Jeepブランドのかつての指揮官「コマンダー」ワイルドだけどフォーマルもイケる
SUV
ジープ
SOUL OF MOPAR
American Car Drive Journal
グランドチェロキー
アメマガ2019年5月号
アメ車ジャーナル
グランドチェロキーSRT8
コマンダー
SPORT名古屋アメ車専門店
立花未来
前回からスタートした「アメ車ジャーナル」。本コーナーでは、注目のアメ車を、アメマガガールの立花未来ちゃんの目線で紹介していくもの。今回はMOPAR特集ってことで、SPORT名古屋アメ車専門店のストックのジープ・コマンダーとグランドチェロキーに注目することにした。Jeepのかつてのフラッグシップと現在のフラッグシップの魅力に迫る!
2008 Jeep Commander / 2014 Jeep Grand Cherokee
アメ車ジャーナル =注目車にフォーカス=
American Car Drive Journal
こだわり派にオススメのコマンダーにズームアップ!!
プレミアムSUVブームの先駆けになったJeepコマンダー
リアルなイベントコンパニオンでありながら、リアルなアメ車(ダッジ・チャレンジャー)ユーザー、立花未来クンをフィーチャーしてお送りする「アメ車ジャーナル」。今回、未来クンが注目したのは、まぁレア車と言っていいだろう、Jeepコマンダーだ。 ん?なんてピンと来ない人もいるかもしれない…。
実はJeepのフラッグシップモデルとして、日本でも'06年から'10年にかけて正規販売(つまり右ハンドルで)されたモデルで、その意味では当時、ブレイクしつつあった欧米の「プレミアムSUV」ブームの先駆けになった存在なのだ。 プラットフォームは当時、現役だったWH型3代目グランドチェロキーと共通。
ボディはXJチェロキー並みに角張っていてデカく見えるが、実はサイズ的にはそうでもなく、アメ車的にはミドルサイズ。一方、インテリアはフラッグシップと呼ぶくらいだから、高級感たっぷり。何より、サードシート付きの7人乗りとしているのが特徴だ。 で、未来クン、コマンダーの印象はどんな感じ?
「えーと、実はこのクルマのことは、あまり知らなかったんですけど、Jeepとしては、オトナな雰囲気があると思います!」 エンジンは4.7L V8と、5.7L V8 HEMIの2タイプが用意されていたが、今回の撮影車両はHEMIエンジン搭載。MOPARファンを自認する未来クン、さて実際に乗ってみて、どれだけ好きになってくれるかな?
2008 Jeep Commander Limited 5.7 HEMI
【2008 ジープ・コマンダー リミテッド 5.7 HEMI】
コマンダーのベースはWHグランドチェロキー。ボディサイズもWH同等で、コマンダーの方が少し、大きい程度。しかしスクエアなデザインである分、かなり大きく見える。フロントは角4灯風タテ目ヘッドライトと7スリットグリルのコンビネーション。
実はこのデザインはWHグランドチェロキーそのもののために考えられたものだが、結果として違うクルマ…コマンダーに採用された、のだという。さらに3列シートを採用したのものコマンダーの特徴。シートは1~3列目にかけて座位置が高くなる“ シアターレイアウト”が採用されるが、外観からはそうとは分からない。
◆グレード:リミテッド5.7 HEMI
◆全長×全幅×全高(mm):4795 × 1900 × 1830
◆ホイールベース(mm):2780
◆車両重量(kg):2360
◆最小回転半径(m):5.6
◆乗車定員(名):7
◆エンジン種類:V型8気筒OHV
◆総排気量(cc):5654
◆最高出力(ps/rpm):326/5000
◆最大トルク(kg-m/rpm):51.0/4000
◆トランスミッション:5速AT
◆駆動方式:フルタイム4WD
◆ 10・15 モード燃費(km/l):5.3
◆使用燃料/ タンク容量(L):ハイオクガソリン/77
◆サスペンション 前:ダブルウィッシュボーン・コイル式
◆サスペンション 後:5リンク・コイル・リジッド
◆ブレーキ 前:ベンチレーテッド・ディスク
◆ブレーキ 後:ディスク
◆タイヤサイズ:245/65R17
短命に終わったコマンダーだが充実の装備とスペックが魅力
'06年5月から'10年4月にかけて日本で販売されたJeepコマンダー。アメリカで生産されたのも'05~'10年であり、比較的短命なモデルだった。その意味でも、レア感はたっぷりだ。 グレードは「リミテッド」のみだが、搭載エンジンは4.7L V8(231hp)と、5.7L V8 HEMI(326hp)の2タイプが選べた。ちなみに新車価格はHEMI搭載車で700万円弱。堂々たるJeepのフラッグシップだったのである。
