ノックダウン生産された車をベースに、レストア必須のストック状態からストリートロッド へと作り替えた個体

ビンテージ

フォード

レストロッド

アメマガ2018年9月号

35年型セダン

350エンジン

ノックダウン生産

ストリートロッド

国内にてノックダウン生産された右ハンドル車をベースに、レストア必須のストック状態からストリートロッドへと作り替えた個体。


STREET ROD ECSTASY
1935 Ford Humpback Sedan

ゼロからスタートして完成に至ったレストロッド

国内にてノックダウン生産された右ハンドル車をベースに、レストア必須のストック状態からストリートロッドへと作り替えた個体。長期の製作期間を経た完成後は、ロッダーを地でいくように長距離遠征にもアグレッシブに出動。近年の仕様変更によって、理想的なプロポーションを獲得した秀作!

IMG_0384

パンプキンの愛称でお馴染みのフォードF100を求めて模索するなか、日本国内にてノックダウン生産された35年型のセダンのベースに巡り会い、ストックの状態からストリートロッドへアレンジするプロジェクトに発展。文字通り、ゼロからの作業なため、作業メニューが多く、完成までには長い年月がかかってしまったが、それだけに、完成後は、正に水を得た魚のごとく、長距離トリップにも積極的に出動するなど、ロッダー・ライフを満喫している35年型セダンのオーナーさん。

 

ファットフェンダーの初期にあたる35年型は、過渡期ならではの立ち位置で、人気もあまり高くない。そのため、アメリカでも決定版といえるプロポーションを構築する個体を目にする機会が少ない。そんな中、この個体は、リペアを兼ねて、今年に入り足回りをアレンジしたことで、理想的なプロポーションに変身を遂げることに成功。

 

スキニーなフロントに、ディープリムによるワイドなリアとのバランスこそが、HOT RODとして理想的な組み合せ。それに向け、ホーシングをナロータイプのフォード9に変更し、リアシートスペースの確保をしつつ、フレームを加工せずして最大限のスペースを確保するアレンジを実施。

 

リアホイールにおいてはルックス的に最も理想的とされる10Jならではのデザインにして、リバースの8J幅という、アメリカンレベル社の「トリック8」を採用することで構築。タイヤ&ホイールと絶妙な車高スタンスこそが、クルマのカッコ良さを決定づけるということを、証明する好例だ!

IMG_9993

搭載する350エンジンは、マイルドパフォーマンスの平均的な仕様ながらも、車重の軽いストリートロッドには不満ないパフォーマンスを発揮するド定番。モダンなメカニズムのサスペンションはバネレートが車重に対して完璧にマッチしており、適度なタイトさの中にも、しっとりとした乗り心地が得られる。市街地からハイウェイ走行まで難なく対応する。この時代のセダンの室内は、高級サルーン並にゆとりあるため、4人乗車によるロングトリップでも快適なのだ。

IMG_9981

外観は基本的にストック。それまではテールレンズやナンバーをトランク部に移設したモダンなスタイルだったが、今回の仕様変更で、あえてストックに戻した。バンパーも前後共にストック品を手配済みで、近日中に装着する予定。理想的なプロポーションの構築に伴って、不変的な魅力のレストロッドとして生まれ変わった。

IMG_9976

エンジンは定番のシボレー製350ci。エーデルブロック製シングル4バレルキャブレターをセットしたマイルドパフォーマンスな仕様。センターロック世代ながらも、クラシカルなルックスのバルブカバーが全体の雰囲気にマッチする。トランスミッションは4速AT。社外の専門メーカーによるエアコンを完備する。ちなみに、ガルウィング式フードは4ピース構造によるストック。

IMG_0019

日本車から流用したシートや内張りは、ブラックで統一し独自に制作。ステアリングコラムはチルト式の社外製GMタイプにアレンジ。ステアリングは定番のバンジョータイプ。ビレット製のメーターパネルは、モダンなアプローチだった時のなごりである。

