フィフスジェネレーションのATとMTの異なる仕様の2台のマスタング
FIFTH GENERATION FORD MUSTANG
Ford Mustang & Chevrolet Camaro
現在に至るまで鎬を削り合ってきたポニーカー
モダンマッスルカーではチャレンジャーの勢いが凄まじく、パワーウォーズでも一歩先を行っている。だが決してマスタングとカマロも黙って見ているわけではない。この車両も負けじと魅力的なモデルをラインナップし続けている。ポニーカーの礎となったマスタングと、それを追いかけて鎬を削り合ってきたカマロ。両車に注力する。
スポーティさを求めるか? カジュアルさを求めるか?
FIFTH GENERATION FORD MUSTANG
アメ車専門店として大量のストックを誇るSPORT名古屋。Jeepを多く扱うイメージがあるが、実はフォード・マスタングのストックも豊富なのだ。様々なニーズに対応するべく、同じマスタングであっても仕様の異なるバリエーションをラインナップしているのがウレシイ。今回は、フィフスジェネレーションのATとMTの異なる仕様の2台のマスタングを紹介しよう。
イージーに乗るならAT、ダイレクト感を味わうならMT
様々なフィールドで活躍するSUVなどに人気が集中する近年において、スポーツカーの存在は、非日常的でマイナーな存在になりつつある。日本車においては、クーペなどのスポーティモデルのラインナップそのものが減少している。それに対してアメリカでは、マスタング、カマロ、チャレンジャーなど、明確なキャラクターを持つスポーツモデルが各メイクスよりラインナップされている。
いずれも、マッスルカー世代のモデルとあって、エコを最優先する現在においても、マッシブなポテンシャルを売りとし、パフォーマンスも益々アップ。中でもマスタングは、マッシブさよりも、総合的な運動性能をバランスしたスーツモデルとして、アメ車の枠を超えてファンが多い。 今回は同じ5.0LV8 GTにして、乗り味の異なるオートマチック&6速マニュアルのそれぞれの魅力を紹介する。
2011年のAT車は412hp、2013年型のMT車では420hpと、エンジンパフォーマンスはほぼ同等。いずれも自然吸気のV8ならではのリッチなトルクが味わえる。アメリカンV8特有のトルクをイージーかつフレンドリーに味わうなら俄然ATだ。 一方MTは、アグレッシブなパフォーマンスを体感するうえでは、AT車では得られないダイレクトなレスポンスが味わえる。どの回転域でもトルクが発揮され、クラッチ/シフターなどの操作タッチの良さが抜群で、気軽に楽しめるのがいいのだ。
アメ車らしさを体感できるAT車
2011 FORD MUSTANG GT Premium V8 5.0(AT)
初代のスタイリングを反映させた5世代目の中期にあたる2011年型は、今見るとマスタングらしさと、良質なGTカーとしてのアップデートのバランスが丁度良い印象を受け、その魅力を再認識。搭載エンジンは5.0Lとなった412hpを誇るコヨーテV8。
高スペックではあるが、電子制御によってバランスの取れた理想的な状況を確保するため、往年のマッスルのような暴力性こそないが、どの回転域でも、勾配のきつい上り坂であっても、一度アクセルを踏み込めば、アクセルワークと期待にシンクロして、グングンと車体が突き進む。
ライバルのカマロやチャレンジャーの同等のポテンシャルを持つ仕様車に比べて、マスタングは車重で100kgほど軽量なだけに、軽快なフィーリング。ハイパワーをフレンドリーに味わえるオートマッチック車こそ、アメ車特有の醍醐味を満喫できて◎!
2011~12年に採用されたV8は、オールアルミ製32バルブ、DOHC 5L、412hp(@6500)を発生する“コヨーテ”。
6速ATとの組み合せは、ハイパワーV8を気軽に味わうアメ車特有の醍醐味が満喫できてイイ! トルクの立ち上がりが比較的マイルドなうえ、ファイナルレシオが標準の2.73:1なだけに、体感的に控えめでも、スピードはグングンと上がるのだ!