装備についても、超ラグジュアリーだ。インテリアはウッド&レザーで構成。シートはブラウンのレザー表皮で、未来クンもうっとり!フロントの両席はパワー調整式で、快適そのもの。オートエアコンは、この年代としては先進的な左右独立調整式を採用。しかも3列目シートにまで、エアコンスイッチが用意されている! オーディオも、BOSTONのプレミアムサウンドシステムを搭載している。
ユーティリティについても、ハネ上げ式のリヤゲートに、ガラスハッチが付属。サードシートは折りたたむとフロアにフラットに収納できてしまうので、ラゲッジルームの広さをフル活用できる。 室内は広く、取り回しも大き過ぎないボディで、とても良好、扱いやすい。走りもパワフル、今回の車両は'08モデルだが、今どきのSUVと比べてもまったく遜色ない。早々と生産終了となったが、今もモデルが続いていれば、魅力的なSUVだったんだろうな…。
今回の撮影モデルのコマンダーの足もとは純正のアルミホイールに、245/65R17 サイズのジオランダーA/T-S の組み合わせ。タイヤサイズ自体は純正と同様だが、タイプはオールシーズンからオールテレーンに変更されていた。
コマンダーのサスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン・コイルスプリング独立懸架式、リヤに5リンク・コイルリジッドを採用する。ボディ構造はラダーフレームをモノコックのボディに埋め込んだセミモノコック式、ステアリング形式もラック&ピニオン式で、どちらかといえばオンロード指向。
インテリアはウッド&レザーで構成される、ラグジュアリームード。シートはブラウンの本革張りで、オトナの雰囲気が漂う。パワー調整機能や、左右独立調整式エアコンなどもいち早く採用されていた。また3列シート・7人乗りであることも、コマンダーのトピックス。サードシートは左右分割式で、折りたたむとフロアにフラットに収納。5人乗り時のユーティリティも高いのだ。
ナイスな装備!
運転席・助手席でそれぞれ温度調整が可能なオートエアコンを採用したコマンダー。さらにサードシートの乗員もエアコンを調整できるよう、スイッチが設けられていた。キメの細かい配慮は、さすがフラッグシップ!
Miki's Impression①
2008 ジープ・コマンダー リミテッド 5.7 HEMI
四角いボディは一瞬、大きく見えるけど、ワタシが前に乗っていたサバーバンに比べると、やっぱり小さいかな……。でも、中に乗ってみるとかなり広々しているし、2列目や3列目も、意外と窮屈感がないの。着座位置が後にいくにつれだんだん高くなっているから、視界がよく、圧迫感がないのかも。
それで、何より印象的だったのが、ブラウンのレザーシート!オシャレで、シックだし、落ち着いた雰囲気。運転席と助手席は電動式でシートポジションを調整できるうえ、フカフカの乗り心地で眠くなりそう……。うん、自分で運転するより、運転してほしいなー。あと、ラゲッジルームも外見と同じようにスクエアで使いやすいよ。3列目がすっきり平らにたためるのもいいデス!
常用域では実にジェントルだがアクセルを踏み込むと野獣へと変貌
見た目はスクエアでガッシリ、身のこなしは軽快なコマンダー
一時的にとはいえ、Jeepのフラッグシップとしての存在感を発揮したコマンダー。かつての「チェロキー・ワゴニア」をオマージュしたタテ目ヘッドライトとスクエアボディ、取り回しのいいサイズと優れたユーティリティ、ラグジュアリーな装備群。その魅力は多々あるが、やはり5.7?のHEMIエンジンを忘れてはならないだろう。 普段乗りは、実にジェントルだ。
静粛性にも優れるし、クルージングは快適。トルクのピックアップも5速ATとのコンビネーションで、なかなか気持ちいい。 しかし本領はアクセルを強く踏み込んだ時。326hp & 51kg‐mのスペックが炸裂して、轟音とともに強烈に加速していく。ハーフアクセルからの変貌ぶりに、タジタジだ。
ステアリング形式はラック&ピニオン。とはいえ、ゆったりとした乗り味はJeepそのもので、シビアなレスポンスでないのも、コマンダーの持ち味。ただしハンドリングは正確で、ワインディングも意外にキビキビと、楽しく走れる。スクエアな見た目だが、身のこなしは軽快だ。
というわけで、このクルマがなぜ、今ひとつ人気がなかったのか不思議。もちろん、新車当時は高価な車両価格や、5.7?の税金もあったのだろうが、中古車市場で探そうとした今、だいぶ価格もこなれてきていそう。そして走りの楽しさを考えれば、ランニングコストも納得?