IMG_0008 IMG_0014

フロントのサスペンションは、マスタングII タイプの独立懸架。ステアリングはラック&ピニオン式。リアエンドはセミナローのFord9に入れ替え、それに伴い4バー式コイルオーバーにアレンジ。8Jにして10Jを思わせるディープなスロットホイールは、アメリカンレベル社の“ トリック8”。

IMG_0357 IMG_9998 IMG_0396 IMG_0393


Special Thanks ◆ ANDY’s Rod Works
Phone:047-713-9122


Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2018年 9月号掲載


関連記事

RELATED


29年型フォード・モデルAと、27年型フォード・モデルT、博物館に展示されていてもおかしくない2台。

東海カーズといえば圧倒的な存在のラットスタイルが有名。

四半世紀以上前にアメリカより輸入した 37年型のスラントバック・セダン。トラディショナルなスタイル!

全盛期だったハイテックスタイルでコンプリートされていた個体を、現オーナーが近年入手した際に、トラディショナルなスタイルにリフレッシュ!

ストリートロッドのベース車として、ダントツ人気のデュースこと32年型Ford

乗って楽しむことこそが、ロッダーの流儀なだけに、コスパに優れるピックアップでフレンドリーに楽しむのがオススメ!

ストリートロッド界きっての、激レアでマニアックなスポーツクーペ

ストリートロッド界きっての人気モデル“デュース”の中でも、激レアでマニアックなスポーツクーペ。

【究極のアメ車】クラシックなおしゃれ趣味。憧れの「ストリートロッド」とは?

究極のアメ車。憧れのクラシックカー「フォード ストリートロッド」。1930年代のおしゃれなストリートロッドをラインナップ。時代を感じさせる直線と曲線の芸術的な車に、あなたも魅了されるはず。

Photo &Text: アメ車MAGAZINE編集部

 

最新記事


2024/12/03

アメ車&ドイツ車を専門に扱う日本有数の解体ショップ【T&K インターナショナル】

メンテナンス

ショップ

MAINTENANCE of AMERICAN CARS
解体屋ならではの迅速な対応でアメ車乗りをサポート

2024/12/02

激レア!フルウィンドーのダッジスポーツマンの愛らしさ

バン

ダッジ

いつかはウェストサイドなローライダー!そんなイメージを抱きがちなDJではあるが、本国では意外とそうでもなかったりする。現地で見たリアリティ溢れるカーカルチャーを、日本でサラッとこなすナイスガイを直撃!

2024/11/29

【ファニーガレージ】クルマ全般に精通しており、頼れるアニキのような存在!

ショップ

自動車メーカーやアメ車専門店など、様々な経歴を持つファニーガレージ代表の森 博章さん。アメ車専門ではないが、常にユーザーに寄り添ってくれる、真のモータースと呼ぶのが相応しいお店だ。

2024/11/28

【GMCラリーSTX】真鍮&ウォールナットとGMCラリーのコントラストが映える

バン

シボレー

モノ選びは直感。既製品で存在しない物は作ってでも納得のいくモノを愛用したい。そんなこだわりの強いオーナーに好まれるビンテージバン。飾り過ぎはナンセンス。ありのままを受け入れる余裕が魅せる“濃い目のバンライフ”。

ランキング


2024/12/02

激レア!フルウィンドーのダッジスポーツマンの愛らしさ

バン

ダッジ

いつかはウェストサイドなローライダー!そんなイメージを抱きがちなDJではあるが、本国では意外とそうでもなかったりする。現地で見たリアリティ溢れるカーカルチャーを、日本でサラッとこなすナイスガイを直撃!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2022/07/14

チャレンジャーとチャージャー、実はこの2台は双子の様な存在と言える。

セダン

クーペ

ダッジ

2019 DODGE CHALLENGER R/T SCATPACK WIDEBODY[SUBLIME]
2018 DODGE CHARGER DAYTONA392[YELLOWJACKET]