガジン 2019年 11月号掲載
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