今やマスタングシリーズの中でもっとも希少なマスタングⅡGHIA
渋くてマニアックなアメ車にも対応するするF.A.S.T
Ford Mustang & Chevrolet Camaro
現在に至るまで鎬を削り合ってきたポニーカー
モダンマッスルカーではチャレンジャーの勢いが凄まじく、パワーウォーズでも一歩先を行っている。だが決してマスタングとカマロも黙って見ているわけではない。この車両も負けじと魅力的なモデルをラインナップし続けている。ポニーカーの礎となったマスタングと、それを追いかけて鎬を削り合ってきたカマロ。両車に注力する。
今やマスタングシリーズの中で もっとも希少なマスタングⅡGHIA
1975 FORD MUSTANG GHIA
C3コルベットをズラりと並べてのイベント出展や、代表の大森氏自身が長年C3を愛車にしていることから「F.A.S.TってC3専門店なの!?」というイメージが強いが、同年代のカマロやマスタングはもちろん、トラック&SUV~現行車両まで実に多彩なアメ車の整備、メンテナンスを行なっているのだ。今回はある意味マニアックな1975年型マスタングⅡGHIAを紹介しよう。スタイリッシュとは言えないものの、実に味のあるアメ車なのだ。
渋くてマニアックなアメ車にも対応するするF.A.S.T
東京オートサロンのAIWAブースでデビューしたトリプルフレイムスが強烈なインパクトを誇るキャノンボールにはじまり、アメ車マガジン別冊「アメリカンヴィンテージカーマガジン」の第一号でカバーカーとなった大森氏の愛車、76年型C3スティングレイグリーンウッドのイメージからコルベットに強いショップのイメージが強い東大阪のF.A.S.T(ファースト)。
確かにC3に関して言えばスペシャリストとしてカリスマ的存在であることに相違はないが、今回の撮影当日はアーリーブロンコ、シェビーバン、カマロ、さらにはエレノア仕様の高年式マスタングが来店するなど実に多彩なアメ車が入庫していた。ジャンルの異なるアメ車が混在するのは日常茶飯事で、70年代の名車の横に現行車両が並ぶなんて光景も珍しくない。
また、関西近郊のみならず全国から「確かな腕」を頼りに修理依頼が舞い込む駆け込み寺的存在でもある。 今回紹介する1975年型マスタングⅡGHIA(ギア)も、他県からエアコンのアップグレードの相談で入庫した車両であり、ビンテージカマロやマスタングも近県はもちろん、遠方からの作業依頼も多い。
今回のマスタングⅡは、オリジナルを重視したグッドコンディションの個体で、純正グリーン色で内外装がコーディネートされた落ち着いた雰囲気が漂う一台。インパクト大な車両だけでなく、こうしたオリジナル重視のレストアもF.A.S.Tの得意分野なのだ。
オイルショックや排ガス規制の影響を受けて低燃費・小型化が進み、ダウンサイジングされた第二世代のマスタングII。1974年にリリースされた当初は直4とV6のみの設定だったが、翌年75年からV8が復活。
撮影車両はその302(5.0L)V8 を搭載した正規輸入されたディーラーモデルである。ウィンカー&ポジションランプが正規モデルの証だ。F.A.S.TでVINTAGE Airによるエアコンの効率アップを施工しつつも、その他はオリジナルをグッドコンディションで保つ正統派VINTAGEなのである。
オリーブグリーン基調に木目の装飾が落ち着いた雰囲気のインテリア。ATシフトからセンターコンソールまでの造形美も実にシンプルで、インストルメンタルパネルやシートデザインもモダンな仕立てとなる。
302(5.0L) V8は139hp/3600rpmで、ハイスペックとは言い難いが、V8サウンドを堪能しながらゆったりと流すには最適。フロアATなのでギアチェンジを行ないながらのスポーティなドライビングとは無縁だが、普段乗りを快適にこなせる大人のためのコレクタブルカーだ。
日本でもアメリカでも、マスタングⅡは今やかなりの少数となっており、オリジナルのミントコンディション車に遭遇するのは稀なのだ。
F.A.S.T◆
tel:06-6784-1976
http://fast1976.jp/
Photo & Text/石井秋良
アメ車マガジン 2018年 11月号掲載
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