往年のデザインを反映した5世代目の中でも、2010年型よりフェイスリフトされた中期型は、本来持つマスタングらしさと、現行GTカーとしてのアップデートのバランスが良い。最新第6世代がリリースされている今こそ、第5世代の魅力がフォーカスされる。
ファイナルレシオはLSD投入車における標準である2.73:1とあって、瞬発力はマイルドながらも、最高出力412hpによるエンジンパワーは、どの領域からでも瞬時に発揮する。ホイールは純正の5スポーク(タイヤ245/45R19)。
最新モデルと比較すると、モデルイヤー相応の若干の古さを感じるものの、シンプルで飽きのこないデザインは一台のGTカーとしての魅力は十分。シートおよびドアパネルはブラウンレザー。ブラックの車体色とのコンビネーションも良く、フォーマルにも対応できる。
2013 FORD MUSTANG GT Performance Pkg.V8 5.0(MT)
瞬発力とトルクを楽しめるMT
イマドキのスポーツモデルは400hpを超えるハイパワーながらも、電子制御によって総合的にバランスが良く、とにかく乗りやすい。その分、往年のモデルのようなアグレッシブさに欠けるが、マニュアル・ミッション車となれば話は別だ。自分の気分に応じた刺激的な走行を味わうことができる。
ファイナルレシオもマニュアル車では標準で3.31:1が組み込まれるため、搭載エンジンが同じでも、AT車よりもMT車の方が、瞬発性に優れている。それでいて低回転域でもトルクフルで扱いやすいため、日常使用車として活躍させる中で、非日常を味わうことができるのだ。絶滅危惧種になりつつあるマニュアル車において、コストパフォーマンスの面に置いても優れていると言える。
2013~14年型マスタングに搭載されるV8は420hp(@6500)を発生。トルクもリッチなため、AT車なら市街地での走行では3000回転以内で十分。マニュアルのこの個体には3.31:1(オプションには3.73:1も存在)が組込まれるため、4速直結で3000回転では100km/hを超える。それだけに、燃費においてはAT車よりは不利だが、エンジンパワーをダイレクトに味わうにはこの上ない。
マイナーチェンジを受け、より戦闘的な面構えとなり、フードにはクォーターガラスのカバー同様のルーバーが入る。グラマラスなスタイリングが、インパクトのあるグリーンの車体色によって強調されている。テールランプが分割されるなど、全体的にメリハリのあるモダンなデザインに移行しつつ、往年のマスタングらしさが共存する。
フロントブレーキはブレンボ製を採用。純正ホイールのV型スポークのデザインに当時のトレンドが感じ取れる。装着タイヤはピレリ P Zero 255/40ZR19。
メーター&ディスプレイの編成以外は2011年型と基本的なデザインは共通。インテリアは黒で統一しながら、この個体はメーカーオプションとしてのRECAROシート選択車となる。世界中のハイパフォーマンス車が採用する世界最高峰のドイツ製のシートである。シフターのタッチはすこぶる良く扱いやすいが、日本人の体格にはセンターコンソールがもう少し低い方がいいかも。
SPORT 名古屋アメ車専門店
住所:愛知県尾張旭市渋川町3-2-3
Tel:0561-51-4092
HP http://www.sport-inter.com/
アメ車専門店として、人気のSUV を筆頭に、様々なニーズに対応する幅広いバリエーションによる大量のストックを誇る。そのため、同型車による仕様や条件の異なる個体を通して、それぞれの魅力を見出すことができるのがSPORT 名古屋の強みだ。今回はマスタングのAT 車とマニュアル車とで、同じV8 エンジン車ながらも、キャラクターの異なる2 台をフィーチャー。
PHOTO ■能勢博史 REPORT ■石橋秀樹
アメ車マガジン 2018年 11月号掲載
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