映画『アメリカングラフィティー』の劇中車として、世界一有名なデュース・クーペ をオマージュ
STREET ROD ECSTASY
1932 Ford 5 window
1932 Ford 5 window STREET ROD ECSTASY
「アメグラ」の劇中車をオマージュしつつ昇華
映画『アメリカングラフィティー』の劇中車として、世界一有名なデュース・クーペをオマージュしながらも、スタイリング、ポテンシャルの面で、正常進化させた現代版! スーパーチャージャーで武装したV8モーターが露出したルックスは、正にHOT RODを象徴する憧れのスタイル!ストリートロッドのベース車として、ダントツ人気のデュースこと32年型Ford
30年代のモデルは、とりわけ軽量なため、ストリートロッドとしてアレンジした状態でも1t程度。それだけに、エンジン出力は200hpもあれば、十分な速さを感じられるのがポイント。その点この個体は、スーパーチャージャーで過給するシボレー350に換装されているだけに、トップレベルのマッスルカーを凌ぐ、ホットな体感が味わえる。
しかも、ミッションは4速マニュアルを搭載しており、その体感はATでは得られないほどダイレクトに味わえる。発熱量が多いスーパーチャージャー車なので、渋滞は避けたいが、撮影時も渋滞に見舞われながらも、快調にポテンシャルを発揮していた。
日本では、非日常的でマニアックな印象のストリートロッドは、カーショーなどに行かないかぎり、なかなか目にする機会が少ないのが実情。それでも、ストリートロッドそのものが何か分からないという人であっても、映画『アメリカングラフィティー』の劇中車として登場する「グラフィティー・クーペ」は、お馴染みの存在だろう。
それだけに、ダイキャストなどでリリースされたモデルは人気が高く、競争率も高くプレミア価格が付くほど。この個体は、そんなグラフィティー・クーペをイメージして、5ウィンドー・クーペをベースに、かれこれ20年以上前に、日本でアレンジされたもの。 昔からストリートロッドに憧れていた現オーナーが、近年入手したうえで、自身が理想とするスタイルを織り交ぜながら、アップグレードしている。
チョップトップ&サイクルタイプにアレンジされたフェンダーによる引き締ったボディは、グラフィティー・クーペ特有のスタイルとして保持しつつも、ストックよりも縦方向に短縮されるラジエター&グリル、はスーパーチャージャーの導入に伴い、熱対策を考慮してストックのスタイルでリメイクしている。
結果として、マッシブなポテンシャルを獲得すると同時に、全体のシルエットは、グラフィティー・クーペ以上にスタイリッシュに纏まっている。劇中でのオーナー、ジョン・ミルナーに思いを馳せながらも、スーパーチャージャーならではのマッシブなV8パワーをマニュアル・ミッションで味わえるという、なんとも贅沢な仕様なのだ!
関東でのイベントに参加するなど、乗って楽しむストリートロッドの奥義を貫くオーナーの心意気が、この個体の魅力を輝かせている! 30年代初頭のモデルでは、ルーフの中央部分はスチールではなく、木材が使用されていたため、レザーシートで化粧されている。
チョップトップによって引き締ったフォルムは、疾走感があるだけでなく、空力に優れるホットロッドではお約束の手法。映画「アメリカングラフィティー」は1962年の設定となっており、キャッチーなイエローの車体色や、クロームしたスチールホイールの装着など、全体的に50'sスタイルとなっている。特徴の1つであるグリルの短縮は採用していないが、むしろ、その方がルックス的バランスは優れている。
エンジンは、定番的なシボレー350を採用し、ルーツタイプのスーパーチャージャーでモディファイ。3連Vベルト式のクラシックなスタイルが、この個体のキャラクターにマッチしている。
平均的なハイパフォーマンスV8でも、軽量なデュースクーペではホットな走りが味わえるが、スーパーチャージャーを追加したうえに、マンシー製4速マニュアルの組み合せは、トップレベルのマッスルカーをも凌ぐマッシブな仕様!
インパネのスチール部分はブラックでペイントし、室内全体にマッチさせている。ゲージ類はクラシカルなスチュワートワーナー製。王道のグランツ製ステアリングも良く似合う。“グラフィティー・クーペ” を意識してシフトハンドルはピストンタイプを採用している。
タイヤは定番のBFグッドリッチをチョイス。サイズはフロントは155/80R15、リアは235/75R15という往年のスタイルならではのセットアップ。フロントサスペンションはオールドスクールなIビームながら、リアはコイルオーバー式にアップグレード。リアエンドはFord9。
Special Thanks ◆ Deuce Factory
Phone ◆ 045-333-4877
Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2018年 9月号掲載
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