渋い魅力に惹かれるメキシコ産クラシックスタイルの2ドアタホ
1998y CHEVROLET TAHOE 2dr 2WD
THE PICK UP TEST DRIVE
1998y CHEVROLET TAHOE 2dr 2WD
今こそ80~90年代のアメ車にハマりたい!
下級オプションパッケージの「シャイアン」フェイスを組み込み、90年代のC/Kモデルをクラシックスタイルに変貌させている、千葉県のガレージジョーカー。
こちらで紹介したサバーバン
に続き、第2弾として98年型タホ2ドアが登場。メキシコのみで発売されていたタホ2ドア2WDというレアモデルだけに、さらにインパクトは大きい。
TBIエンジンは旧式だが高い耐久性を誇る!
機関パーツもまだまだ新品がそろう
アメリカに行けばメキシコ人に間違えられ、時にはギャングスターと間違えられ写真も撮られる、ガレージジョーカーの小川氏。そのワイルドな風貌と個性的なキャラクターが目立ってしまうが、2級整備士資格を持ち、20年以上アメ車専門の販売&整備を行なう職人だ。
同ショップは、ヴィンテージモデルから現行モデルも扱うが、販売のメインとなるモデルは90年代の車両。その理由は「アメ車らしさがある」のが一番だが、それに加えて大きいのが「メンテナンス性に優れているから」だ。
アメ車に限らず最近のクルマは、電子的なパーツも多く、何か不具合があれば周辺のユニットごと交換になり、大きな費用が発生する。一方90年代のモデルは仕組みもシンプルで、寿命となるパーツを交換すれば改善できる。
パーツ供給も社外品ではあるが、今でも新品も手に入り、とくに紹介する年代のC/Kモデルは本国でも多く走っているため、車体の99%は新品がそろうほどだ。
基本的に95年型までのアメリカ発売のC/KモデルにはTBIエンジンが搭載されているが、メキシコモデルには96年型以降もTBIエンジンが搭載されるタイプもあり、今回の98年型タホ2ドア・2WDもメキシコ産でTBIエンジン。後期型に搭載されるボーテックエンジンよりも構造はシンプルだが、実は耐久性が高くメンテナンスの作業効率もいい名機エンジン。
20年前のモデルだが、このタホもしっかりとしたメンテナンスが施されており調子は良好だ。タホ4ドアよりも全長が約400mmも短く、取り回しは機敏に操作ができるので、初めてのアメ車でも不安はないだろう。しかも人気上昇中のクラシックスタイルに変化しているので、街に出れば注目されること間違いなし!
IMPRESSIONS
加速の伸びこそ物足りないが音だけでも満足できる
キーを回すと車体が震えるようなエンジン音を響かせ、アクセルを踏み込むとドーンと加速。今どきのアメ車SUVでは得られないこの音とヤンチャな動きこそ、やっぱりアメ車らしいと感じてしまう。
クルマを走らせると、2ドアモデルだけに後方視界も良好で小回りも効く印象。力強い出だしだが、踏み込み続けた先の、もうひと伸びがないと感じるのは贅沢な悩み。決して快速ではないが、重低音のエンジン音を聞きながらまったりドライブが似合っている。
フェイスはもちろんモールやミラーなど細かい部分もクラシック化
C10などクラシックなモデルが人気上昇中ということもあり、角目1灯のシャイアンフェイスは大注目。ガレージジョーカーでは同タイプに変更するフェイスキットを販売しており、このタホはそれを組み込んだ、オススメの車両だ。
今やレアモデルの2ドア2WDのタホ
タホ2ドアは4WDモデルがアメリカで販売され、同じ2ドアでも2WDモデルがメキシコのみで販売されていた。アメ車ブームの当時はリフトアップよりもローダウンがカスタムの主流で、4ドア&2ドア共に2WDが選ばれ、メキシコ産タホも多く輸入された。しかし今ではめっきり減って、レアモデルになりつつあるタホ2ドア・2WD。
このレアモデルをベースに、下級オプションパッケージの「シャイアン」フェイスに変更するなどして、見た目をクラシックスタイルに変化させるのが、ガレージジョーカー流。サイドミラーも電動から下級タイプの固定式にし、ボディを覆うモールは80年代デザインに張り替え。ホイールは60年代デザインの15インチのラリーホイール、タイヤはクラシックスタイルに外せないホワイトリボンタイヤ(MINERVA)を組み込み、ダウンサスにてローダウン。
インテリアは下級装備ではなく、一般的なシルバラード仕様の装備のまま。カーペットに経年の汚れが若干残るが、20年以上前のモデルであれば許容範囲。もっとも劣化しやすいシートは一部張り替えもされており、年式なりの古さは感じられない。基本的な消耗品の交換も施され、今からでもロングドライブが可能。大注目のクラシックスタイルを手に入れるチャンスだ!
長い間C/Kモデルのインパネとして君臨したデザイン。部分的に使い込まれた跡があるが、どうしても気になるようなら新品に交換することも可能。
20年以上前のモデルだが、シートは一部張り替えもされており、きれいな状態を保つ。
コンパクトな2ドアといえども、ラゲッジルームはさすがの広さを誇る。ローダウンしているため、荷物の出し入れは容易だ。撮影時はスペアタイヤを外しているが、本来はラゲッジのサイドに設置される。4ドアとの違いはここだろう。
一般的なC/Kモデルの横長4灯ヘッドライトは上級装備の「シルバラード」のフェイス。それよりも安価なオプションパッケージの「シャイアン」は、各目1灯のフェイスとなる。ガレージジョーカーでは、シャイアンフェイスチェンジキットを販売している。
モールのデザインも年代によって違い、今回の車両には80年代のデザインのタイプに張り替えている。その年代の新品モールが発売されていることも驚きだ。
60年代デザインの15インチラリーホイールに、MINERVAのホワイトリボンタイヤを装着する。
SPEC
全長×全幅×全高●4630×1980×1650mm(車検証参照)
エンジン●V型8気筒
排気量●5.7ℓ
最高出力●200hp/4000rpm
最大トルク●42.9kg-m/2400rpm
トランスミッション●4AT
試乗SHOP:GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】
所在地:千葉県銚子市四日市場町238
電話:0479-25-7740
FAX:0479-25-7743
URL:https://www.garage-joker.com/
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日
アメ車専門ショップとして20年以上の歴史を誇るガレージジョーカーは、マニアック過ぎるアメ車の知識と豊富な整備経験を持つショップとして知名度が高い。アメリカから直輸入するグッズは、日本でここだけしか売っていないといえるレア物ばかり。
Photo/古閑章郎
Text/相馬一丈
アメ車マガジン 2019年 4月号掲載
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