リフトアップの定番とは異なる 異端児的なタホとサバーバンを徹底リポート
固定観念にとらわれない自由なアレンジ!
もっともアメリカンスピリットを踏襲するアメ車
AMERICAN 4×4 タフでパワフルなアメリカン4×4
真の魅力を味わう時は今しかない!!
大きなエンジンに大きなボディ、タフでワイルド、たくさんの人と荷物を乗せての移動も快適、これからがアメリカン4×4最大の長所。まさにアメリカらしい世界観。今一度戯れたいアナタに贈る大特集。
Chevrolet Suburban & Chevrolet Tahoe
スクエアボディの人気が高まる昨今、昔ながらの定番スタイルに大口径履き、ローダウンにリフトアップと様々なカスタムが施されているが、そんな中ひと際異彩を放つ二台を発掘。どちらも中々お目にかかれない個性あふれるアレンジで、マニアックな雰囲気を漂わせる。
固定観念にとらわれない自由なアレンジ!
ここ数年、1999年モデルまでのC/K、サバーバン&タホ、さらにスクエアボディと称される一つ前の世代が注目されており、中古車市場でも価格が高騰中である。人気の理由はスクエアなフォルムであり、昨今の丸みを帯びたデザインとは異なるアメ車らしさにほかならない。
また、C/Kシリーズの最終モデルですら既に20年近く経過しているとあって、ある意味ビンテージに片足を突っ込んだネオクラシックなモデルとなりつつあることも人気の一つ。そんなスクエアボディ愛好家の中でひと際異彩を放つ二台が、紹介する野田バーベキューさんのサバーバンと、そして沖縄から関西へ移住した金城さんのタホだ。
ドライドプラムレッドで武装する2WDハイリフト!!
Chevrolet Suburban
owner:野田バーベキューさん
ひと目見て明らかにほかとはちょっと違うといった雰囲気を漂わすこの両車。まずは野田さんのサバーバン。リフトアップしたサバーバンは特別珍しくはないが、ベースが2WDモデルであるというのがポイント。
購入当初はスピンドルでロワードした定番スタイルだったのだが、近所に完全着地のスラムドサバーバンが存在していたということもあって、下げ方向で勝負しても勝ち目がないからと、敢えて2WDベースのハイリフトスタイルをコンセプトにカスタムを敢行。
フロントスピンドル4インチ、コイルスペーサーで2インチ、リア4インチリーフブロック+1.5インチシャックルの足に3インチボディリフトを加え、さらには37×12.5R17のBFグッドリッチKM2の外径アップで2WDらしからぬ10インチオーバーのハイリフトスタイルを実現させた。
こだわりは上げ幅だけでなく、6穴の4WDでは履くことが不可能な5穴のボイド17インチをフロント8J、リア11Jとマニアックなオフセットで履きこなす辺りも特筆すべき点。野田さん曰く、「11Jの5穴ボイドなんて誰が履くねん(笑)」ってぐらいマニアックなサイズで、この時代のサバーバン&タホ特有の悩みである同じリムサイズで履くとフロントはタイヤがはみ出るのにリアは内側へ入ってしまう欠点を払拭するため、8Jを4本購入した後に11Jを2本買い足した。
35インチでは物足らず、37インチ履きを実現すべく着々とリフトアップを進めて実現させた10インチオーバーの上げ幅。探し続けてようやくゲットした8J、11Jのボイド製ビレットホイールを惜しみなくマットブラック化。フロントにデフがないモデルだけに足回りもスッキリ!
トーイングミラーは見栄えだけで視認性はあまり良くないとの話だが、これだけのリフト量となると映える! サイドステップやリアヒッチは乗降性を考慮しつつもスタイリッシュに。ヘッドライトはフォグがメインとなり前方車両を考慮する辺りもジェントル。
ファントムグリルなどを経て落ち着いたのが現在のマッドブラック×プロジェクターヘッドライトにバグガードの組み合わせ。ルーフバイザーもマニアックなアイテム! ちなみにドライドプラムレッドはタカラ塗料の商品でDIY刷毛塗りのワイルド仕様。
縦、横、高さの絶妙なバランスがクールな2ドア ハイリフト!
Chevrolet Tahoe
■Owner:金城さん
一方、金城さんのタホはロワードスタイルが多い2ドアをベースとしたハイリフトスタイル。ラフ&カントリーのリフトアップキットを組み、ランクル80純正のガンメタリック塗装やフレーム、ホイールまでソリッドブラックでペイントする本格派。リップ一体型のフロントバンパーやファントムグリルといったギミックも特筆物で、インテリアがキャメル色って所も粋!
35×12.5R15のBFグッドリッチに10Jホイールをソリッドブラックで塗装してホワイトレターレスの裏履きという男前な履きこなしも特筆物。クールなエクステリアとは裏腹にレアなキャメルインテリアという組み合わせもこだわりのポイント。
コンバージョンモデルに採用されるリップ一体型のフロントバンパーにファントムグリル、ルーフマーカーでヘッドライトはHID。ギブソンのマフラーエンドを除くクローム部をできる限り排除して、ガンメタリック主体のクールなカラーバランスを際立たせる。
ラフ&カントリーのリフトアップキットを軸にボディリフトを加えて35サイズのタイヤを無理なく履きこなす本格派オフローダー。しかしハイリフトはノーマルやロワード車両に比べて足もとが際立つ。そこでフレームからすべてをソリッドブラックで塗装し、オフローダーなのに綺麗なシャーシというギャップで勝負。エナジーブッシュ換装など細部まで抜かりない点も称賛物。
この様に定番スタイルから大きく外れたカスタムを施すことで、同じ車種に乗っているオーナーたちから声を掛けられることが増えたと言う2人。ミーティングやイベントに参加すれば色んな意味で注目の的。異端児と呼ばれたり変人と呼ばれたりすることは、ある意味カスタムを楽しむ者たちにとって最高の褒め言葉だったりする。
■Photo &Text:石井秋良
アメ車マガジン 2018年 12月号掲載
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