フラッグシップの心臓にふさわしい5.7? HEMIエンジンは326hp & 51kg-mという驚異的なスペックを発揮。組み合わせられるのは5速AT と、クォドラドライブII フルタイム4WDシステム。もちろんローレンジも備えている。ちなみにローレンジへのシフトはスイッチ1つでOK。
さらにこのフルタイムトランスファは、スリップを瞬時に検知してトラクションを確保する電子制御式LSDも備えている。サスペンションはフロントに独立懸架式、リヤに5リンク・コイル・リジッド式を採用してオンロード&オフロードの両立を図っている。
スクエアボディで存在感を見せるコマンダー だが、実際のボディサイズはミドルクラス。運転席からの見切りもよく、日本の狭い道でも扱いやすいし、車庫入れにも苦労しない。座り心地のいいクッションのシート、本革も肌触りなど、プレミアムSUVとしての資質も所々に感じられる。
さらに2列目シート、3列目シートの居住性も特筆できるものだ。ハッチガラスを備えた、跳ね上げ式のリヤゲートは、荷物の載せ降ろしにも便利。3列目シートは使わない時は床下にフラット収納できるので、積載スペースを犠牲にしないで済む。
Miki's Impression②
2008 ジープ・コマンダー リミテッド 5.7 HEMI
今回、グランドチェロキーSRT8と一緒に乗り比べるようなカタチになってしまったので、グラチェロに比べるとコマンダーの方が、ちょっとインパクトが薄かったかな?
でもエンジンはアクセルを踏み込めば力強く反応してくれるし、高速道路でも余裕がありそう。乗り心地もグラチェロはスポーツカーのようにカチっとしていたけれど、こちらはゆったり。ファミリーにはコマンダーがオススメかも!
2014 Jeep Grand Cherokee SRT8【2014 ジープグランドチェロキー SRT8】
一時はJeepフラッグシップの座をコマンダーに奪われたものの、その生産終了とともにフラッグシップに返り咲いたのがグランドチェロキー。そんなグラチェロの中で、ハイパフォーマンスモデルとして君臨しているのが「SRT8」だ。モデルとしては先代のWH型から登場しているが、凄みを増してきたのは、やはり現行WK型になってからだ。
今回の撮影車両は'14年型。486hp & 63.6kg-mを発生する6.4L V8 HEMIエンジンを、8速ATとセレクトラックシステムでドライブする。ただしSRT8のグラチェロは、4WDのローレンジを持たない。あくまでロードゴーイングな4WDだ。 ちなみにこの6.4HEMIエンジン、負荷の少ない走行シーンでは8気筒中の4気筒を休止させ、燃費を20%削減する“フューエルセイバーテクノロジー”も採用されている。
今やJeepを代表するプレミアムモデルとなったグランドチェロキー。とくにコマンダーの後を継ぐように登場した現行WK型は、3.6L V6を積むベーシックなモデルから、V8モデルまで、バリエーションに富んだラインナップを持つ。
その乗り味はSUV、というより、ハイパフォーマンスなスポーツカーそのものだ。たとえばポルシェのSUVや、レンジローバー・スポーツなどに匹敵するほどの速さ!ETCゲートからアクセルを少しアオっただけで、強烈な加速を体感できる。ハンドリングは重心の低いシャシーのおかげで、気持ちよく反応。乗り心地も硬すぎることなく、しなやかな路面追従性を見せる。
ハイパフォーマンスな6.4L HEMIエンジンの大パワーを受け止めるのは8速AT、そしてセレクトラック・フルタイム4WDシステム。ただしローレンジを持たないのも、SRT8の特徴だ。ブレーキにはブレンボ製をおごり、タイヤはピレリ・スコルピオンVERDE( なんとM+S 仕様!)、295/45ZR20を装着する。何から何まで、突き抜けた“Jeep”なのだ。
Miki's Impression 2014 ジープグランドチェロキー SRT8
まるでスポーツカーのような加速、重みのあるハンドリングで、かなり気に入っちゃいました! 運転していて楽しいし、サバーバンやシルバラードより、街中での取り回しも良好。ただ、ワタシにはちょっと小さいかも…。内装は高級感があって、誰かが買ってくれれば、迷わずもらっちゃいます!
SPORT名古屋 アメ車専門店
Location:愛知県尾張旭市渋川町3-2-3
Phone:0561-51-4092
URL:https://www.sport-inter.com
東海・中京エリアを中心に、SUVからスポーティカー、ファミリーカーまで、個性的なアメ車を全国にお届けしてくれるビッグディーラーが、アメ車専門店「SPORT(シュポルト)名古屋」だ。店頭やお向かいにある展示場には常時80台ほどのアメ車がズラリ。
とりわけJeep シリーズには力を入れており、今回のようなグランドチェロキーやコマンダー、そしてラングラー、コンパスなどなど大充実していて、ファンにはたまらない! もちろんカスタムの相談もOK ! コンプリートカー、オーダーカスタムにも期待大で応えてくれるぞ。
Special Thanks ◆ SPORT NAGOYA
Tel:0561-51-4092
URL:https://www.sport-inter.com
Model ◆ Miki Tachibana
Photo ◆ Takeo Asai
Text ◆ Yoshinobu
アメ車マガジン 2019年 5月号掲載
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