クルマは走ってナンボ! 走れるカマロが欲しいなら東海カーズへ行け!!
スタイル以上にパフォーマンスが重要!!
Ford Mustang & Chevrolet Camaro
現在に至るまで鎬を削り合ってきたポニーカー
モダンマッスルカーではチャレンジャーの勢いが凄まじく、パワーウォーズでも一歩先を行っている。だが決してマスタングとカマロも黙って見ているわけではない。この車両も負けじと魅力的なモデルをラインナップし続けている。ポニーカーの礎となったマスタングと、それを追いかけて鎬を削り合ってきたカマロ。両車に注力する。
スタイル以上にパフォーマンスが重要!!
極上物のビンテージマッスルを数多く在庫するが、骨董品のようにガレージにしまうのでなく、「いつでもアクセルを踏め!」と豪語する東海カーズの細井社長。三度の飯よりクルマを走らせることが好きで、特に初代カマロは自身でも所有するほど愛着のあるクルマだ。今回は2台の1968年型ファースト・カマロを紹介しよう。
「クルマは走らせてナンボ。マッスルカーは床までアクセルを踏んでこそ、その真価を味わえるんじゃないの? せっかく買ったクルマなのに、雨の日は乗らないとか、走ったら壊れるっていうのは本末転倒だし、壊れたら直せば良いじゃない!」と、ビンテージアメリカンを専門に扱うお店としては、非常に大胆な発言をする「東海カーズ」の細井社長。でも、確かにその言葉には一理ある。
そんなカーズでは、様々なモデルイヤーのカマロを取り揃えており、いずれも即試乗が可能なコンディションで在庫中だ。今回はその中から、敢えて2台の68年型カマロをピックアップする。 イエローのモデルは、オリジナルに忠実にレストアしつつATにコンバージョンし、エアコンやパワステも追加した快適仕様。真夏に女性でも楽々運転ができるセレブ仕様といったところだ。
対するブラックのカマロは…度々登場している、ラットスタイル。まぁ「ちゃんと走るの!?」と思う人が大半だと思うが、見た目で判断してはいけないと良く言うが、まさにこのクルマが好例。日々進化しており、富士スピードウェイで開催されたアメフェスのユーザーレースで、見事ポールtoフィニッシュを達成! そんなポテンシャルを秘めているのだ。 もちろん人それぞれ価値観は異なるだろうが、見た目だけ綺麗にしても、中身が疎かでは意味がない。マッスルカーで走りを思いっ切り楽しみたいオーナーをカーズでは心待ちにしている。
1968 CHEVROLET CAMARO RAT STYLE
とにかく、マッスルカーの走りを思いっ切り楽しめるようにアレンジされた68年型カマロ。最高速を重視しファイナルギアを3.7→3.0へと変更しているが、極太のトルクのおかげで、街乗りもドラッグマシンのような加速が堪能できる。ちなみにショックはビルシュタイン製だが、エナペタルで特注の減衰力に変更したものを装着。ギャップを乗り越えても瞬時に衝撃を吸収し、ロールスピードもかなり抑制されている。街乗りからサーキットまで、まさに1台で楽しめる仕様だと言える。
見た目は二の次三の次…と言うものの、コブラジェットや遊鷹氏の手による、ピンストライプを追加。ボディのサビは日々進行しており、ボディ剛性は低下の一途ではあるがある意味そんなことはお構いなし。
ドアの内張やリヤシートは撤去し、軽量化を実施。サーキット走行に対応できるよう、フルバケットシートや4点式のシートベルトに変更。また重量バランスなどを考慮し、バッテリーは運転席後ろに移設。インパネ中央にはメーター類を追加し、信頼性をUP。意外にもパワーウインドーは残されていたりする。
エンジンは385ビッグブロックを搭載。見た目に反して非常に美しい状態に保たれており、ホース類も新品同様の物に交換。ミッションはオリジナルでは4MTだが、4+1に変更し、トップギアのギア比を変えずにクロスミッション化を実施。どこからでも390psのポテンシャルを引き出せるようにしている。
スプリングはノーマルのままだが、ショックは前述した通りビルシュタインのエナペタル仕様。伸び縮みとも減衰力はオリジナルの5倍以上に変更するが、非常に乗りやすい。タイヤはTOYOのPROXESをチョイス。
1968 CHEVROLET CAMARO
今から半世紀前に新車で販売されたとは思えないほど、美しいコンディションへと復元された68年型カマロ。ただ単にノーマル状態に戻すのではなく、2018年でも安心・快適に乗れる仕様へとアップデートを実施。具体的には信頼性を向上させるために電圧/水温/油温のメーターを追加。また、ビンテージエアー製のエアコンも追加し、真夏でも快適に乗れるよう快適性能も追求。一度フレームオフを実施し、可能な限り新品部品に交換。ルーフのバイナルトップも張り替えられ、50年の年月を全く感じさせない。
淡いイエローのボディカラーが特徴的。ボンネットはクーリングタイプに変更され、トランク部分にはコンパクトなスポイラーを追加する。アメ車としては比較的コンパクトな「ポニーカー」なので、日本でも丁度良いボディサイズだ。
サスペンションはオリジナルのままで、ショックをリフレッシュした程度。タイヤはホワイトレターが特徴的なBFグッドリッチのラジアルT/Aをチョイス。これに、アメリカンレーシングのホイールを組み合わせる。
オリジナルのテイストをしっかり残しつつ、快適性の向上に重点を置いたカスタムを実施。エアコンはビンテージエアーを装着し、4MTから4ATへとコンバージョン。シート類も張り替えられ、新車かと見紛うほどの美しい仕上がりとなっている。
エンジンは350を搭載。快適なクルーズカーがコンセプトなので、エンジンコンバージョンに合わせてAT化も実施。ボンネット内にはボディ補強も施してあり、エンジンのパワーに負けない剛性を実現している。
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Photo /浅井岳男 Text/空野 稜
アメ車マガジン 2018年 11月号掲載
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