「ストカー」に出展のシボレー車にフォーカス
MOONEYES STREET CAR NATIONALS
2019.03.10
MOONEYES STREET CAR NATIONALS【ムーンアイズストリートカーナショナルズ】
CHEVROLET LOVE!!
日本のアメリカンカーカルチャーをもっとも堪能できる「ムーンアイズ・ストリートカーナショナルズ」。2019年は3月10日(日)に開催されたが、ここでは本イベントに出展されていた注目すべきシボレー車にスポットを当てる。やはりレベルもクオリティも高いクルマが多いのがポイントなのだ。
アメリカンなカーカルチャーを体感できる最良のイベントである、カーショー&スワップミートの国内におけるパイオニア的存在のムーンアイズ・ストリートカーナショナルズ。ロケーションを都内で行ないながらも、2019年でなんと33回目をむかえた。近年ではカーショー出店車両が1200台にも膨れあがり、スワップミートは約150件と、まさにナショナル・イベントとして大いに盛り上がっている。
そもそもムーンアイズはパーツサプライヤーとしてアメリカのホットロッドの文化をささえたてきた歴史あるブランドでもあるだけに、イベントの趣旨も、あくまでも「アメリカン」なスタイルに拘っている。それだけに、基本的に出展車両に制限はないものの、アメ車以外であっても、アメリカンなカスタムであることがポイント。
近年では、スタイルや車種毎にカーショーも細分化されいるが、アメリカンをキーワードに、これほど多彩かつ大規模なカーショーは他にない。それだけに、シボレーに的を絞っても、あらゆる車種や様々なスタイルを一同に見ることができる点でも外せないイベントなのだ。
魅力の高さが人気の高さと直結しているシボレー車
日本においてアメ車のファンになるきっかけは、おなじみの映画に登場する1台の劇中車との出会いなど、ちょっとしたことだったりする。とはいえそこでは、役者陣のキャスティング同様に、ベースとなるモデルのキャラクターが色濃く反映されており、細かなスペックなどの理屈を抜きにして、そのモデル本来の魅力をダイレクトに感じ取ることができる。
そんなお気に入りのモデルが1台ずつ増えていくことで、とりわけ個性の強いアメ車では、メイクス/ブランド毎のアイデンティティを感じ取れるようになり、ブランドとしてのファンに発展するケースが多い。国内に輸入されたモデルとなると、かなり限定されてしまうものの、現在ではインターネットなどを通じて大量の情報が入手できるだけに、かなりニッチなブランドであろうとファンは存在する。
実車を所有せずとも、モデルカーのコレクションや、ゲームでのバーチャルな世界も含め、楽しみ方のスタイルもさまざま。ざっくりと100年からなるアメ車の歴史の中で、既に消滅してしまったものも含めて、数多くのブランドが存在する。メジャー/マイナーに関わらず、そのブランド毎にファンが存在するため、専門誌や限定イベントの開催も盛んだ。中でも、とりわけファンの数が多いのは、なんといっても「シェビー」の愛嬌で親しまれるシボレーだ。
シボレー車は、ルックス、性能、価格など、総合的にバランスが良く、誰からも愛されるアイドル的な万能性を備えている。そのため、GM内の立ち位置においてはもとより、アメリカのブランド全体の中でも、最もフレンドリーかつバラエティに富んだメジャーブランドとして世界中で広く愛されている。アメリカン・スポーツカーの象徴であるコルベット、初代から現行まで安定して高い人気を誇るフルサイズ・ピックアップ、往年のモデルにはノバ、シェベル、インパラなど、各カテゴリーで象徴的な存在となっている人気車が数多く存在する。
シボレー車は実売数が高いことで、アフターマーケットでのパーツ供給が充実しているため、現役として活躍する期間が長く、旧車となっても現存率が高いのもポイント。趣味のジャンルにおいても、カスタムやモディファイ用のありとあらゆるパーツがリリースされているため、他社のモデルと比べて多様なスタイルを手軽に楽しむことができる点も大きな魅力。
また、主力のスモールブロックV8である350ciは、性能、信頼性、扱いやすさや、拡張性、コストなど、あらゆる面で総合的に優れていることから、他社モデルにおける換装エンジンとしても一般的に定着している。そのため、戦前のフォード車をベースにしたストリートロッドをはじめ、ポルシェ専門のパーツサプライヤーからも、シボレー350コンバージョンキットが古くから販売されているほど。
意外と思われるところでは、フェラーリやロールスロイスでGM製のATトランスミッションが採用されているため、レストアの際に、エンジンを350に換装するというケースもアメリカでは珍しくない。結果として、シェビーのV8エンジンは世界中で最も大量に普及しているのだ。魅力の高さが人気の高さと直結している!
