ネーミングの「1320」はドラッグレースのスタートからゴールまでの距離のこと。
“Angry Bee”に気を付けろ!!
ノリに乗ってるチャレンジャーの2019年モデルに、またしても新たなスペシャルバージョン「R/Tスキャットパック1320」の登場だ。2018年話題になった「デーモン」 は好評のうちに製造を終了したが、そのエッセンスを盛り込んだ、新たなドラッグレーサーがこれだ。
“Angry Bee”に気を付けろ!!
2019 Dodge Challenger R/T Scat Pack 1320
過給器無しの市販車としては最速のドラッグレーサーだ!!「レッドアイ」 以外にもうひとつ今回発表されたのは「デーモン」 の後継車としてのドラッグレース向けニューマシンである「R/Tスキャットパック1320」だ。ネーミングの「1320」は1320フィートのことで、1/4マイル、すなわちドラッグレースのスタートからゴールまでの距離のこと。ここからも今回の1320がドラッグレースオリエンテッドなマシンであるということが分かる。
搭載エンジンは6.4リッター V8 HEMIで、485hp/475lb-ft(65.6kg-m)を発揮する。この数値を見ると、デーモンの840hp/770lb-ft(106.4kg-m)からは見劣りするものの、1320の1/4マイル公式タイムは11.7秒であり、過給器なしの市販車としては最速の性能を持つ。 2018年モデル限りの限定車だったデーモンはすでに予定の3300台をすべて製造終了しており、これから注文することは不可能である。
いずれそれに近いまたはそれを凌駕するモデルがリリースされる可能性は高いものの、それがいつになるかは現時点では不明である。 しかし、デーモンを実現するにあたって開発されたドラッグレース向けの各種アイテムや仕様についてはパワーユニット以外にも多数ある。それらを市販車に盛り込んでドラッグレースマシンのベース車両として組み上げ、新車価格はデーモンの半値以下となる40ドル強に抑えたのが今回の1320なのである。
1320には8速AT、ドラッグモード付き減衰力調整サスペンション、ラインロック、トランスブレーキ、ローンチアシスト&ローンチコントロール、275/40R20ネクセン・ドラッグスペックタイヤ、ブレンボ4ピストンキャリパーブレーキパッケージなどが標準装備される。
また、シートは運転席のみ標準装備で助手性および後席はオプションとなるのはデーモンと同じだ。 また1320にはスーパービーに似たエンブレムが付いているが、これは「アングリー・ビー」と呼ばれ、エアキャッチャーヘッドランプやダッシュボード、キーフォブにもある。
デーモンと同様、運転席のみ標準装備で、助手席および後席はそれぞれオプションとなっている。
アメリカおよびカナダ国内のドラッグレース場は合計で200あまりもあるのだという。そうした彼の国の状況があってのドラッグレース用市販車両なのだ。ローカルな競技としてのドラッグレースは、ただ速く走れば勝つというものではないダイヤルイン方式などを取り入れたブラケットレーシングが主流になるなど、レースを楽しむための仕組みも整っている。
■Text & Photos|アメ車MAGAZINE
アメ車マガジン 2018年 10月号掲載
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