ロードムービー等、様々な洋画で憧れを抱く名車 チャレンジャー&チャージャー
VINTAGE MOPAR FANATICS
1970 DODGE CHALLENGER
1968 DODGE CHARGER R/T
矍鑠たるビンテージ・モパー
VINTAGE MOPAR FANATICS
フォードもいい、GMもいい、しかし、もっとも「アメ車らしく」、エキゾチックなのはMOPARだろう。コアなファンの多いMOPARだが、今回は矍鑠(かくしゃく)としている…年月が経っても元気に凛としている「ビンテージ・モパー」にスポットを当てることにした。一度ハマってしまったら逃れることのできない、魅力的なMOPARの世界へようこそ。マッスルカーブームの黄金時代に誕生したダッジを代表するモパーの大本命、チャレンジャー&チャージャー。50年の時を経てもその魅力は色褪せることなく、ビンテージファンたちを魅了し続ける。
オリジナルの良さを残しつつも弱点を克服
70年型ダッジ・チャレンジャーといえば映画「バニシング・ポイント」。主人公がデンバーからサンフランシスコまで白いチャレンジャーを15時間以内に運ぶ最中で様々なアクシデントが起こるストーリーで、劇中では爆走シーンが度々登場する名作である。一方で68年型チャージャーといえば映画「ブリット」。
マスタング に乗るスティーブマックウィーンの相手役としてチャージャーが死闘を繰り広げ、最後には大破してしまうモパーファンにとっては悲しい結末ではあるが、激しいカーチェイスシーンに影響を受けたファンも多いはず。
いまでこそ、インターネットで本国のトレンドをタイムリーに情報収集できるが、当時は洋画や雑誌を通じてアメリカのカーヒストリー、トレンドを知るのが主流だった。その劇中車の影響からか、GMやフォードの同年代マッスルカーと比較してもモパーはアウトローなシーンで採用されることが多く、どことなく危険な香りを漂わせるクールな印象を抱く様になった。昨今ではワイルドスピードでもそのイメージが引き継がれている。
紹介する2台は冒頭で述べた映画と同じモデルイヤーで、ビジュアルこそ名作に沿ったアウトローな印象を受けるが、今の時代にあったジェントルかつ快適な乗りこなしができる様に改善されている。当時らしさを掻き消すことなく、時代に応じて柔軟にアップデートしたビンテージモパーの魅力を一挙公開!
バーガンディーのビンテージモパー
代表作2台が並ぶ圧巻のインパクト
まずは現在ファースト で販売中の68年型チャージャー。425hpのハイパフォーマンス426HEMIを4速マニュアルミッションで操るドライブテレーンは実に官能的。69年型のスクエアグリルとは異なる精悍なフロントマスク、丸型4灯のテールなどが68年型特有の個性となり、68年型を愛して止まないファンも多い。現車はバイナルの状態も非常によく、ほんのりローダウンを施しつつもオリジナルの良さをストック。
昨今の温暖化事情を考慮してビンテージエアを導入し、メインユニットにレトロサウンドを採用することで、昨今のミュージックソースの定番であるUSB音源にも対応。最新のデバイスを取り入れつつも時代にマッチしたイメージを崩さない所が好印象。
一方、70年型チャレンジャーは、フルパワーの440RBブロックのリビルドエンジンを搭載。キャブを3つ配置する6パックは当時のマッスルカーシーンでもひと際注目を集めたモパー界を代表するハイパフォーマンスエンジンの一つ。スタイル的にはアメリカンレーシングでリア側にボリュームを与えた70年代ドラッグスタイルで、こちらもビンテージエアのシステムを導入済で炎天下でも快適にドライブできる様に配慮。
ちなみに原点回帰を果たして昨今人気の
チャレンジャー
は、この時代の
チャレンジャー
をモチーフにしたもので、フロントマスクはもちろんリアフェンダーへとボリュームを増すサイドフォルム、テール周りまで、その造型美が見事に継承されている点も特筆物。
ファーストと言えばコルベットC3 のイメージが強いが、代表の大森氏いわく、フルサイズバンからトラック、SUV、新旧ジャンルを問わずお店に訪れるユーザーさんは様々だと語り、「どんなジャンルでもウェルカム!」だと笑顔で答える。困ったときの駆け込み寺と称される所以は、その柔軟な対応力にあると言えるだろう。
1968 DODGE CHARGER R/T
ブラック基調のインテリアはオリジナルをストック。フロアマットにはHEMIのロゴがあしらわれ、ボディカラーにマッチしたステアリングが好印象。レトロサウンドのインストールで最新のデバイスとしながらも雰囲気を崩さない様に配慮している点も特筆物。
若干のローダウンを施す足回りはオリジナルのアルミホイールをストックしながらも、当時のトレンドにこだわったミッキートンプソンホワイトレタータイヤを装着。
リトラクタブル式のヘッドライトは丸目4灯となるが、通常点灯時は外側2灯のみ点灯。ハイビームの際に4灯が点灯。昼夜でガラリと表情を変えるところも68yフェイスならではのギミックと言える。
最上級モデルの426HEMIエンジンを搭載。オリジナルストックではないものの、オリジナルの良さを色濃く残すべく大きな変更点はビンテージエアの換装に留めている。425hpを誇るHEMIエンジンは、当時を代表するハイパフォーマンスエンジンとして、エンジンその物の価値も上昇している。
バイナルトップの状態もグッドコンディションで、オリジナルのバーガンディ―カラーとブラックのツートンカラーは大人の色気を感じさせる絶妙なコントラスト。68年型の証でもある丸テール、RTやHEMIの当時物エンブレムがクリーンな状態でストックされている点も値打ちが高い。
1970 DODGE CHALLENGER
ウッドトリムをアクセントにインテリアの質感を高めたチャレンジャー。68yチャージャーと比較するとシート形状がバケットタイプになるなど、当時のカーヒストリーを色濃く感じ取れる。
アメリカンレーシングのトルクトラストに換装されたボトムス。リア側を太くセッティングしてリアのみ車高を上げるスタイルは当時のトレンドである70`sドラッグスタイル。
丸目四灯のヘッドライトやグリル形状など、現代のチャレンジャーがいかにこの年代のチャレンジャーを継承しているかが如実に分かるフロントマスク。ヘッドライトの点灯方式はチャージャーと同じくハイビームで全点灯となる。当時はこれがスタンダードだった。
搭載されるエンジンは440cu.inのRBブロックのリビルド。当時の4バレル、440ハイパワーエンジンは本国でも年々入手が難しくなってきている希少性の高いエンジンで、キャブが3つ搭載される6パックを搭載。現在でも継承されるHEMIの名は、当時からハイグレードモデルの証だった。
隣のチャージャーと色味は同じでも、こちらはメタリックの入ったオリジナル調色でリペイントされたバーガンディーカラーとなる。リアエンドにかけて車高を上げたドラッグスタイルにリアウィングの視覚的効果も高まり、リアエンドのアグレッシブなフォルムを演出。
Thanks:F.A.S.T
TEL:06-6784-1976
HP:http://fast1976.jp
■Photo&Text:石井秋良
アメ車マガジン 2019年 6月号掲載
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