1957 Chevrolet Nomad
50'sカーを象徴する存在のトライシェビー(55~57年型)の中でもインパクトのあるルックスでお馴染みの57年型。しかも、ハードトップを基調とした独自のスタイリングが魅力的な2ドア・ワゴンであるノマド!ストックのルックスをキープしながらも、モダンにアップグレード。
1971 Chevrolet K5 Blazer
フルサイズ・ピックアップのC10にシェルを装着しワゴン化したブレイザー。丸形2灯式の71年型にして、機関系を一式92年以降のタホにコンバージョンしたハイテックな仕様! それでいて、オリジナルの魅力を活かしつつ、きっちりとロワードした魅力大のカスタム。
1965 Chevrolet Chevelle 2door wagon
64~ 65年型のシェベルは、トライシェビー(55~57)と同じコンセプトでラインナップされたため、往年のノマド同様に、2ドア・ワゴンがラインナップされた。スタイリッシュながらも利便性では4ドアに劣るとあって、出荷数が極めて少ないレア車。
1975 Chevrolet P10 Stepvan
フルサイズ・ピックアップのC10とメカニズムを共有しながらも、パネルバンとしてラインナップするPシリーズ。中でも最もホイールベースの短いP10は、都心でも取り回しが良く、国内のケータリング車としても需要が増えているが、カスタムのベースとしても近年人気急上昇。
1959 Chevrolet El Camino
2ドア・ステーションワゴンのプラットフォームを採用したセダン・ピックアップのエルカミーノの初期の59年型。バットウィング&キャッツアイ・テールによる独創的で美しいスタイリングをピックアップで味わえるなんとも贅沢なモデル!現在では完全にコレクタブルカーとなり、入手難。
1992 Suburban/Cheyenne Trim
C1500に共通する8代目にあたるサバーバン。この個体は、低グレードの2灯式ヘッドライトのシャイアン仕様なのがポイント。本国でも珍しいうえに、アップグレードな2トーンカラーをまとっていることから、サバーバンをベースにシャイアン仕様にアレンジした上級カスタムかも?!
1969 Chevrolet Chevelle
究極のファクトリーHot Rodともいえる、特別なパフォーマンスディラーYENKO仕様。ドラッグレースにおけるスーパーストック・クラスに参戦可能なスペックを誇るオリジナルは、50台程度しか集荷されなかった激レア車。この個体は忠実に再現したトリビュートカーだ。
1969 Chevrolet Camaro
シェビーきっての人気モデル、カマロの中でもとりわけファンの多い69年型。ぱっちり顔のスタンダードをベースに、いわゆるプロツーリング的なアプローチでまとめた好感度の高い個体。ホイールのデザインや車対色などは地味ながらも、バランスが取れてセンスの良さを感じる。
1978 Chevrolet LUV
シェビー・ラブはイスズ・ファスターの北米仕様ながら、そのデザインにシェビーのアイデンティティーが溢れている。アメリカでは1.8ℓの直4エンジンをV8に換装するケースが主流。この個体は、シェビー製V6に換装したうえに、ナローなリアエンドによってワイドリムを納める。
黄色い個体は72年リリースの4灯式の初期型。ストックの状態を保持する現役車だ。
1964 Chevrolet Corvette Stingray
歴代コルベットにおいても、世界中のスポーツカーの中でも、C2クーペほど魅力的なスタイリングのモデルは他にない?! 最年少デザイナーのピート・ブロック、スタイリング担当副社長ビル・ミッチェル、そして日系デザイナーのラリー・シノダによる傑作である。アメ車の枠を超えて、世界中のあらゆる層から支持されているのがC2コルベットだ。
1995 Chevrolet Astro
ミニバンというカテゴリーに85年から投入されたアストロは、大ブームとなったアメ車の中でも最もメジャーな存在。カスタムありきで盛り上がっただけに、現在ではむしろストックを意識してシンプルにまとめるのが主流。この個体のようにスタンダードの角型2灯式にするのもトレンド。
1972 Chevrolet Nova
それまでの箱形からハッチスタイルとなった3rdのノバは、メカニズム的に69年型カマロとの共通点があり、マッスルカーとしての魅力が高い。国内では2ndの方がメジャーだったが、映画『デスプルーフ』で劇中車に採用されたことも影響して、近年人気が定着している。
1971 Chevrolet Sportvan 20
70年代のカスタムVAN全盛期に大ヒットとなった3rdのシェビーバン。ストックを活かしてすっきりとシンプルに仕上げたルックスも素敵だが、エンジンはなんとラムジェット・インジェクションのホットな仕様にモディファイ済み。それに伴ってエアコンなどの装備もアップデート!
PHOTO & TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2019年 7月号掲載
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